ためしてガッテンの血圧対策は本当?ふくらはぎ運動とマッサージの効果を2026年検証
「ためしてガッテンで紹介された、ふくらはぎを揉むだけで血圧が下がる方法は本当に効果があるの?」「かかとを上げ下げする運動を続ければ、降圧薬を使わずに済む?」――そんな疑問から、ふくらはぎを使った血圧対策を調べる人が増えています。
2026年現在、医学研究からわかっているのは、ふくらはぎのマッサージと筋肉を使う運動では、期待できる効果も科学的根拠も異なるということです。ハンドグリップ運動には血圧低下を示す研究がある一方、マッサージ単独の降圧効果については、結果が一貫していません。日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」も、減塩や有酸素運動などを組み合わせた継続的な血圧管理を重視しています。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ふくらはぎマッサージはリラックスや血流のサポートに役立つ可能性がありますが、高血圧の治療法として確立したものではありません。
- 要点2:ハンドグリップ運動では、8〜10週間の研究で収縮期血圧が平均約8mmHg低下した報告があります。ただし、すべての人に同じ効果が出るわけではありません。
- 要点3:2026年の血圧対策では、減塩、適度な運動、家庭血圧の測定、必要に応じた降圧薬治療を組み合わせることが基本です。
【番組内容の真相】ためしてガッテンは本当にふくらはぎで血圧を下げると紹介した?
「ためしてガッテンの血圧を下げる方法」として検索すると、ふくらはぎマッサージ、かかと上げ下げ運動、食事の工夫などを紹介する記事が数多く見つかります。しかし、ネット記事で紹介されている健康法と、NHKの番組で実際に放送された内容は、分けて考える必要があります。
NHKの「ためしてガッテン」は2016年に終了し、後継番組の「ガッテン!」も2022年に終了しています。2026年時点で流通している記事の中には、放送回や放送日、公式番組記録を明示せずに「ガッテン流」として健康法を紹介するものもあります。
NHKの番組情報から、ふくらはぎマッサージによる高血圧の改善が番組で実証されたと特定できる明確な根拠は確認しにくく、番組が紹介した方法として断定するのは適切ではありません。特定の放送回を調べる場合は、番組名だけでなく、放送日や具体的な内容まで照合することが大切です。
一方、ふくらはぎの筋肉を動かすことや、一定の条件で行うハンドグリップ運動については、医学研究があります。重要なのは、テレビ番組で紹介されたかどうかではなく、実際にどのような研究が行われ、どの程度の効果が確認されているかです。
また、「一度行えばすぐに血圧が正常値になる」「揉むだけで降圧薬が不要になる」といった説明にも注意が必要です。一時的に測定値が変化することと、長期的に高血圧を管理できることは同じではありません。
【医学的根拠を検証】ふくらはぎマッサージの降圧効果はどこまで期待できる?
ふくらはぎは、歩行や足首の動きに合わせて筋肉が収縮し、脚の静脈血を心臓へ戻す働きを助けます。このため「第二の心臓」と呼ばれることがあります。ただし、これは主に静脈還流を支える仕組みを指す表現であり、ふくらはぎを揉めば動脈の血圧が確実に下がるという意味ではありません。
マッサージによって筋肉の緊張が和らいだり、リラックスに伴って血圧が一時的に変化したりする可能性はあります。しかし、長期的な降圧効果を判断するには、対照群を設けた臨床試験や複数の研究を統合した分析が必要です。
2024年に「Journal of Bodywork and Movement Therapies」に掲載されたマッサージと高血圧に関するメタ分析では、6研究、計290人を対象に効果が検討されました。収縮期血圧の変化は平均値で約0.65mmHgの低下にとどまり、統計的にも明確な低下を示していません。研究間の結果のばらつきも大きく、マッサージによる安定した降圧効果を裏づけるには証拠が不十分でした。
なお、この分析はマッサージ全般を対象にしており、ふくらはぎだけを揉む方法の効果を直接評価したものではありません。したがって、ふくらはぎマッサージだけに特定の降圧効果があると結論づけることもできません。
実践するなら、血圧治療の代わりではなく、心地よいセルフケアの一つとして捉えるのが妥当です。強く揉む必要はなく、痛みを感じない程度に軽く触れる程度にとどめましょう。
片脚だけが急に腫れた、熱を持っている、赤みや痛みがあるといった場合は、血栓などの病気が隠れている可能性があります。そのような症状がある脚をマッサージせず、速やかに医療機関に相談してください。
【実践方法】かかと上げ下げ運動とハンドグリップ運動はどう違う?
ふくらはぎを使う運動と、ハンドグリップ運動は、どちらも日常生活に取り入れやすい方法ですが、科学的根拠の強さや運動の仕組みは異なります。
かかと上げ下げ運動のやり方
かかと上げ下げ運動は、立った状態でかかとをゆっくり持ち上げ、ゆっくり下ろす運動です。ふくらはぎの筋肉を使い、座りっぱなしの時間を減らすきっかけにもなります。
- 足を肩幅程度に開き、安定した椅子や手すりの近くに立つ。
- 転倒しないように支えを持ち、両方のかかとをゆっくり持ち上げる。
- つま先立ちの姿勢を1秒ほど保つ。
- 反動をつけず、かかとをゆっくり床に戻す。
- まずは10回程度を目安にし、痛みやふらつきがなければ無理のない範囲で続ける。
大切なのは、息を止めず、反動をつけないことです。バランスに不安がある人は、必ず安定した支えを使いましょう。膝や足首に痛みがある場合は、無理に行わないでください。
ただし、かかと上げ下げ運動そのものについて、高血圧患者の血圧を一定量下げると証明された標準的な方法が確立しているわけではありません。血圧対策としては、日常の身体活動を増やすための運動の一つと考えるのが適切です。
ハンドグリップ運動の血圧への効果
ハンドグリップ運動は、握力計などを一定の力で握り続ける「等尺性運動」の一種です。関節を大きく動かさずに筋肉へ負荷をかける点が特徴で、血圧への影響を調べた臨床研究が複数あります。
2021年に「Hypertension Research」に掲載されたランダム化比較試験のメタ分析では、高血圧患者324人を含む5研究が検討されました。8〜10週間のトレーニングによって、収縮期血圧は運動を行わない場合と比べて平均8.11mmHg低下しました。95%信頼区間は4.53〜11.7mmHgの低下を示していました。
この結果が、ネット上で見かける「収縮期血圧が7〜11mmHg下がる」という説明につながっている可能性があります。ただし、7〜11mmHgという数字は、誰でも必ず得られる効果の範囲ではありません。研究で得られた平均値と、その推定の不確実性を表す区間を区別する必要があります。
さらに、2026年に「The Journal of Clinical Hypertension」に掲載された、31研究・905人を対象とする新しいメタ分析では、ハンドグリップ運動による収縮期血圧の平均低下は約5.38mmHg、拡張期血圧は約2.71mmHgでした。ただし、研究ごとの結果のばらつきは大きく、実施条件や参加者によって効果が異なることも示されています。
つまり、ハンドグリップ運動には一定の降圧効果を示す研究があるものの、誰にでも同じ効果が出ると保証されているわけではありません。研究で用いられる運動は、握る力や時間、休憩、頻度などが管理されており、一般的な握力ボールを好きな強さで握るだけの方法とは異なります。
高血圧がある人や心臓・血管の病気がある人は、自己判断で強い負荷をかける前に医師へ相談してください。力を入れる際に息を止めると、運動中に血圧が大きく上昇することがあります。
【効果を比較】マッサージ・かかと上げ下げ・ハンドグリップの違い
血圧を下げる方法を選ぶときは、手軽さだけでなく、研究でどこまで効果が確かめられているかを比較することが大切です。代表的な方法の特徴を整理しました。
| 方法 | 期待できること | 医学的根拠と注意点 |
|---|---|---|
| ふくらはぎマッサージ | リラックス、筋肉の緊張緩和 | 高血圧に対する降圧効果は不確実。治療の代わりにはならない。 |
| かかと上げ下げ運動 | ふくらはぎの筋力維持、日常活動量の増加 | 血圧を一定量下げる専用の方法としての根拠は限定的。転倒に注意。 |
| ハンドグリップ運動 | 等尺性運動による血圧低下の可能性 | 複数の研究で降圧効果が報告されているが、負荷設定と安全性の確認が必要。 |
| 有酸素運動 | 血圧管理、心肺機能や体重の改善 | 高血圧管理ガイドラインが推奨する生活習慣改善の一つ。体調に合わせて継続する。 |
| 減塩を中心とした食事改善 | 食事由来の血圧上昇を抑える | 高血圧管理の基本。日本高血圧学会は食塩摂取量1日6g未満を目標としている。 |
この比較からわかるのは、マッサージのように気持ちよさを得られる方法と、血圧管理への効果が臨床研究で評価されている方法は、同じ基準で扱えないということです。
ハンドグリップ運動を試したい場合も、研究で示された平均値だけを見て、ふくらはぎ運動や有酸素運動より必ず優れていると判断するのは早計です。運動の種類、強度、実施期間、健康状態が違えば、結果も変わります。
手軽さを重視する人は、まず歩く時間を増やしたり、長時間座り続けないようにしたりする方法から始めるとよいでしょう。ふくらはぎ運動はその補助として取り入れ、血圧の変化は家庭で測定して確認することが重要です。
【2026年最新】高血圧対策で優先したい食事と運動の改善ポイント
日本高血圧学会が公表した「高血圧管理・治療ガイドライン2025」は、2025年8月に刊行され、2026年1月にはダイジェスト版も発行されました。高血圧の予防だけでなく、家庭での管理や生活習慣の改善を含めた継続的な対策を重視しています。
1.食塩を1日6g未満に抑える
塩分の摂りすぎは血圧上昇につながります。まずは、汁物の汁を飲み干さない、漬物や塩蔵食品を食べる頻度を見直す、しょうゆやドレッシングをかけすぎないといった工夫から始めましょう。
外食や加工食品では、栄養成分表示の食塩相当量を確認することも役立ちます。日本高血圧学会の目標は、食塩摂取量を1日6g未満にすることです。一度の食事だけでなく、1日全体の摂取量を意識してください。
2.有酸素運動を習慣にする
同ガイドラインでは、軽度から中等度の有酸素運動を1日30分以上行うことが推奨されています。歩行や自転車など、無理なく継続できる運動を選ぶとよいでしょう。体力や持病に応じて運動量を調整し、運動習慣がない人は短い時間から始めてください。
歩行に加えて、かかと上げ下げ運動などを日常生活に取り入れることもできます。ただし、運動中に胸の痛み、強い息切れ、めまいなどが生じた場合は中止し、必要な医療を受けてください。
3.体重と食事全体を見直す
体重が増えすぎている場合は、適正体重を目指すことも血圧管理に役立ちます。野菜や果物などを取り入れ、栄養バランスを整えましょう。カリウムはナトリウムの排泄に関わりますが、腎機能が低下している人や、血中カリウムに影響する薬を服用している人は、摂取量を医師に相談する必要があります。
また、睡眠不足、過度の飲酒、喫煙、ストレスなども生活習慣を見直す際の確認事項です。マッサージや短時間の運動だけに期待するのではなく、複数の要素を組み合わせて継続することが、血圧管理の基本になります。

【正しい血圧管理】家庭血圧の測り方と降圧薬を相談するタイミング
血圧対策を始めたら、家庭血圧を記録して変化を確認しましょう。血圧は時間帯や体調によって変動するため、一度測った数値だけでは、普段の状態を十分に把握できません。
家庭血圧の正しい測定方法
- 上腕にカフを巻くタイプの家庭用血圧計を使用する。
- 朝は起床後1時間以内、排尿後、朝食や朝の服薬前に測る。
- 夜は就寝前に測る。
- 椅子に座り、背もたれに背中を預け、脚を組まずに1〜2分安静にする。
- 測定中は会話をせず、カフを心臓と同じ高さに保つ。
- 測定前の喫煙、飲酒、カフェイン摂取を避ける。
- 原則として1回の測定機会に2回測り、その平均値を記録する。
日本高血圧学会の2025年版ガイドラインでは、基本的な降圧目標として診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満が示されています。一方、高血圧の診断基準は診察室血圧140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHg以上です。診断基準と治療目標は異なるため、混同しないようにしましょう。
実際の治療目標や治療方法は、持病、服薬状況、血圧の推移などによって個別に判断されます。家庭血圧が目標を超える状態が続く場合は、記録を持参して医師に相談してください。
降圧薬は自己判断で中断しない
ふくらはぎマッサージや運動を始めた後に血圧が下がったとしても、それだけで降圧薬が不要になったとは判断できません。薬を急に中止したり、服用量を減らしたりすると、血圧が再び上昇する可能性があります。
生活習慣の改善と薬物療法は、対立する選択肢ではありません。必要に応じて両方を組み合わせ、医師と相談しながら治療を続けることが大切です。家庭血圧の値が高い場合や、薬を服用していても十分に下がらない場合は、受診時に必ず伝えましょう。
特に、非常に高い血圧に加えて胸痛、息苦しさ、手足の麻痺、言葉が出にくいなどの症状が現れた場合は、マッサージや運動で様子を見ず、直ちに救急要請を検討してください。
【ためしてガッテンの血圧を下げる方法とふくらはぎ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ふくらはぎマッサージだけで血圧は下がりますか?
A1:マッサージによってリラックスしたり、一時的に血圧が変化したりする可能性はあります。しかし、ふくらはぎマッサージだけで高血圧を継続的に改善できるという医学的根拠は十分ではありません。減塩や有酸素運動、必要に応じた薬物療法を基本にしてください。
Q2:かかと上げ下げ運動は1日何回行えばよいですか?
A2:高血圧を治療するための確立した回数はありません。初めて行う場合は、安定した支えを使って10回程度から始め、痛みやふらつきがない範囲で調整しましょう。回数を増やすことより、安全に継続できることが大切です。
Q3:ハンドグリップ運動で収縮期血圧が7〜11mmHg下がるのは本当ですか?
A3:8〜10週間の研究では、収縮期血圧が平均8.11mmHg低下したという報告があります。ただし、これは研究参加者全体の平均的な結果であり、すべての人に同じ低下幅が生じるわけではありません。実施方法や健康状態によっても結果は異なります。
Q4:血圧が高くても、マッサージや運動をすれば受診しなくてよいですか?
A4:いいえ。マッサージや運動は高血圧の診察や治療の代わりにはなりません。家庭血圧が高い状態で続く場合は医師に相談してください。すでに降圧薬を服用している人は、自己判断で中断しないことが重要です。
Q5:2026年時点で、血圧を下げるために最初に取り組むべきことは何ですか?
A5:まず家庭血圧を正しい方法で測定し、食塩摂取量を1日6g未満に抑えることや、無理のない有酸素運動を習慣にすることから始めましょう。血圧が高い状態が続く場合は、記録を持参して医師に相談し、必要な治療を受けてください。
まとめ:ふくらはぎの健康法を血圧管理に生かすための判断基準
「ためしてガッテンの血圧を下げる方法」として話題になるふくらはぎマッサージや、かかと上げ下げ運動は、手軽に始められる健康習慣です。しかし、手軽さと医学的な降圧効果は別の問題です。ふくらはぎマッサージの降圧効果は十分に確立しておらず、かかと上げ下げ運動も高血圧の治療法として特定の効果が証明されているわけではありません。
一方、ハンドグリップ運動については複数の臨床研究で血圧低下が報告されています。ただし、研究結果をそのまま個人の効果として当てはめることはできず、実施方法や安全性への配慮も必要です。
2026年の高血圧対策で優先したいのは、食塩を減らすこと、適度な有酸素運動を続けること、家庭血圧を正しく記録すること、そして必要な医療を受けることです。ふくらはぎの運動やマッサージは、こうした取り組みを補助する習慣として活用しましょう。
血圧の数値だけでなく、毎日の生活習慣と健康状態を一緒に見直すことが、無理なく続けられる血圧管理につながります。 (出典: ためしてガッテン 血圧を下げる方法 ふくらはぎ(Yahoo!ニュース))