授乳中のカフェインは1日何mgまで?コーヒー何杯・母乳への影響を2026年版で徹底解説
授乳中にコーヒーや紅茶を飲みたくても、「カフェインが母乳に移行して赤ちゃんに影響するのでは」「コーヒーは1日何杯までなら大丈夫?」と気になる人は少なくありません。睡眠不足が続く産後は、コーヒーやお茶が気分転換になる一方、赤ちゃんへの影響を考えて完全にやめるべきか迷うこともあります。
2026年10月時点で確認できる食品安全委員会、厚生労働省、欧州食品安全機関(EFSA)、米国食品医薬品局(FDA)、米国国立医学図書館の授乳期医薬品データベース「LactMed」などの情報を整理すると、授乳中のカフェインは、摂取量と赤ちゃんの月齢を考慮して調整することが基本です。この記事では、1日200mgという目安の意味、飲み物別の含有量、母乳への移行、注意したい新生児期のポイントまで、具体的な数字とともに解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 摂取量の目安:1日200mgを管理しやすい保守的な目標にすると、飲み過ぎを防ぎやすい。ただし、すべての公的機関が同じ上限を定めているわけではない。
- コーヒーは何杯まで?:一般的な抽出コーヒーは100mL当たり約60mg。200mLのカップなら約120mgなので、2杯飲むと200mgを超える計算になる。
- 赤ちゃんへの影響:カフェインは母乳に移行するが、通常の範囲の摂取で必ず健康被害が生じるわけではない。新生児や早産児は代謝が遅いため、特に慎重に考えたい。
- 完全にやめる必要は?:一律にゼロにする必要があるとは限らない。摂取量を把握し、赤ちゃんの睡眠や機嫌を観察しながら調整することが現実的。
【まず結論】授乳中のカフェインは1日200mgが目安?公的機関の見解を整理
授乳中のカフェインについて、まず押さえておきたいのは、1日200mgは摂取量を管理するうえで使いやすい目安ですが、世界共通の絶対的な上限ではないという点です。国や機関によって評価の対象や推奨の示し方が異なるため、数字だけを切り取って「200mgを超えたら危険」と判断するのは適切ではありません。
食品安全委員会のカフェインに関する解説では、海外機関が示す摂取量の目安が紹介されています。EFSAについては、授乳中の女性の目安として1日200mgが掲載されています。一方、EFSAの2015年の科学的評価には、授乳中の女性がカフェインを単回で200mgまで、または1日400mgまで摂取した場合、母乳で育つ乳児への安全性上の懸念は生じないとする評価もあります。
この違いは、200mgという数字を考えるうえで重要です。公的な解説で紹介される実用的な目安と、科学的評価で安全性への懸念が認められないとされた条件は、必ずしも同じ意味ではありません。400mgまで問題がないという評価があるからといって、すべての授乳婦が400mgまで摂取すべきという意味にもなりません。
日本の消費者庁は、カフェインについて、国際的にも一日摂取許容量(ADI)のような一律の指標値は設定されていないと説明しています。また、カナダ保健省の目安として、授乳中の女性は1日300mg、健康な成人は400mgという数値を紹介しています。
米国食品医薬品局(FDA)も、健康な成人の多くについて1日400mgを一般的に悪影響と関連しない量として示しています。ただし、これは授乳中の女性に特化した推奨上限ではありません。FDAは、授乳中の人が摂取量を制限する必要があるかどうかについて、医療従事者への相談を勧めています。
各機関の情報を踏まえると、授乳中は次のように考えると実践しやすくなります。
- 普段の摂取量を把握するため、まずは1日200mg以内を目標にする。
- コーヒーだけでなく、紅茶、緑茶、エナジードリンク、チョコレートなども合算する。
- 早産児や月齢の低い新生児を育てている場合は、200mgを目標にすること自体が適切かも含めて、より慎重に考える。
- 赤ちゃんの睡眠や機嫌に変化が見られる場合は、摂取量を減らして様子を確認する。
なお、食品安全委員会の情報は、海外の目安を紹介するものであり、日本国内の授乳婦全員に対する法的な摂取上限を定めたものではありません。大切なのは、数字の背景を理解したうえで、赤ちゃんの状態に合わせて調整することです。

【飲み物別一覧】授乳中のコーヒー・紅茶・緑茶は何杯まで?
カフェインの摂取量を管理するには、飲み物の種類だけでなく、容量にも注目する必要があります。同じコーヒーでも、150mLのカップと大きなマグカップでは、摂取するカフェイン量が変わるためです。
厚生労働省や食品安全委員会が紹介している数値をもとに、代表的な飲み物の含有量を整理しました。以下は標準的な条件で抽出した場合などの代表値であり、商品や抽出方法によって実際の量は異なります。
| 飲み物 | カフェイン含有量の代表値 | 1回分の目安 | 摂取時のポイント |
|---|---|---|---|
| コーヒー | 60mg/100mL | 200mLで約120mg | 大きなカップ2杯では200mgを超える |
| インスタントコーヒー | 1杯約80mg | 粉末2gを使用 | 粉末の量や商品によって変わる |
| 紅茶 | 30mg/100mL | 200mLで約60mg | 抽出時間や茶葉の量にも左右される |
| 煎茶・ほうじ茶・烏龍茶 | 20mg/100mL | 200mLで約40mg | 複数杯飲む場合は合算する |
| 玄米茶 | 10mg/100mL | 200mLで約20mg | 茶葉の配合などで変動する |
| デカフェコーヒー | 6mg/100mL | 200mLで約12mg | カフェインが完全にゼロとは限らない |
| 麦茶・そば茶 | 0mg/100mL | 200mLで0mg | カフェインを避けたいときの選択肢 |
| エナジードリンクの一例 | 約40mg/100mL | 355mLで約142mg | 製品による差が大きく、表示確認が必要 |
表の数値は、食品安全委員会および厚生労働省が紹介する食品中のカフェイン含有量を参考にしています。特にエナジードリンクは、製品によってカフェイン濃度が大きく異なります。厚生労働省が紹介するデータでは、カフェインを多く添加した清涼飲料水の含有量は100mL当たり32〜300mgと幅があります。
1日200mgを目安にした場合、一般的なコーヒーを200mL飲むと約120mgです。そこに紅茶200mLを加えると合計約180mgになりますが、さらに緑茶やチョコレートなどを摂取すれば200mgを超える可能性があります。
コーヒーの杯数だけで考えるよりも、飲み物の容量と、1日を通した合計量で考えるほうが実態に合っています。カフェやコンビニで購入する飲料はサイズが大きいこともあるため、商品表示やメーカーの情報を確認しましょう。
また、カフェインはコーヒーやお茶だけに含まれているわけではありません。チョコレート、コーラ、エナジードリンク、一部の栄養ドリンク、眠気防止薬や鎮痛薬などにも含まれる場合があります。薬を使うときは、飲み物の量だけで判断せず、成分表示や薬剤師の説明も確認してください。
【母乳への移行と赤ちゃんへの影響】カフェインはどれくらい届く?
母親が摂取したカフェインは、血液を介して母乳にも移行します。ただし、飲んだカフェインがそのまま全量母乳に入り、同じ量を赤ちゃんが摂取するわけではありません。母親の体内での代謝、母乳中の濃度、授乳量などによって、赤ちゃんが実際に摂取する量は変わります。
米国国立医学図書館が運営する「LactMed」は、授乳中の薬剤や物質について研究情報を整理したデータベースです。カフェインの項目は2026年4月15日に改訂されており、母親が摂取したカフェインは比較的速やかに母乳へ移行し、母乳中の濃度は通常、摂取後およそ1時間でピークに達すると説明されています。
母乳を通じて赤ちゃんが摂取するカフェイン量は、母親の摂取量よりも少ないと考えられています。ただし、「母親が飲んだ量の約1%しか移行しない」といった単一の数字だけで、すべてのケースを説明することはできません。研究によって推定値は異なり、母親の摂取量や測定条件、赤ちゃんの授乳量なども関係するためです。
では、赤ちゃんにはどのような影響が考えられるのでしょうか。
- 寝つきが悪くなる、眠りが浅くなる:カフェインは中枢神経を刺激する作用があり、摂取量が多い場合には赤ちゃんの睡眠への影響が懸念される。
- 落ち着きがなくなる、機嫌が悪くなる:非常に多くのカフェインを摂取した母親の赤ちゃんで、そわそわした様子や不機嫌さが報告されている。
- 震えや過度な興奮:高摂取量に関連した症例報告がある。ただし、症状の原因がカフェインだけとは限らず、個別の評価が必要。
米国疾病予防管理センター(CDC)は、母乳を通じてカフェインが少量移行することを説明したうえで、1日300mg以下程度の低〜中程度の摂取では、通常、乳児に悪影響が生じることは少ないとしています。一方、非常に多い摂取量では、赤ちゃんの不機嫌さや睡眠の乱れなどが報告されています。
ここで注意したいのは、赤ちゃんが泣く、寝つきが悪い、授乳後に落ち着かないといった変化は、カフェインだけで説明できないことです。月齢による睡眠の変化、空腹、体調、生活リズムなども影響します。症状があるからといって、すぐにカフェインだけを原因と決めつける必要はありません。
なお、カフェインを飲むと母乳の量が必ず減るという説についても、LactMedでは、コーヒーの摂取が母乳量を減らすという考えを裏付ける科学的情報は十分に得られていないと説明しています。母乳量が気になる場合は、カフェインだけに原因を求めず、授乳状況や赤ちゃんの体重増加などを含めて助産師や医療機関に相談しましょう。

【新生児期は要注意】授乳中のカフェインはいつ飲むのがよい?
授乳中のカフェインで特に慎重に考えたいのが、生まれて間もない新生児や早産児です。母乳への移行量が少なくても、赤ちゃん自身がカフェインを処理する能力が未熟であれば、体内に残る時間が長くなる可能性があるためです。
LactMedによると、早産児や新生児ではカフェインの代謝・排泄が遅く、成人と同じようには処理できません。カフェインを排出する能力は成長に伴って発達し、おおむね生後3〜5か月で成人に近い水準に達するとされています。もちろん、発達には個人差があり、この月齢を境に急に安全性が変わるという意味ではありません。
そのため、特に次のような場合は、摂取量を控えめにすることを検討してください。
- 生後間もない赤ちゃんを母乳で育てている。
- 早産で生まれた赤ちゃんを育てている。
- 赤ちゃんの睡眠や機嫌に気になる変化があり、カフェイン摂取との関連が疑われる。
- 母親自身がカフェインに敏感で、少量でも動悸や不眠などが出る。
では、カフェインを飲む時間は授乳直後がよいのでしょうか。母乳中のカフェイン濃度は摂取後およそ1時間でピークになることが多いため、授乳の直後に飲めば、次の授乳まで時間を確保しやすくなる場合があります。
ただし、これは摂取タイミングを調整する工夫であり、母乳への移行を完全に防ぐ方法ではありません。母乳中のカフェインはすぐに消失するわけではなく、研究では母乳中の半減期が平均約6時間と報告されています。さらに、カフェインの代謝物は、母乳中でより遅い時間にピークを迎える場合もあります。
したがって、授乳の直後に飲めば何杯でも大丈夫ということにはなりません。タイミングよりも、まず1日の総摂取量を管理することが基本です。授乳間隔が短い赤ちゃんや、授乳の時間が予測しにくい時期には、飲む時間に神経質になりすぎず、摂取量を抑えることを優先するとよいでしょう。
また、早産児や体調に問題のある赤ちゃんについては、一般的な目安をそのまま当てはめないほうがよい場合があります。心配があるときは、小児科医や助産師に赤ちゃんの月齢や健康状態を伝え、個別の助言を受けてください。
【完全にやめるべき?】授乳中のデカフェ・ノンカフェインの選び方
授乳中はカフェインを完全にやめるべきかという疑問に対しては、すべての授乳婦が一律にゼロにする必要があるとは限らない、というのが公的機関の情報や研究を踏まえた現実的な考え方です。普段の摂取量を把握し、無理のない範囲で調整する方法が考えられます。
コーヒーが好きな人にとって、急に飲むのをやめることは負担になる場合があります。毎日多くのカフェインを摂取していた人が急に減らすと、頭痛、疲労感、眠気などの離脱症状が起こることもあります。FDAも、習慣的に摂取している人が減らす場合は、段階的に減量する方法を勧めています。
コーヒーやお茶を楽しみながら摂取量を減らしたい場合は、デカフェやノンカフェイン飲料を取り入れると便利です。ただし、この2つは同じ意味ではありません。
- デカフェ・カフェインレス:カフェインを取り除いたり減らしたりした飲料。一般的にはカフェインが完全にゼロとは限らない。
- ノンカフェイン:もともとカフェインを含まない原料を使った飲料を指すことが多い。
- 麦茶・そば茶:カフェインを避けたいときに選びやすい飲み物。ただし、そばアレルギーがある人は原材料に注意する。
- ハーブティー:種類によって原料や成分が異なる。カフェインの有無だけでなく、授乳中の安全性が十分に確認されていないハーブもあるため、種類ごとに確認する。
食品安全委員会が紹介する代表値では、デカフェコーヒーは100mL当たり約6mg、200mLで約12mgです。通常のコーヒーと比べると大幅に少なくなりますが、完全なゼロではありません。米国FDAも、デカフェコーヒーには少量のカフェインが残ることがあると説明しています。
また、カフェインの摂取量を減らしたいときは、飲み物だけを見直せばよいとは限りません。チョコレートやカフェイン入りの清涼飲料水、眠気防止薬などを併用している場合は、合計量が増える可能性があります。市販薬を使用する際には、授乳中であることを薬剤師や医師に伝えましょう。
授乳期の薬剤情報を整理した専門リファレンスとしては、「Medications & Mothers' Milk」も知られています。ただし、医薬品の評価区分だけで、コーヒーなどの日常的な飲料の摂取上限を直接決められるわけではありません。飲料の摂取量、赤ちゃんの月齢、症状などを総合して考えることが大切です。
選び方の基準をまとめると、普段の摂取量が少なく赤ちゃんに気になる変化もなければ、量を把握しながら通常の飲料を楽しむ方法があります。一方、コーヒーを何杯も飲む習慣がある人や、新生児・早産児を育てている人、赤ちゃんの睡眠が気になる人は、デカフェやノンカフェイン飲料を増やして調整する方法が向いています。
【授乳中カフェイン】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:授乳中にコーヒーを2杯飲んでしまいました。赤ちゃんに影響はありますか?
A1:コーヒーの容量や濃さによって摂取量が異なるため、2杯という数だけでは判断できません。例えば、200mLの抽出コーヒーを2杯飲んだ場合、カフェインは合計約240mgとなり、1日200mgという保守的な目安を超えます。ただし、1日200mgを超えたからといって、直ちに赤ちゃんに健康被害が生じるという意味ではありません。その日の残りのカフェインを控え、赤ちゃんの様子を観察しましょう。赤ちゃんに異常な震えや強い不機嫌さなどが見られる場合は、医療機関に相談してください。
Q2:授乳中はコーヒーを飲んだあと、何時間空ければ授乳できますか?
A2:すべての人に当てはまる「何時間空ければ安全」という一律の時間はありません。母乳中のカフェイン濃度は摂取後およそ1時間でピークになることが多いため、授乳直後に飲むことで、次の授乳までの間隔を確保しやすくなる場合があります。ただし、カフェインはその後も体内や母乳に残るため、授乳時間の調整だけでなく、1日の総摂取量を管理することが大切です。
Q3:授乳中は紅茶や緑茶ならコーヒーより安心ですか?
A3:一般的な抽出条件では、紅茶は100mL当たり約30mg、煎茶は約20mg、コーヒーは約60mgとされ、同じ容量なら紅茶や緑茶のほうがカフェイン量は少ない傾向があります。ただし、濃さや容量によって変わり、何杯も飲めば合計量は増えます。コーヒーかお茶かという種類だけで判断せず、飲み物全体の摂取量を確認しましょう。
【プロの結論】授乳中のカフェインで失敗しない判断基準
授乳中のカフェインを考えるとき、最も大切なのは「飲んだら危険」「完全にゼロにしなければならない」と極端に考えることではありません。母乳への移行は確認されていますが、摂取量や赤ちゃんの月齢によって影響の可能性は異なります。
2026年10月時点の公的資料と授乳期の研究情報を踏まえると、次の3点を判断基準にするのが実践的です。
- 第一に、1日の合計量を把握する。1日200mgを保守的な目標として、コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレート、エナジードリンクなどを合算する。
- 第二に、赤ちゃんの月齢と健康状態を考慮する。新生児や早産児はカフェインの代謝が遅いため、一般的な目安だけで判断せず、必要に応じて医療従事者に相談する。
- 第三に、実際の様子を見ながら調整する。睡眠の乱れや落ち着きのなさが気になる場合は摂取量を減らし、症状が続いたり強かったりする場合は医療機関に相談する。
コーヒーを楽しむ習慣を残したいなら、容量の小さいカップにする、午後はデカフェに切り替える、紅茶や緑茶を飲んだ日はコーヒーを減らすといった工夫ができます。カフェインを控えたい日には麦茶などを選び、無理なく続けられる方法を探すのも一つです。
食品安全委員会、厚生労働省、EFSA、FDA、LactMedなどの資料は、それぞれ評価の目的や示している数値が異なります。数字を単純に比較するのではなく、その意味を理解して生活に取り入れることが重要です。1日200mgを管理の目安にしつつ、赤ちゃんが新生児期かどうか、早産だったか、気になる症状があるかを合わせて判断することが、授乳中のカフェインと無理なく付き合うための基本になります。
赤ちゃんの状態や母親の健康状態によっては、一般的な目安が適さない場合もあります。心配な症状があるときや、薬を併用しているときは、自己判断で対応を続けず、医師や薬剤師、助産師に相談してください。 (出典: 授乳 中 カフェ イン(Yahoo!ニュース))