警察官の階級一覧2026|偉い順9階級・役職・年収と昇任制度を徹底解説
警察官の階級は、交番で勤務する巡査から、警視庁のトップである警視総監まで、どのような順番になっているのでしょうか。警察官の階級は警察法で定められており、正式には9階級です。一方、現場で耳にする「巡査長」や、全国の警察行政を担う「警察庁長官」は、9階級の一覧にそのまま加えられるものではありません。
2026年現在、警察官の階級を理解するには、偉い順の一覧だけでなく、階級と役職の違い、階級別の仕事内容、昇任試験の仕組み、年収の決まり方まで整理する必要があります。警察庁と警視庁の違いや、制服の階級章から読み取れる情報も含め、警察組織の実態を解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 階級は正式に9つ:巡査から警視総監まで、警察法第62条に規定されています。
- 巡査長と警察庁長官は別扱い:巡査長は正式な階級ではなく、警察庁長官も9階級に含まれません。
- 昇進・年収は階級だけで決まらない:勤務成績、昇任試験、勤続年数、所属する都道府県、各種手当などが関係します。
【警察官の階級一覧】偉い順に並べた9階級を解説
警察官の階級を定めているのは、警察法第62条です。同条は、警察庁長官を除く警察官の階級を9つ規定しています。
偉い順に並べると、警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長、巡査となります。最も高い階級は警視総監、最も低い階級は巡査です。
ただし、階級が高いことと、特定の事件を直接指揮していることは同じではありません。実際の指揮命令系統は、所属する部署や担当業務、任命された役職によって決まります。

【階級と役職・仕事内容】9階級それぞれの役割を一覧表で比較
警察官の階級と役職には一定の対応関係がありますが、すべての階級に対して役職が法律で一律に割り当てられているわけではありません。警察署の規模や組織構成、担当部門によっても配置は変わります。
以下は、警察庁や都道府県警察の組織構造を踏まえた、各階級の位置づけと仕事内容の目安です。
| 偉い順 | 正式な階級 | 役職・配置の例 | 主な仕事内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | 警視総監 | 警視庁のトップ | 東京都の警察組織を統括し、組織運営や警察活動全体を指揮監督する。 |
| 2 | 警視監 | 警察庁・警視庁などの幹部 | 大規模な組織運営、重要施策の調整、警察活動の統括などを担う。 |
| 3 | 警視長 | 警察庁や警察本部の上級幹部 | 広域的な警察行政や、重要部門の運営・管理に携わる。 |
| 4 | 警視正 | 警察本部の幹部、大規模警察署の署長など | 組織の管理、重大事件への対応、部門間の調整などを担う。 |
| 5 | 警視 | 警察署長、警察本部の課長級など | 警察署や部門の運営、捜査・警備・交通対策などの指揮監督を行う。 |
| 6 | 警部 | 警察署の課長など | 刑事課や交通課などの業務管理、捜査方針の調整、部下の指揮を担う。 |
| 7 | 警部補 | 係長、現場の指揮担当者など | 事件捜査の実務管理、部下への指示、現場対応の統括などを行う。 |
| 8 | 巡査部長 | 現場の班長、捜査担当者など | 巡査への指導、聞き込みや捜査、地域警察活動などを担う。 |
| 9 | 巡査 | 交番勤務、地域・交通・刑事部門など | パトロール、職務質問、交通取締り、事件・事故の初動対応などを行う。 |
この表は役割を理解するための目安であり、階級と役職が必ず一対一で対応することを示すものではありません。たとえば、警察署長の階級は署の規模や人事配置などによって異なります。
また、警察官の仕事は階級だけで決まるわけではありません。地域警察、刑事警察、交通警察、生活安全警察、警備警察、サイバー犯罪対策など、専門分野によって必要な知識や経験も異なります。
【巡査長は正式な階級ではない】階級章の見分け方と注意点
警察官の階級を調べる際、特に混同されやすいのが「巡査長」です。巡査部長より下に位置するような印象がありますが、巡査長は警察法第62条に定められた正式な階級ではありません。
巡査長は、一定の経験や能力を備えた巡査に関する称号として扱われます。したがって、正式な9階級を数える際に、巡査長を巡査と巡査部長の間へ加えるのは正確ではありません。
ネット上では、巡査長を含めて「実質11段階」などと説明する記事も見られます。しかし、これは巡査長や警察庁長官を含めた便宜的な数え方であり、法律上の階級数とは異なります。
警察官の階級章は、階級を見分けるための手掛かりです。制服の肩章などに階級に応じた意匠が示されますが、制服の種類や装備によって見え方は変わります。写真の一部だけを見て階級を断定するより、階級章全体や公式の制服資料を照合するほうが確実です。
さらに、階級章から分かるのは基本的に階級に関する情報です。刑事課の所属なのか、交通部門なのか、特定の事件を担当しているのかといった情報まで、階級章だけで判断することはできません。
階級章を調べるときは、次の3点を分けて考えると混乱しにくくなります。
- 階級:警察法に基づく9つの区分
- 役職:警察署長、課長、係長など、組織内で担う職務上の立場
- 所属・担当:地域警察、刑事、交通、警備など、実際に働く部門

【警察庁長官と警視総監の違い】警察庁・警視庁・都道府県警察の組織図
警察組織を理解するうえで、警察庁と警視庁の違いは欠かせません。名前は似ていますが、両者は役割も組織上の位置づけも異なります。
警察庁は、国家公安委員会の管理の下に置かれる国の警察行政機関です。広域組織犯罪への対応、犯罪鑑識、犯罪統計、全国的な警察活動の調整などを担い、所掌事務について都道府県警察を指揮監督します。
一方、警視庁は東京都の警察本部に当たる組織です。東京都内の警察活動を担当し、そのトップには警視総監が置かれます。北海道から沖縄までの各道府県には、それぞれ道府県警察本部があります。
警察庁の公式説明によると、都道府県警察は、警察本部、警察署、交番・駐在所などから構成されています。地域における犯罪の予防、捜査、交通取締りなど、住民に近い警察活動の中心となるのが都道府県警察です。
組織の大まかな構造は、次のように整理できます。
- 国の警察行政:国家公安委員会の管理の下に警察庁を設置
- 東京都の警察:東京都公安委員会の管理の下に警視庁を設置
- 道府県の警察:各道府県公安委員会の管理の下に警察本部を設置
- 地域の警察活動:警察署、その下の交番・駐在所などが担当
ここで重要なのが、警察庁長官と警視総監の違いです。
警察庁長官は、警察庁という国の行政機関の長です。警察法第16条に基づき、警察庁の庁務を統括し、警察庁の所掌事務について都道府県警察を指揮監督します。ただし、警察法第62条の9階級には含まれません。
警視総監は、警視庁の長であり、警察官の正式な階級の一つでもあります。東京都の警察組織を統括する立場です。
つまり、警察庁長官は「国の警察行政機関のトップ」という役職、警視総監は「東京都の警察組織のトップであり、正式な階級名でもある」という違いがあります。両者を単純に同じ階級表の上下へ並べると、役職と階級を混同してしまいます。
なお、警察法第56条では、都道府県警察の警視正以上の階級にある警察官を「地方警務官」とし、一般職の国家公務員として扱うことを定めています。都道府県警察に所属していても、上位階級では身分上の扱いが異なる点も、警察組織の特徴です。
【警察官の昇任試験の仕組み】階級別の昇進条件とキャリアパス
警察官は、採用された後に巡査からキャリアをスタートし、勤務経験を積みながら上位の階級を目指すのが一般的なルートです。ただし、昇任は勤続年数だけで自動的に決まるものではありません。
警察庁の都道府県警察官採用案内によると、昇任には試験による方法と、勤務成績や勤務年数などを基にする方法があります。具体的な受験資格や制度の詳細は、各都道府県警察によって異なります。
一般的な昇任の流れは、次のとおりです。
- 巡査から巡査部長へ:採用後に実務経験を積み、受験資格を満たして昇任試験などに挑む。
- 巡査部長から警部補へ:現場経験や指導能力を深め、上位階級への昇任を目指す。
- 警部補から警部へ:捜査や部門運営などの実務能力に加え、管理能力も求められる。
- 警部から警視へ:より広い範囲の業務管理や指揮監督を担う立場を目指す。
- 警視正・警視長などへ:上級幹部としての能力や勤務実績、人事上の選考・任用などが関係する。
都道府県警察官採用案内では、最初の昇任試験について、大卒者はおおむね採用後2年、大卒以外の人はおおむね4年で受験できると説明されています。これはあくまで一般的な目安で、受験資格や運用は所属する警察によって異なります。
また、昇任試験に合格することと、希望する時期に必ず昇任できることは同じではありません。受験資格、試験結果、勤務成績、職務経験、組織の人事運用などが関係するためです。上位階級になるほど、管理職としての実績や組織全体を動かす能力が重要になります。
警察官のキャリアを考える際には、採用区分にも注意が必要です。都道府県警察の採用試験から現場経験を積むルートと、警察庁の国家公務員採用を経て警察行政に携わるルートでは、キャリア形成や配置が異なります。すべての警察官が同じ経路をたどるわけではありません。
【警察官の階級別年収】2026年の給与目安と収入が変わる理由
警察官の年収は、階級が上がれば一律に決まるという仕組みではありません。給与は所属する都道府県の制度、勤務年数、成績、昇任、給与上の級・号給、地域手当、時間外勤務、夜勤などの勤務実態によって変わります。
警察庁の都道府県警察官採用案内でも、警察官の給与は都道府県ごとに規定され、勤務年数・成績・昇任に応じて昇給すると説明されています。住居手当、扶養手当、通勤手当、特殊勤務手当なども収入に影響します。
2026年の具体例として、警視庁の令和8年度採用サイトでは、警察官の初任給について、Ⅰ類採用者は月額32万1,900円、Ⅲ類採用者は月額27万9,400円と案内しています。いずれも地域手当を含む金額です。
同サイトが示す実務2年目の年収例は、Ⅰ類採用者が657万4,400円、Ⅲ類採用者が604万5,700円です。年収例には地域手当や期末・勤勉手当などが含まれています。これらは警視庁の条件に基づくモデルケースであり、全国の警察官にそのまま当てはまる金額ではありません。
また、この年収例をそのまま「巡査の平均年収」と解釈するのも適切ではありません。採用区分や勤務条件などを踏まえたモデルケースであり、すべての巡査が同額を受け取るという意味ではないためです。
階級別年収を比較するときは、少なくとも次の条件をそろえる必要があります。
- 所属する都道府県警察
- 年齢や勤続年数、給与上の級・号給
- 階級と役職、管理職としての処遇
- 時間外勤務、夜勤、特殊勤務などの手当
- 期末・勤勉手当の支給条件
したがって、「警部なら必ず年収○万円」「警視なら全員が○万円」という全国共通の金額を断定するのは正確ではありません。年収を比較する際は、階級だけでなく、自治体の給与制度と実際の勤務条件を併せて確認することが大切です。
【警察官の階級】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:警察官の階級で一番偉いのは誰ですか?
A1:正式な9階級で最も高いのは警視総監です。ただし、警察庁長官は警察庁のトップという役職であり、警察法第62条の9階級には含まれません。組織上の立場と正式な階級を分けて理解する必要があります。
Q2:巡査長は警察官の正式な階級ですか?
A2:いいえ。巡査長は警察法で定める9階級の一つではありません。一定の経験や能力を備えた巡査に関する称号として扱われます。正式な階級一覧では、巡査部長の次に巡査が位置します。
Q3:警察官は誰でも警視総監まで昇進できますか?
A3:昇任制度があることと、全員が最高階級まで到達できることは別です。勤務成績、昇任試験、実務能力、人事上の選考、役職の定員などが関係します。警視総監は警視庁のトップであり、到達できるポストは極めて限られています。
まとめ:警察官の階級は「階級・役職・仕事内容」を分けて理解する
警察官の階級は、警察法第62条に定められた9階級です。巡査から巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監と続き、最上位に警視総監が位置します。巡査長は正式な階級ではなく、警察庁長官も9階級には含まれません。
また、階級と役職は同じものではありません。警視総監は警視庁のトップであり、警察庁長官は国の警察行政機関を統括する役職です。警察庁と警視庁も、それぞれ全国的な警察行政と東京都の警察活動を担う別の組織です。
昇任については、試験や勤務成績、実務経験、人事上の選考などが関係します。年収も階級だけでは決まらず、都道府県の給与制度や勤続年数、各種手当などによって変わります。
警察官の階級を正しく理解するための判断基準は、「正式な階級なのか」「どの組織の役職なのか」「実際にどの仕事を担うのか」の3点です。この区別を押さえることで、警察組織図や昇進制度、給与に関する情報も正確に読み解けます。 (出典: 警察 官 の 階級(Yahoo!ニュース))