自己肯定感とは?意味・特徴・低くなる原因と高める方法、自己効力感との違いを徹底解説
自己肯定感とは、自分の良い面だけでなく、苦手なことや失敗、弱さも含めて自分を受け入れ、自分の存在そのものに価値を感じる心の感覚です。「自分に自信がない」「他人と比べて落ち込む」「褒められても素直に喜べない」と感じるとき、自己肯定感が関係している可能性があります。
2026年現在、自己肯定感は仕事や人間関係、幸福度、子育てなど幅広いテーマで語られています。一方、心理学で研究されてきた自尊心・自尊感情や自己効力感とは意味が重なる部分があり、研究者や解説機関によって定義の範囲も異なります。SNSでは「自己肯定感爆上げソング」がZ世代を中心に話題となり、自分を肯定する言葉や音楽が身近な表現として広がっています。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:自己肯定感とは、能力や成果だけで自分の価値を判断せず、ありのままの自分を認める感覚。
- 要点2:自己効力感は「自分にはできる」という感覚。自己肯定感や自尊心・自尊感情とは、意味や使われ方が異なる。
- 要点3:自己肯定感は生まれつき固定されたものではない。小さな成功体験、自分への接し方、周囲の環境を見直すことで育てていける。
【基本解説】自己肯定感とは?意味・定義と心理学的な仕組み
自己肯定感を簡単に表すなら、「うまくできる自分も、失敗する自分も、自分として認められる感覚」です。何かを達成したときだけ自分を認めるのではなく、思いどおりにいかないときも、自分の存在価値まで否定しないことが大切なポイントです。
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会(JISE)は、自己肯定感を、自分の存在そのものを肯定的に受け止め、自分には価値があると感じる心の土台として説明しています。厚生労働省の働く人向けメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」でも、セルフエスティームは自己肯定感あるいは自尊感情とも呼ばれ、自分自身を価値あるものとして尊重する感覚とされています。
ここで注意したいのは、自己肯定感が「自分は何でもできる」「自分は他人より優れている」と思い込むことではない点です。能力の限界を認めることと、自分の存在を否定することは別です。苦手なことがあっても、それを理由に自分全体を価値のない人間だと決めつけない姿勢が、自己肯定感を理解するうえで重要になります。
自己肯定感の定義は一つに統一されているわけではない
自己肯定感は、心理学で研究されてきた英語の「self-esteem」と関連づけて説明されることが多い言葉です。ただし、日本語の自己肯定感、自尊心、自尊感情が常に完全な同義語として扱われているわけではありません。
心理学では、自分自身に対する肯定的・否定的な態度として自尊感情を捉える考え方があり、研究者によって定義や測定方法が異なります。J-STAGEに掲載された研究論文でも、自己肯定感を自尊感情と同じ意味で使う立場と、自尊感情の一側面として扱う立場があることが整理されています。
そのため、「自己肯定感が高いか低いか」を一つの質問や単純な性格診断だけで断定するのは適切ではありません。自分をどう評価するか、失敗したときにどう受け止めるか、他人からの評価にどれほど左右されるかなど、複数の側面から理解する必要があります。
JISEが整理する自己肯定感の2つの側面
JISEでは、自己肯定感を理解する枠組みとして、「絶対的自己肯定感」と「社会的自己肯定感」という2つの側面を示しています。これは同協会が研究や研修の実践を通して整理した考え方であり、心理学全体で唯一の標準分類として定められているものではありません。
- 絶対的自己肯定感:能力や成果、他人との比較にかかわらず、自分の弱さや欠点も含めて存在そのものを認める感覚。
- 社会的自己肯定感:仕事の成果、他者からの評価、努力による達成感などを通して、自分の価値や能力を肯定的に受け止める感覚。
たとえば、仕事で高い評価を受けているときは自信があるのに、ミスをした途端に「自分には価値がない」と感じてしまう場合、成果や評価に自分の価値を強く結びつけている可能性があります。
一方、失敗をしても「今回はうまくいかなかった。改善するところはあるけれど、自分自身を否定する必要はない」と考えられれば、成果と存在価値を切り離して受け止められています。自己肯定感を考えるときは、この違いに目を向けることが大切です。

【特徴と見分け方】自己肯定感が高い人・低い人は何が違う?
自己肯定感が高い人と低い人の違いは、いつも明るいか、落ち込むことがあるかだけでは判断できません。重要なのは、失敗や批判、他人との比較に直面したとき、自分自身をどのように扱うかという点です。
自己肯定感が高い人に見られる5つの特徴
- 失敗と自分の価値を切り離せる:ミスをしたとき、自分全体を否定するのではなく、何を改善すればよいかを考えられる。
- 他人の評価に振り回されにくい:褒められれば喜び、批判を受ければ必要な部分を検討するが、評価だけで自分の価値を決めない。
- 自分の長所と短所を認められる:得意なことを過度に誇示せず、苦手なことも必要以上に隠そうとしない。
- 他人の成功を受け入れられる:周囲の人が評価されても、自分が否定されたとは限らないと理解できる。
- 必要なときに助けを求められる:何でも一人で解決しようとせず、自分の限界や苦手な部分を認めて周囲に協力を求められる。
自己肯定感が高い人でも、落ち込むことや不安になることはあります。自分を肯定できることと、ネガティブな感情が一切生じないことは同じではありません。気持ちが揺れたあとに立ち直り、自分を過度に責めずに行動を再開できることも、一つの目安です。
自己肯定感が低い人に見られる5つの特徴
- 他人と自分を頻繁に比較する:周囲の人の実績や外見、収入、生活を見て、自分の不足ばかりに目が向く。
- 褒め言葉を受け入れにくい:「お世辞に違いない」「本当はそう思っていない」と考え、肯定的な評価を打ち消してしまう。
- 失敗を人格の問題に結びつける:一度のミスから「自分は何をやってもダメだ」と結論づける。
- 周囲の期待を優先しすぎる:嫌われることを恐れ、自分の意見や希望を伝えられない。
- 完璧でなければ意味がないと考える:小さな失敗も許せず、努力や成果があっても自分を十分に認められない。
これらは自己肯定感が低いときに見られる傾向であり、当てはまる項目があるからといって、必ず自己肯定感が低いと決まるわけではありません。職場の厳しい評価や人間関係の問題、疲労などによって、一時的に自分を肯定しにくくなることもあります。
自分の自己肯定感を見分けるセルフチェック
自分の傾向を知りたい場合は、次の質問について、最近の自分の考え方や行動を振り返ってみてください。
- 失敗しても、自分の人格や存在価値まで否定せずにいられる。
- 他人に褒められたとき、その言葉を必要以上に疑わず受け取れる。
- 周囲と意見が違っても、自分の考えを伝えられる。
- 自分の短所を認めながら、長所や努力も評価できる。
- 他人が成功しても、自分が劣っていると決めつけずにいられる。
複数の項目に当てはまらなくても、すぐに自分を否定する必要はありません。どの場面で自分を責めやすいのか、誰といるときに不安が強まるのかを把握することが、改善の第一歩になります。このチェックは医療的な診断ではなく、自分の傾向を振り返るための目安です。
【違いを比較】自己肯定感・自己効力感・自尊心・自尊感情とは?
自己肯定感と一緒に検索されやすい言葉に、自己効力感、自尊心、自尊感情があります。いずれも自分に対する認識に関係しますが、焦点を当てる部分が異なります。
| 概念 | 主な意味 | 考え方の例 |
|---|---|---|
| 自己肯定感 | 自分の存在や自分自身を肯定的に受け止める感覚 | 「失敗しても、自分には存在する価値がある」 |
| 自己効力感 | 特定の課題や目標を達成するための行動を、自分が実行できると信じる感覚 | 「練習すれば、この仕事をやり遂げられそうだ」 |
| 自尊心 | 自分を尊重し、自分の価値を認める気持ち。文脈によって意味の範囲が異なる | 「自分を粗末に扱わず、尊重したい」 |
| 自尊感情 | 自分自身に対する肯定的・否定的な態度や評価。self-esteemの訳語として使われる | 「自分には価値があると感じられる」 |
自己肯定感と自己効力感の違い
自己効力感は、カナダ出身の心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、英語では「self-efficacy」と表現されます。自分が特定の行動をうまく実行できるという見込みや確信を指します。
マイナビキャリアリサーチLabの解説でも、自己効力感は「自分ならその目標を達成できる」という期待感、自己肯定感は目標を達成できるかどうかにかかわらず、自分を受け入れる感覚として区別されています。
たとえば、プレゼンテーションが苦手な人が「練習すれば、次は落ち着いて話せる」と思えるなら、自己効力感が働いています。一方、プレゼンテーションに失敗しても「うまく話せなかったことは残念だが、それで自分の価値がなくなるわけではない」と受け止められるなら、自己肯定感に関係する考え方です。
この2つは、どちらか一方だけが高いこともあります。仕事を成功させる能力には自信があるものの、失敗すると自分を強く責めてしまう人もいれば、自分を大切に思えていても、初めての課題には自信が持てない人もいます。
自尊心・自尊感情との違いは、定義によって変わる
自尊心や自尊感情は、自己肯定感と意味が重なる言葉です。厚生労働省の「こころの耳」では、セルフエスティームを自己肯定感あるいは自尊感情とも表現しています。一方、研究分野や一般向けの解説では、自己肯定感を自尊感情とは異なる側面に重点を置く言葉として使う場合もあります。
そのため、これらの言葉を常に別々の心理機能として区切るよりも、何を評価しているのかに注目すると理解しやすくなります。自分の存在価値を受け止めているのか、能力に自信があるのか、自分を尊重できているのかを区別して考えることが実践的です。

【原因を解説】自己肯定感が低くなる理由と心理学的な実態
自己肯定感が低くなる理由は一つではありません。生育環境や周囲からの評価、学校や職場での経験、他人との比較、自分自身の考え方など、複数の要因が重なっている場合があります。
1.否定的な評価や失敗経験が積み重なる
子どもの頃から、結果が出たときだけ認められたり、失敗を繰り返し責められたりすると、「うまくできなければ自分には価値がない」という考え方が身につく場合があります。
大人になってからも、上司や同僚からの否定的なフィードバック、職場での孤立、対人関係のトラブルなどが続けば、自分に対する評価が厳しくなりやすくなります。ただし、自己肯定感が低いことを本人や家族の責任だけに帰すことはできません。置かれている環境や経験も含めて考える必要があります。
2.他人との比較が、自分の不足を強調する
他人と自分を比べること自体が、必ずしも悪いわけではありません。目標を見つけたり、自分の成長を確認したりするために、比較が役立つこともあります。
問題は、比較する対象が他人の長所や成功ばかりになり、自分の短所や失敗と並べてしまうことです。SNSでは、日常の一部を切り取った写真や動画、成果が強調された投稿が目に入りやすくなります。他人の見せている一部分と、自分の生活全体を比べ続けると、実際以上に自分を劣っていると感じる可能性があります。
3.完璧主義や極端な考え方が、自分を追い詰める
「一度でも失敗したら終わり」「全員から好かれなければならない」「成果が出なければ努力する意味がない」といった考え方は、自分を認めるための条件を厳しくします。
マイナビキャリアリサーチLabは、自己肯定感を高める方法の一つとして、白黒思考や過度な一般化、肯定的な要素の否定など、考え方の偏りを見直すことを紹介しています。
たとえば、仕事で一つのミスをしたときに「自分は仕事ができない」と考えるのは、個別の失敗を自分全体の評価に広げてしまう捉え方です。「この作業で確認不足があった」と具体的に捉え直せば、人格の否定ではなく改善につながる課題として扱えます。
4.成果や他人の評価に、自分の価値を結びつけすぎる
成績、年収、仕事の評価、外見、フォロワー数などは、社会生活のなかで気になりやすい要素です。しかし、これらだけを自分の価値を判断する基準にすると、評価が下がったときに自分自身まで否定されたように感じることがあります。
JISEが示す「絶対的自己肯定感」と「社会的自己肯定感」の枠組みでは、成果や他者からの評価を通して得られる自信と、成果に左右されない存在そのものへの肯定を区別します。達成や評価を喜びながらも、それだけを自分の存在価値の根拠にしないことが、安定した自己理解につながります。
幸福度との関係は?Fordyceの研究から読み取れること
マイナビキャリアリサーチLabは、心理学者M・W・フォーダイス(Fordyce)が1974年に発表した幸福度に関する研究を紹介しています。同研究では、幸福度の高い人に見られる14の特徴が整理され、その一つとして、ありのままの自分を受け入れることが挙げられています。
この研究から考えられるのは、幸福感を支える要素が、単に能力を高めたり、社会的な成功を追い求めたりすることだけではないという点です。自分を受け入れることに加え、人とのつながり、日々の活動、物事の捉え方なども幸福感を考えるうえで関係します。
ただし、幸福度と自己肯定感の関係だけで、自己肯定感を高めれば必ず幸福になれると断定することはできません。経済状況、健康、人間関係、仕事の環境なども生活の満足度に影響します。自己肯定感は、幸福な生活を考えるうえでの一つの要素として捉えることが大切です。
日本の若者の自己評価を考える材料として、マイナビキャリアリサーチLabは、2018年度の内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」を紹介しています。「私は自分自身に満足している」という設問に肯定的に回答した日本の若者は45.1%、否定的に回答した若者は54.9%でした。比較対象国では、肯定的な回答は米国で87%、韓国で73.5%とされています。
これらは2018年度の調査に基づく数値であり、2026年現在の若者の意識をそのまま表す最新統計ではありません。また、設問への回答は自己肯定感の一側面を捉えるもので、心理学的な概念全体を直接測定した数値と同一ではありません。それでも、自分への満足感が個人の性格だけで決まるものではなく、教育、文化、社会環境などとの関係から考える必要があることを示す参考資料です。
【実践編】自己肯定感を高める方法・低い状態を改善する6つの習慣
自己肯定感は、いつも前向きに考えようとするだけで高まるものではありません。自分の考え方を見直すことに加え、日常の行動や周囲との関わり方を少しずつ変えることが役立ちます。
1.自分を責める言葉を、具体的な事実に置き換える
まず取り組みやすいのは、自分を責める言葉に気づくことです。「自分はダメな人間だ」と考えたときは、何が起きたのかを具体的に分けてみましょう。
- 変更前:「自分は何をやってもダメだ」
- 変更後:「今回は確認が足りず、ミスが起きた。次は提出前に見直そう」
この方法は、失敗をなかったことにするためのものではありません。改善すべき行動を認めながら、自分の人格まで否定しないための工夫です。
2.小さな努力や達成を記録する
自己肯定感が低いときは、できなかったことばかりに注意が向き、できたことや努力した過程を見落としやすくなります。
一日の終わりに、うまくいったこと、努力したこと、誰かに感謝したことを一つずつ書き出してみてください。大きな成果である必要はありません。仕事を期限までに終えた、疲れていたけれど必要な連絡をした、休む時間を確保したといった事実でも十分です。
記録を続けると、自分の一日を失敗だけで評価するのではなく、複数の側面から振り返りやすくなります。マイナビキャリアリサーチLabも、うれしかった出来事や不快だった出来事、考えていることを書き出す方法を紹介しています。
3.達成できそうな小さな目標を立てる
自己肯定感を育てるうえでは、自分を認めることと、実際の行動を通して自信を得ることを組み合わせるのも有効です。
たとえば、運動を習慣にしたいなら、最初から毎日1時間運動するのではなく、まずは5分歩くことを目標にします。資格の勉強なら、毎日1ページ読む、仕事なら、苦手な作業の手順を一つ確認するといった小さな目標でも構いません。
達成できたら、その事実を認め、必要に応じて次の目標を設定します。ここで育つ「自分はこの行動を実行できる」という感覚は自己効力感に関係します。達成できなかった日があっても、自分の価値を否定せず、目標の大きさや環境を調整することが大切です。
4.自分の感情を否定せず、受け止める
落ち込んだり、嫉妬したり、不安になったりすることを「こんな感情を持つ自分はダメだ」と責めていないでしょうか。感情は、意志の力だけで自由に消せるものではありません。
まずは「今、自分は悔しいと感じている」「他人の評価が気になって不安になっている」と、気持ちを言葉にしてみましょう。感情を認めることは、その感情に従って行動することとは異なります。
自分の気持ちを受け止めたうえで、何が必要なのかを考えると、感情を無理に押さえ込まずに対応しやすくなります。自分に対して、親しい人が同じ状況に置かれていたらどんな言葉をかけるか、という視点を使うのも一つの方法です。
5.SNSの使い方と人間関係を見直す
他人との比較で気持ちが落ち込む場合は、SNSの閲覧時間やフォローしているアカウントを見直すことも選択肢です。投稿を見るたびに自分を責めてしまうなら、一時的に閲覧を控えたり、気持ちが落ち着く情報を優先して表示したりする工夫ができます。
また、繰り返し人格を否定されたり、無理な要求を断れなかったりする環境では、自分の考え方だけを変えようとしても限界があります。安心して話せる相手に相談する、必要な距離を取る、職場の相談窓口を利用するといった対応も考えてください。
自己肯定感を高めることは、どんな相手にも合わせられるようになることではありません。自分を大切にするのと同じように、他人を尊重しながら、自分の境界線も守ることが大切です。
6.前向きになれない自分も、改善の途中として扱う
自己肯定感を高めようとして、毎日自分を褒めなければならない、いつもポジティブでいなければならないと考えると、かえって負担になることがあります。
自分を好きになれない日があっても構いません。大切なのは、すぐに自分を肯定できるようになることではなく、自分を否定する考え方に気づき、少しずつ別の見方や行動を試すことです。
自己否定や不安が長く続き、睡眠、食事、仕事、学業、人間関係などに大きな支障が出ている場合は、一人で抱え込まず、医療機関やカウンセリング、地域の相談窓口などを利用することも検討してください。自己肯定感を高めるための習慣だけで、すべての心の不調を解決できるわけではありません。

【2026年のトレンド】自己肯定感爆上げソング・TikTok・Z世代の関係
自己肯定感は心理学やビジネスの分野だけでなく、音楽やSNSを通じた自己表現にも結びついています。その代表例が「自己肯定感爆上げソング」「自己肯定ソング」と呼ばれる楽曲です。
こうした言葉は、自分自身の魅力や存在を肯定する内容の楽曲、とりわけアイドルソングなどを指す表現として、2020年代のポピュラー音楽シーンで使われています。従来の応援ソングが努力や挑戦を後押しするものだとすれば、自己肯定感爆上げソングは、自分の外見や個性、好きなものを肯定的に表現する点に特徴があります。
「イイじゃん」が示した、肯定的な言葉の広がり
2025年の「Simeji presents Z世代トレンドアワード」では、M!LKの楽曲「イイじゃん」のフレーズ「ビジュイイじゃん」が年間トレンド大賞とコト部門大賞に選ばれました。バイドゥ株式会社の発表によると、同楽曲を使ったTikTokの投稿は発表時点で93万件を超えていました。
このフレーズは、自撮りやダンス、推しに関する投稿などで使われ、外見を肯定する言葉として広がりました。2024年には「可愛くてごめん」や「全方向美少女」なども、自己肯定感爆上げソングの例として音楽メディアで取り上げられています。
これらの事例が示すのは、自己肯定感という抽象的な概念が、短いフレーズや振り付け、動画の演出を通して日常の自己表現に取り入れられていることです。音楽を楽しみながら、自分の外見や個性を肯定する言葉を口にすることが、気分を切り替えるきっかけになる人もいます。
音楽で気分が上がることと、自己肯定感が育つことは別
好きな音楽を聴いて気分が明るくなることと、長期的に自己肯定感が安定することは、同じではありません。音楽やSNSの投稿は、自己表現を楽しんだり、自分を肯定する言葉に触れたりするきっかけになりますが、それだけで心理的な課題が解決するとは限りません。
たとえば、「今日の自分もいい感じ」と思えることは、外見や気分を肯定する一つの方法です。しかし、仕事で失敗したときや他人から批判されたときにも自分を尊重できるかどうかは、また別の課題です。成果や外見がうまくいかない日にも自分を受け入れられることが、より広い意味での自己肯定感につながります。
自己肯定感爆上げソングを楽しむなら、他人と比較して落ち込むためではなく、自分の好きなものを見つけたり、気分転換をしたりするために活用するとよいでしょう。流行の言葉を無理に使う必要も、いつも自分を褒め続ける必要もありません。自分に合った形で肯定的な言葉や音楽を取り入れることが大切です。
【プロの結論】自己肯定感を考えるうえで大切な3つの視点
自己肯定感を理解するうえで押さえておきたいのは、単純に「高い人が優れている」「低い人は改善しなければならない」と考えないことです。自己肯定感は、人の優劣を決める尺度ではありません。自分の状態を理解し、必要に応じて自分への接し方や環境を調整するための考え方です。
視点1.自信の有無と、自分の存在価値を分けて考える
仕事ができるか、試験に合格できるか、人から好かれるかという問いと、自分に価値があるかという問いは、同じではありません。能力に自信がないときでも、自分を大切にすることはできます。逆に、優れた実績があっても、失敗を恐れて自分を追い詰めてしまうことがあります。
自分の価値を成果だけで判断しないことは、失敗を認め、必要な改善を続けるための土台になります。
視点2.前向きな言葉だけでなく、環境も見直す
自分を褒める習慣や小さな目標の設定は、自己肯定感を育てるための実践方法です。しかし、否定的な評価が繰り返される環境や、過度な負担を強いられる状況にいる場合は、本人の考え方だけで問題を解決しようとしないことも重要です。
自分の努力で変えられる部分と、周囲との話し合いや支援が必要な部分を分けて考えることで、無理のない改善につながります。
視点3.自己肯定感を一気に高めようとしない
自分を受け入れることは、短期間で達成する試験のようなものではありません。昨日より少し自分を責めずに済んだ、苦手なことを一つ認められた、必要なときに助けを求められた。こうした変化も、自分との関係を見直すうえで意味があります。
自己肯定感を高めることの目的は、常に自信満々でいることではなく、うまくいかないときにも自分を見失わず、必要な行動を選べるようになることです。
【自己肯定感とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:自己肯定感とは、簡単に言うと何ですか?A1:自分の長所だけでなく、短所や失敗も含めて自分を受け入れ、自分の存在に価値を感じることです。何でもできると思うことや、他人より優れていると考えることとは異なります。
Q2:自己肯定感と自己効力感の違いは何ですか?A2:自己肯定感は「自分には価値がある」と感じる感覚で、自己効力感は「自分にはこの課題を達成できる」と信じる感覚です。自分の存在価値と、特定の行動を実行できるという自信を区別すると理解しやすくなります。
Q3:自己肯定感が低い原因は何ですか?A3:否定的な評価や失敗経験、他人との比較、完璧主義、成果に自分の価値を結びつける考え方など、さまざまな要因が関係します。一つの原因だけで決まるわけではなく、周囲の環境や人間関係も含めて考えることが大切です。
Q4:自己肯定感は大人になってからでも高められますか?A4:はい。自分を責める言葉を具体的な事実に置き換える、小さな達成を記録する、無理のない目標を設定する、安心できる人間関係を整えるといった方法を継続することで、自分との関わり方を見直せます。ただし、変化の速さには個人差があります。
Q5:自己肯定感が高い人は、落ち込んだり失敗したりしませんか?A5:落ち込むことも失敗することもあります。自己肯定感が高いことは、ネガティブな感情がないことではありません。失敗を自分全体の否定に結びつけず、必要な改善を考えながら立ち直れることが、一つの目安になります。
Q6:自己肯定感爆上げソングを聴けば、自己肯定感は高まりますか?A6:音楽は気分転換や、自分を肯定する言葉に触れるきっかけになります。ただし、音楽を聴くことだけで長期的な自己肯定感が必ず高まるとは限りません。自分を受け入れる習慣や人間関係の見直しなどと組み合わせ、自分に合う方法として楽しむとよいでしょう。
まとめ:自己肯定感は、ありのままの自分を大切にすることから育つ
自己肯定感とは、自分の良い面も悪い面も含めて受け入れ、自分の存在そのものを認める感覚です。自己効力感が特定の課題を達成できるという自信に関係するのに対し、自己肯定感は、成果や能力だけで自分の価値を決めない姿勢に重点があります。自尊心や自尊感情とは意味が重なる部分もあり、定義は研究者や解説機関によって異なります。
自己肯定感が低くなる背景には、否定的な評価、失敗経験、他人との比較、完璧主義など、さまざまな要因があります。自分を責める言葉を見直す、小さな努力を記録する、達成可能な目標を立てる、安心できる環境を整えるといった行動は、自分との関係を改善するための具体的な方法です。
また、自己肯定感爆上げソングやTikTokの流行は、自分を肯定する言葉が日常の自己表現に取り入れられている一例です。好きな音楽を楽しむことも、自分を大切にするきっかけになり得ます。
大切なのは、無理に自分を好きになろうとすることでも、いつも前向きでいようとすることでもありません。うまくいかないときにも自分を必要以上に否定せず、できることを一つずつ積み重ねていくことです。自分の価値を成果だけで判断しない姿勢が、仕事や人間関係、日々の幸福感を見直すための土台になります。 (出典: 自己 肯定 感 と は(Yahoo!ニュース))