手足口病の熱は何度まで?何日続く?2026年の流行と受診目安を徹底解説
子どもが手足口病にかかったとき、「熱は何度まで上がるの?」「何日続いたら病院へ行くべき?」「発疹があるのに熱が出ないのは大丈夫?」と不安になる保護者は少なくありません。手足口病は乳幼児を中心に夏季に流行するウイルス感染症ですが、発熱の有無や症状の強さには個人差があります。
厚生労働省によると、手足口病の発熱は38℃以下のことが多く、ほとんどの患者は3〜7日で回復します。ただし、熱が高い、発熱が長引く、水分が取れないといった場合には注意が必要です。2026年の流行状況やコクサッキーA6型の動向も踏まえ、家庭での対処法、発疹との見分け方、受診のタイミング、まれな合併症まで詳しく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 熱の高さ:38℃以下の発熱が多いものの、38℃を超えることもあり、体温だけで重症度は判断できません。
- 発熱の日数:熱は通常1〜3日程度で下がることが多く、病気全体は3〜7日で回復するのが一般的です。
- 熱が出ないケース:発疹や口内の水疱だけが目立つ場合もあり、発熱がないからといって手足口病を否定できません。
- 受診の目安:高熱、2日以上続く発熱、繰り返す嘔吐、強い頭痛、ぐったりする様子、脱水の兆候があれば医療機関に相談しましょう。
- 2026年の注目点:コクサッキーA6型が検出された調査報告があり、発疹が広範囲に出たり、回復後に爪がはがれたりする場合があります。
【手足口病の熱は何度まで?何日続く?厚生労働省の情報を解説】
手足口病の発熱について、まず押さえておきたいのは、熱の高さと病気全体の回復期間は同じではないという点です。発熱は比較的短期間で落ち着くことが多い一方、口内炎や手足の発疹はその後もしばらく残ることがあります。
発熱は38℃以下が多いが、38℃を超えることもある
厚生労働省の「手足口病」に関する解説では、発熱は38℃以下のことが多いとされています。つまり、軽い発熱だけで経過する人もいれば、38℃を超える熱が出る人もいます。
ただし、38℃以下なら必ず安心、39℃なら必ず重症という単純な判断はできません。体温だけでなく、顔色、呼吸、意識の状態、水分摂取量、尿の回数、普段どおりに反応できているかを併せて確認する必要があります。
特に乳幼児は、口の中にできた水疱や潰瘍の痛みから飲食を嫌がり、脱水に陥ることがあります。熱がそれほど高くなくても、飲めない、尿が極端に少ない、ぐったりしているといった変化があれば注意してください。
熱は何日続く?「発熱」と「病気全体の回復」を区別する
日本小児科学会の一般向け情報では、手足口病の発熱は高くないことが多く、通常1〜3日で解熱すると説明されています。一方、厚生労働省は、ほとんどの発病者が3〜7日のうちに治るとしています。
この2つの情報は、必ずしも矛盾していません。前者は主に熱が下がるまでの期間、後者は病気全体の経過を示しているためです。熱が下がったあとも、口の中の痛みや手足の発疹が続くことはあります。
ただし、経過には個人差があります。熱がいったん下がってから再び上がる、2日以上発熱が続く、全身状態が悪化するといった場合は、典型的な経過だと決めつけず、医療機関に相談しましょう。
発熱の目安を一覧で確認
| 確認項目 | 一般的な目安 | 家庭での判断ポイント |
|---|---|---|
| 発熱の高さ | 38℃以下が多い | 38℃を超えることもあるため、全身状態も確認する |
| 熱が下がるまで | 通常1〜3日程度 | 長引く場合や再び上がる場合は医療機関に相談する |
| 病気全体の回復 | 多くは3〜7日 | 解熱後も発疹や口内の痛みが残ることがある |
| 発熱しない場合 | 発熱がない人もいる | 手足や口の中の発疹、水疱、食事や水分の状態を確認する |
| 注意が必要な症状 | 高熱、嘔吐、強い頭痛、意識の変化、脱水など | 体温の数字だけで判断せず、速やかに受診を検討する |
なお、これらは一般的な目安であり、個々の患者の診断基準ではありません。症状が強い場合や、いつもと明らかに様子が違う場合は、日数や体温の基準に達するまで待つ必要はありません。

【手足口病で熱が出ないのはなぜ?発疹との見分け方】
手足口病という名前から、手足や口に発疹が出ると同時に熱も出ると思われがちです。しかし、発熱は必須の症状ではありません。発疹が目立つ一方、熱がほとんど出ない、あるいは発熱に気づかないまま経過するケースもあります。
手足口病で熱が出る理由
手足口病は、コクサッキーウイルスA16型、A6型、A10型、エンテロウイルスA71型などによって起こる感染症です。ウイルスが体内に侵入すると、免疫反応が起こり、その過程で発熱することがあります。
ただし、原因となるウイルスの種類や個人の免疫反応、年齢、体調などによって症状は異なります。発熱の程度だけから原因ウイルスの種類を特定することはできません。
国立健康危機管理研究機構の感染症情報でも、手足口病の発熱は約3分の1にみられ、38℃以下の軽い発熱が多いと説明されています。発熱しないケースがあることは、手足口病を判断するうえで知っておきたいポイントです。
発疹はどこに出る?どんな特徴がある?
厚生労働省によると、手足口病では、感染から3〜5日後を目安に、口の中や手のひら、足の裏、足の甲などに2〜3mm程度の水疱を伴う発疹が現れます。お尻、膝、肘などに発疹が広がる場合もあります。
口の中に水疱や潰瘍ができると、食べ物や飲み物がしみて、食事や水分補給が難しくなることがあります。手足の発疹が少なくても、口の中の痛みや水疱が目立つケースもあるため、皮膚だけを見て判断しないことが大切です。
あせも・水ぼうそうとの違いは?
手足口病の発疹は、あせもや水ぼうそうなど、ほかの皮膚疾患と見分けにくいことがあります。一般的には、手のひらや足の裏、口の中に水疱が出ることが手足口病を疑う手がかりになります。
一方、あせもは汗がたまりやすい部位に細かな発疹が出ることが多く、水ぼうそうでは体幹を含めて広い範囲に発疹が現れることがあります。ただし、症状が重なることもあり、見た目だけで確定診断することはできません。
とくにコクサッキーA6型による手足口病では、水疱が大きく、発疹が広範囲に及び、水ぼうそうと見間違えられることがあります。発疹が急に増えた、広がり方が普段と違う、診断に迷う場合は小児科などで相談しましょう。
【2026年の手足口病はどうなっている?コクサッキーA6型の動向】
2026年は、国内の一部地域で手足口病の患者報告が増加しました。神奈川県衛生研究所の2026年の発生状況資料では、県内の定点当たり報告数が第27週(6月29日〜7月5日)に9.09となり、警報レベルの5.00を超えました。
その後は減少し、第35週(8月24日〜8月30日)には1.84となって警報解除レベルの2.00を下回りました。これは神奈川県の状況であり、全国すべての地域が同じ推移をたどったという意味ではありません。流行状況は地域や時期によって異なります。
2026年の調査で注目されたコクサッキーA6型
新潟大学大学院医歯学総合研究科の国際保健学分野は、2026年9月17日、同年5月25日から7月30日までに収集した手足口病などの検体について解析結果を公表しました。
この調査では、手足口病の患者31例から検体を収集し、29例でエンテロウイルスまたはライノウイルスの遺伝子が検出されました。そのうち遺伝子型を判定できた24例では、22例、91.7%がコクサッキーウイルスA6型でした。
ただし、この数字は限られた協力医療機関から収集した検体の解析結果です。2026年の日本全国の患者の91.7%がA6型だったという意味ではありません。地域や検体の集まり方によって検出状況は異なるため、全国の流行株を断定する根拠として扱うことはできません。
A6型では熱よりも発疹の広がりが目立つことも
コクサッキーA6型による手足口病では、水疱が大きくなったり、発疹が広い範囲に現れたりすることがあります。治ったあとに爪が浮いたり、はがれたりする「爪甲脱落症」がみられることも知られています。
こうした特徴を知っておくと、解熱後に皮膚症状が目立つ場合や、数週間たってから爪に変化が現れた場合にも、経過を理解する手がかりになります。ただし、発疹の形や範囲だけでA6型と診断することはできず、必要に応じて医師の判断を仰ぐ必要があります。
また、手足口病の原因ウイルスはA6型だけではありません。国立健康危機管理研究機構や日本小児科学会が示すように、複数のウイルスが原因となるため、過去に感染したことがあっても再びかかる可能性があります。

【子どもの手足口病の熱はどう対処する?家庭でできるケア】
手足口病には、原因ウイルスそのものを排除する特別な治療薬がなく、基本的には症状に応じた対症療法を行います。家庭では、熱を無理に下げることだけに集中せず、水分を確保し、十分に休める環境を整えることが大切です。
水分は少量ずつ、回数を分けて与える
手足口病では、口内の水疱や潰瘍によって飲み込むときに痛みが出ることがあります。一度にたくさん飲ませようとすると嫌がる場合があるため、本人が飲めるものを少量ずつ、こまめに与えましょう。
冷ました飲み物や、刺激の少ない食品など、口の痛みを悪化させにくいものを選ぶ方法もあります。酸味の強い飲み物や、熱すぎるもの、辛いものなどは、口内の傷にしみることがあるため避けたほうがよいでしょう。
尿の回数や量が減る、口の中が乾燥する、泣いても涙が出にくい、ぐったりするといった変化は、脱水を疑う手がかりになります。水分がほとんど取れない場合は、家庭でのケアだけで様子を見続けず、医療機関に相談してください。
解熱剤は体温だけでなく、つらさを考慮する
熱があっても、機嫌がよく、水分が取れていて、普段に近い反応ができている場合は、必ずしも体温の数字だけを理由に解熱剤を使う必要はありません。一方、熱や痛みで眠れない、水分を取るのが難しいなど、本人のつらさが強い場合は、医師や薬剤師に適切な薬について相談しましょう。
子どもに薬を使うときは、年齢や体重に合った用法・用量を守ることが欠かせません。大人用の薬を自己判断で分けて与えたり、複数の解熱鎮痛薬を併用したりすることは避けてください。
入浴や食事はどうする?
入浴は、本人に元気があり、ふらつきなどがなく、無理なく入れる状態なら、短時間で済ませるなど体調に合わせて判断します。高熱でぐったりしているときや、水分が取れないときに、熱を下げる目的で無理に入浴させる必要はありません。
食事は、普段どおりに食べられるかだけでなく、水分を十分に取れているかを重視してください。口の痛みが強いときは無理に食べさせず、飲み込みやすい食品を少量ずつ試しながら、状態を観察しましょう。
【手足口病で高熱が続く場合は?受診の目安と危険なサイン】
手足口病の発熱は軽度で短期間に落ち着くことが多いため、高熱が続く場合や、発熱以外の症状が強い場合には注意が必要です。単に手足口病の症状が長引いているとは限らず、脱水や合併症、別の感染症などを考慮する必要があります。
早めに医療機関へ相談したい症状
京都府の感染症情報や自治体の注意喚起では、手足口病について、高熱や2日以上続く発熱、嘔吐、頭痛、意識の変化、呼吸困難、脱水などがみられる場合、医療機関への受診を促しています。
家庭で確認したいのは、体温の数字だけではありません。水分が飲めているか、尿が出ているか、呼びかけに普段どおり反応するか、呼吸が苦しそうではないか、嘔吐を繰り返していないかを確認してください。
特に、次のような症状がある場合は、早急な医療機関への相談が必要です。
- 高熱が出ている、または発熱が2日以上続いている。
- 頭痛が強い、繰り返し吐く、首を動かすと強く痛がる。
- 呼びかけへの反応が鈍い、意識がぼんやりしている、けいれんがある。
- 呼吸が速い、息苦しそう、顔色が明らかに悪い。
- 水分が取れず、尿が極端に少ない、ぐったりしている。
- 歩き方が不安定になる、手足に力が入りにくいなど、普段と異なる神経症状がある。
意識障害、けいれん、呼吸困難などの重い症状がある場合は、通常の診療時間まで待たず、救急要請を含めた緊急対応を検討してください。受診すべきか迷う場合は、地域の小児救急電話相談「#8000」なども利用できます。
熱が下がっても安心できない場合がある
手足口病では、発熱が落ち着いたあとに発疹や口内炎が残ることがあります。これらの症状があるだけで、直ちに重症というわけではありません。
しかし、熱が下がったのに元気が戻らない、水分が取れない、嘔吐や頭痛が続く、意識や歩き方に変化がある場合は別です。解熱したという理由だけで回復したと判断せず、全身状態を重視してください。

【髄膜炎・脳炎などの合併症は?大人の手足口病にも注意】
手足口病の大半は軽症で回復しますが、まれに中枢神経系などに重い合併症を起こすことがあります。厚生労働省は、髄膜炎、小脳失調症、脳炎のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺などを挙げ、経過観察の重要性を示しています。
髄膜炎・脳炎ではどのような症状が出る?
髄膜炎では、発熱、頭痛、嘔吐などがみられることがあります。脳炎では、けいれんや意識障害などの神経症状が現れる場合があります。また、小脳失調症では、歩行や身体の動きが不安定になることがあります。
これらの合併症はまれですが、見逃したくない症状です。特に、エンテロウイルスA71型による手足口病では、中枢神経系の合併症に注意が必要とされています。
ただし、頭痛や嘔吐などの症状があれば必ず髄膜炎や脳炎というわけではありません。反対に、発熱が軽いことだけで合併症を否定することもできません。症状の組み合わせや変化を観察し、異常があれば早急に医療機関を受診してください。
大人も手足口病にかかる?発熱や痛みは?
手足口病は子どもに多い感染症ですが、大人も感染します。神奈川県衛生研究所も、2026年の流行情報で成人の感染に注意を呼びかけています。
大人でも発熱することがあり、手足の発疹や口内の痛みが出る場合があります。症状の強さには個人差があるため、子どもの病気だから大人は軽症で済むと決めつけることはできません。
口内の痛みで水分が取れない、発熱が長引く、強い頭痛や嘔吐があるなどの場合は、大人も受診を検討してください。乳幼児と同様に、脱水や重い症状の兆候を見逃さないことが大切です。
また、手足口病は原因ウイルスが複数あるため、過去にかかった人でも再感染する可能性があります。家族内で感染が広がるのを防ぐには、石けんと流水による手洗い、おむつ交換後の衛生管理、タオルの共用を避けるといった対策が有効です。
【手足口病の熱に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:手足口病で39℃の熱が出ることはありますか?
A1:あります。手足口病では38℃以下の発熱が多いものの、38℃を超える熱が出る場合もあります。ただし、高熱が出た場合は、手足口病だけが原因とは限りません。熱の高さに加え、呼吸、意識、水分摂取、尿の回数などを確認し、早めに医療機関へ相談してください。
Q2:手足口病の熱が3日以上続いています。いつ受診すべきですか?
A2:手足口病の発熱は通常1〜3日程度で下がることが多いため、3日以上続く場合は医療機関に相談しましょう。高熱、嘔吐、頭痛、ぐったりする様子、水分が取れないなどの症状がある場合は、さらに早い受診が必要です。
Q3:熱が出ていなくても手足口病の可能性はありますか?
A3:あります。発熱せず、手足や口の中の発疹・水疱が主な症状になるケースもあります。発疹の場所や形、口内の痛みなどが手足口病に合致する場合でも、ほかの病気との区別が必要になることがあるため、判断に迷ったら医師に相談してください。
Q4:熱が下がったら保育園や幼稚園に行ってもよいですか?
A4:解熱だけでは判断できません。日本小児科学会は、全身状態が安定し、発熱がなく、口内の水疱や潰瘍の影響が少なく、普段の食事が取れることなどを登園の目安として示しています。施設のルールも確認し、本人の体調を優先してください。回復後もしばらく便中にウイルスが排出されることがあるため、排便後やおむつ交換後の手洗いも重要です。
Q5:手足口病で高熱が続くと、髄膜炎や脳炎の可能性がありますか?
A5:高熱だけで髄膜炎や脳炎と診断することはできませんが、手足口病ではまれに重い合併症が起こります。強い頭痛、繰り返す嘔吐、けいれん、意識の変化、歩行の異常などがある場合は、緊急性の高い症状として速やかに医療機関を受診してください。
まとめ:手足口病の熱は数字だけでなく全身状態で判断する
手足口病は、乳幼児を中心に流行するウイルス感染症です。厚生労働省によると、発熱は38℃以下のことが多く、ほとんどの患者は3〜7日で回復します。発熱自体は通常1〜3日程度で落ち着くことが多いものの、熱が出ないケースや、発疹・口内炎が解熱後も続くケースもあります。
2026年は、地域によって流行の増減がみられ、コクサッキーA6型が検出された調査も報告されました。ただし、流行するウイルスの種類や症状には地域差・個人差があり、発疹の見た目や体温だけで原因や重症度を判断することはできません。
家庭で最も注意したいのは、水分が取れているか、尿が出ているか、呼吸や意識に異常がないかという点です。高熱や長引く発熱、強い頭痛、嘔吐、けいれん、ぐったりする様子などがあれば、様子を見続けずに医療機関へ相談してください。
「38℃以下だから大丈夫」「熱が下がったから治った」と体温だけで決めつけないこと。子ども本人の様子と症状の変化を丁寧に確認することが、手足口病の回復を見守り、まれな合併症を早期に察知するための基本です。 (出典: 手足 口 病 熱(Yahoo!ニュース))