上体起こしの正しいやり方と平均回数は?2026年最新の判定基準・記録アップ術を徹底解説
上体起こしは、小学生から高校生までの体力測定や、成人の体力チェックで広く使われる種目です。新体力テストでは、30秒間に正しいフォームで何回できるかを測定します。ただし、上体を起こせばすべて1回と数えられるわけではありません。動作の基準を満たさない場合、記録に加算されないことがあります。
2026年10月時点で、スポーツ庁が公表する「令和7年度体力・運動能力調査報告書」では、6歳から79歳までの年齢別平均値を確認できます。さらに、2025年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、小学5年生と中学2年生の最新の全国平均も公表されています。ここでは、公式の実施要項と統計資料をもとに、正しいやり方、平均回数、判定基準、記録を伸ばすコツ、腰痛がある場合の注意点まで詳しく解説します。
【まず確認】上体起こしの正しいやり方と30秒間の回数の数え方
スポーツ庁の「新体力テスト実施要項」では、上体起こしの姿勢、動作、記録方法が定められています。学校の体力テストで記録を正しく残すためには、速さだけでなく、スタート姿勢と戻る動作まで守る必要があります。
上体起こしの基本フォーム
1. 仰向けになり、膝を90度に曲げる
マットの上で仰向けになり、両膝を約90度に保ちます。両手を軽く握り、両腕を胸の前で組み、両脇を締めます。
2. 合図に合わせて上体を起こす
「始め」の合図で上体を起こし、両肘と両大腿部が接触する位置まで動かします。首を強く引っ張ったり、腕を振って勢いをつけたりせず、腹部を意識して動きます。
3. 肩甲骨がマットにつくまで戻る
すばやく仰向けの姿勢に戻ります。背中、特に肩甲骨がマットにつくまで上体を倒すことが必要です。
4. 30秒間、正しい動作を繰り返す
補助者に両膝をしっかり固定してもらい、30秒間でできるだけ多く繰り返します。公式の実施要項では、測定は1回とされています。
上体起こしの回数の数え方
文部科学省・スポーツ庁の実施要項に基づく判定では、次の条件を満たす必要があります。
- 上体を起こしたとき、両肘と両大腿部が接触している。
- 上体を戻したとき、背中がマットにつく。具体的には、肩甲骨がマットにつくまで倒す。
- 30秒間のうち、正しい動作を完了した回数だけを記録する。
例えば、30秒間に25回上体を起こしても、戻ったときに肩甲骨がマットについていない動作が3回あれば、その3回は記録に加算されません。最終的な記録は22回となります。
また、補助者は両膝をしっかり固定し、測定者と頭がぶつからないように注意します。公式の実施要項では、メガネを外して測定することも注意事項に挙げられています。
ポイントは、起き上がる動作と戻る動作の両方を正確に行うこと。 速さだけを優先すると、回数が増えないばかりか、腰や首への負担が大きくなるおそれがあります。
【2026年最新】上体起こしの年齢別平均回数を一覧で比較
上体起こしの平均回数は、年齢と性別によって異なります。小学生と中学生の比較だけでなく、高校生や成人についても、スポーツ庁の公表資料から目安を確認できます。
ここでは、2026年10月時点で公表されている「令和7年度体力・運動能力調査報告書」の年齢別平均値を紹介します。
6歳から79歳までの年齢別平均
単位:30秒間の回数。6〜19歳は1歳刻み、20歳以上は5歳刻みの平均値です。
出典:スポーツ庁「令和7年度体力・運動能力調査報告書」。年齢別の平均値を小数第2位まで掲載。65〜79歳は高齢者向けの調査対象区分です。
小学生の平均回数は何回?
小学生の場合、6歳から11歳にかけて平均回数が増える傾向が見られます。上の年齢別データでは、10歳男子は20.85回、女子は18.86回、11歳男子は21.69回、女子は20.25回です。
一方、学校で実施される全国調査の平均値は、対象学年を限定した別の統計です。スポーツ庁の「令和7年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」では、小学5年生の平均は次のとおりでした。
- 男子:19.46回
- 女子:18.36回
小学5年生の記録を比較する場合は、この学年別の全国平均を参考にすると、学校での測定結果と照らし合わせやすくなります。
中学生の平均回数は何回?
同じ2025年度の全国調査における中学2年生の平均は、男子25.99回、女子21.62回でした。
中学生になると、成長に伴う筋力や運動能力の変化が記録に表れやすくなります。ただし、同じ学年でも運動習慣や体格、測定時のコンディションによって差があるため、平均値を個人の能力を決める絶対的な基準にする必要はありません。
高校生の平均回数は何回?
高校生については、上の年齢別データで15〜17歳を目安にできます。
- 15歳:男子27.49回、女子21.40回
- 16歳:男子28.66回、女子22.55回
- 17歳:男子30.24回、女子23.07回
ただし、これらは年齢別の体力・運動能力調査の平均値であり、高校生全体を対象とした学校別調査の平均値ではありません。学校の学年別平均と比較する際は、調査の対象や方法が異なる点に注意しましょう。
【判定基準を解説】上体起こしの回数は何点?平均以上なら高評価?
上体起こしの判定基準を調べる際に注意したいのが、種目単独の得点と、新体力テスト全体の総合評価は別物だという点です。
スポーツ庁の2025年度全国体力調査の項目別得点表では、小学生と中学生で得点の基準が異なり、男女でも設定が分かれています。
小学生の得点基準
小学5年生などの学校での新体力テストでは、上体起こしは10点満点で採点されます。
- 男子:26回以上で10点、23〜25回で9点、20〜22回で8点。
- 女子:23回以上で10点、20〜22回で9点、18〜19回で8点。
例えば、男子が25回なら9点、女子が21回なら9点です。平均回数に近いかどうかだけではなく、公式の得点表に当てはめて評価することが大切です。
中学生の得点基準
中学生では、基準が小学生より高く設定されています。
- 男子:35回以上で10点、30〜32回で8点、25〜26回で6点。
- 女子:29回以上で10点、23〜25回で8点、18〜19回で6点。
中学2年生男子の全国平均は25.99回ですが、10点の基準は35回以上です。つまり、全国平均を上回ることと、種目で最高得点を取ることは同じではありません。
総合評価A〜Eはどう決まる?
新体力テストでは、上体起こしだけで総合評価が決まるわけではありません。握力、長座体前屈、反復横とび、持久力、50m走、立ち幅とび、ボール投げなど、複数の種目を合計して評価します。
小学生では8種目の合計点を年齢別の総合評価基準表に当てはめ、A〜Eで判定します。中学生も同様に合計点を使いますが、持久走と20mシャトルランは選択制で、得点基準も小学生とは異なります。
「上体起こしが平均以上だから総合評価もAになる」とは限りません。反対に、上体起こしの得点が伸び悩んでいても、ほかの種目で高得点を取れば総合評価を高められます。
【記録を伸ばすコツ】腹筋の鍛え方と30秒間のペース配分
上体起こしの記録を伸ばすには、腹筋の筋力だけでなく、正確な動作を繰り返す能力と、30秒間に適したペース配分が必要です。
1. 最初から全力で動かない
30秒間の測定では、開始直後に急いで回数を稼ごうとすると、後半に疲労がたまりやすくなります。
最初から最大速度で動くのではなく、正しいフォームを保てる一定のリズムを意識しましょう。特に、上体を戻すときに肩甲骨がマットにつくことを忘れないようにします。
2. 呼吸と姿勢を整える
動作中は息を止めず、上体を起こすときに息を吐き、戻るときに吸うことを意識します。
あごを軽く引き、首を手で引っ張らないことも大切です。上体を起こすときは腹部に力を入れ、膝が動かないように安定させます。フォームが崩れてきたら、速度を少し落として正確な動作を優先してください。
3. 腹筋だけでなく体幹全体を鍛える
上体起こしの記録を伸ばすためのトレーニングでは、次の運動を組み合わせる方法があります。
クランチ(腹部を丸める運動)
仰向けで膝を曲げ、あごを軽く引いて肩を持ち上げます。反動を使わず、腹部に力が入る範囲でゆっくり動かします。
プランク
前腕とつま先で体を支え、頭からかかとまでを一直線に保ちます。体幹を安定させる練習になります。
デッドバグ
仰向けで手足を動かしながら、腰が過度に反らないようにコントロールします。体幹の安定性を意識したトレーニングです。
運動に慣れていない人は、まず少ない回数・短い時間から始め、フォームを崩さずにできる範囲で徐々に負荷を上げましょう。毎回限界まで追い込む必要はありません。
4. 本番を想定した練習を取り入れる
実際の上体起こしでは、腹筋運動を長時間続けられることよりも、30秒間で正しい動作を何回繰り返せるかが問われます。
通常の腹筋トレーニングに加え、痛みがなくフォームが安定している場合は、短い時間で動作を繰り返す練習も役立ちます。練習のたびに回数を記録し、同じ条件で比較すると、自分の成長を把握しやすくなります。
【腰痛がある人は要注意】上体起こしを無理に続けないための判断基準
上体起こしは腹部の筋持久力を測る運動ですが、動作によって腰や股関節周辺に負荷がかかります。腰痛がある人は、記録を伸ばすことよりも、症状を悪化させないことを優先してください。
腰痛がある場合に避けたいこと
- 痛みを我慢して、30秒間の測定を最後まで続ける。
- 勢いをつけて上体を起こし、腰に強い負荷をかける。
- 痛みが残っているのに、休息を十分に取らず繰り返し練習する。
- 腹筋運動をすれば腰痛が必ず改善すると考える。
日本整形外科学会は、腰痛にはさまざまな原因があり、病態に応じた対応が必要だと説明しています。腰を支える筋力を高める運動が役立つ場合もありますが、具体的な運動方法は個人の状態に合わせる必要があります。
腰に痛みがあるときは、いったん上体起こしを中止してください。症状が続く場合や、再開してよいか判断できない場合は、医師や理学療法士に相談しましょう。
すぐに医療機関へ相談したい症状
安静にしていても痛みが軽くならない、痛みが次第に悪化する、脚にしびれが出る、力が入りにくいといった症状がある場合は注意が必要です。特に、排尿・排便の異常や急な筋力低下などを伴う場合は、速やかに医療機関で評価を受けてください。
腰痛がある人の腹筋の鍛え方は、必ずしも一般的な上体起こしである必要はありません。日本整形外科学会の関連情報でも、腰痛対策の運動として、状態に応じた腹筋体操などが紹介されています。痛みが強い場合や、動作によって症状が悪化する場合は、自己判断で運動を続けないことが大切です。
【プロの結論】平均回数だけで判断しないために押さえたい3つのポイント
2026年の最新データを読み解く際には、平均値、得点基準、測定方法を切り分けて考えることが欠かせません。
第一に、全国平均は目標値ではなく、比較のための参考値です。 同じ年齢・性別でも体格や運動経験は異なります。平均を少し下回っていても、それだけで体力が不足していると判断することはできません。
第二に、正しいフォームを守らなければ、回数を正しく比較できません。 肩甲骨がマットにつかない動作や、両肘と両大腿部が接触しない動作は、公式の記録基準を満たしません。練習でも測定でも、動作の条件をそろえることが大切です。
第三に、記録を伸ばすことと、健康的に体力を高めることは両立させる必要があります。 腹筋だけに偏らず、体幹の安定性や呼吸、姿勢を意識して練習しましょう。腰痛がある人は、無理に回数を増やすのではなく、自分に適した運動を選ぶことが先決です。
スポーツ庁の2025年度全国体力調査では、前年度と比べて男女ともに上体起こしの成績が向上したことが報告されています。ただし、全国平均の上昇は、すべての児童・生徒の記録が伸びたことを意味するわけではありません。自分自身の過去の記録と比べ、正しい方法で少しずつ改善していくことが、最も実用的な取り組み方です。
【上体起こし】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:上体起こしは30秒間で何回できれば平均以上ですか?
年齢と性別によって異なります。2025年度の全国調査では、小学5年生は男子19.46回・女子18.36回、中学2年生は男子25.99回・女子21.62回が平均でした。自分の年齢や学校段階に近い統計を参考にしてください。
Q2:上体起こしは、上体を起こした回数をすべて数えてよいのですか?
いいえ。起き上がったときに両肘と両大腿部が接触し、戻ったときに背中がマットにつくという条件を満たす必要があります。条件を満たさない動作は記録に加算されません。
Q3:腰痛があっても上体起こしの練習をしてよいですか?
痛みがある場合は、無理に練習せず中止してください。腰痛の原因や状態によって適した運動は異なります。症状が続く場合や、脚のしびれ、筋力低下などを伴う場合は、医師に相談しましょう。
まとめ:上体起こしは正しいフォームと自分に合った目標設定が大切
上体起こしは、30秒間の動作を通じて腹部の筋持久力などを測る種目です。正しいフォームと回数の数え方を理解すれば、体力テストの結果をより正確に把握できます。
2026年10月時点の最新の年齢別データや、2025年度の全国調査を参考にすると、年齢や学校段階に応じた平均回数と得点基準を確認できます。ただし、平均値だけで能力を決めつけず、正しい動作で測定した自分の記録を継続的に比較することが重要です。
記録を伸ばしたい人は、無理のない腹筋・体幹トレーニングとフォーム練習から始めましょう。腰痛がある場合は記録更新を急がず、症状に合った方法を選ぶことが、安全に体力を高めるための第一歩です。 (出典: 上 体 起こし(Yahoo!ニュース))