今川焼きの呼び方は地域で違う?2025年全国調査と名前の由来を2026年最新解説
「今川焼き」「大判焼き」「回転焼き」「御座候」――同じような丸い和菓子なのに、住んでいる地域や育った土地によって呼び方が変わるのはなぜでしょうか。2026年現在、この疑問を解く重要な資料となるのが、冷凍食品メーカーのニチレイフーズが2025年11月28日に発表した全国調査です。全国47都道府県の14,057人を対象にした調査では、都道府県ごとに最も多かった呼び名を集計し、地域差を可視化しました。
結果は、全国的に最も多くの都道府県でトップとなったのが「今川焼」で19都道府県、「大判焼き」が15都道府県、「回転焼き」が9都道府県というもの。さらに、北海道や青森県の「おやき」、山形県の「あじまん」、兵庫県で親しまれる「御座候」など、地域ならではの呼び方も浮かび上がりました。名前の違いをたどると、江戸時代の橋の名前から昭和のヒット小説、地元企業のブランド戦略まで、日本の食文化の歴史が見えてきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 全国調査の結果:2025年のニチレイフーズ調査では、都道府県別の最多呼称は今川焼19、 大判焼き15、回転焼き9。
- 地域差の特徴:関東・北陸は今川焼、中国・四国は大判焼き、九州は回転焼きが優勢。北海道・青森の「おやき」や山形の「あじまん」も特徴的。
- 名前が違う理由:江戸時代の地名、焼き方、昭和の製造機器の普及、地域ブランドなど、呼び名ごとに異なる背景がある。
【2026年最新】全国1万4057人調査で分かった今川焼きの呼び方
2026年時点で、全国の呼び方を都道府県別に比較するうえで重要な最新資料が、ニチレイフーズの「今川焼の勢力図マップ」です。調査は2025年10月10日から19日まで、全国の20代から70代以上の男女を対象に、株式会社クロス・マーケティングの協力によるWebアンケート方式で実施されました。
回答者は14,057人で、47都道府県それぞれ約300人。対象となる菓子の写真を見せて名前を尋ね、都道府県ごとに最も多く使われている呼び方を集計しています。全国での回答数は「今川焼」が8,508、「大判焼き」が7,309、「回転焼き」が3,646でした。
ただし、ここで押さえておきたいのは、全国で最も多い呼び方と、最も多くの都道府県で1位になった呼び方は、必ずしも同じ指標ではないという点です。今回の調査では「今川焼」が全国の回答数でも最多で、都道府県別の最多呼称でも19エリアを獲得しました。一方、「大判焼き」は15エリア、「回転焼き」は9エリアで最多となっています。
各呼び名の回答数を合計すると回答者数を上回るため、これらを互いに排他的なシェアとして足し合わせることはできません。また、都道府県別の最多呼称は、その県の全員が同じ名前を使うという意味でもありません。あくまで、それぞれの地域で最も多かった呼び名を示す結果です。
調査対象が全国に広がっていることは大きな強みですが、民間のWebアンケートであり、各都道府県の全住民を調べた国勢調査のようなものではありません。地域ごとの傾向を把握する資料として活用しつつ、同じ県の中にも家庭や世代による違いがあると考えるのが適切です。

【地域別一覧】関東・関西・九州では何と呼ぶ?都道府県の傾向を比較
呼び方の地域差を理解するには、全国を一律に東日本・西日本へ分けるより、地方ごとの傾向と例外を一緒に見るのが近道です。ニチレイフーズの調査結果や報道された地域別の集計からは、次のような特徴が読み取れます。
| 呼び方 | 最多呼称となった都道府県数 | 地域別の主な傾向 | 名前・地域性のポイント |
|---|---|---|---|
| 今川焼 | 19 | 関東・北陸で優勢。全国の回答数でも最多 | 江戸の神田・今川橋に由来するとされる伝統的な呼び名 |
| 大判焼き | 15 | 中国・四国地方で優勢 | 昭和30年代の愛媛県の製造機器メーカーによる普及が知られる |
| 回転焼き | 9 | 九州地方で全県の最多呼称。近畿でも広く使われる | 焼き型を回転させながら焼くことにちなむとされる |
| おやき | 2 | 北海道・青森県 | 地域によって同じ言葉が別の郷土食を指すため注意 |
| あじまん | 1 | 山形県 | 「味自慢」に由来する商品・ブランド名 |
| 地域の固有ブランド名 | 1 | 兵庫県 | 「御座候」がよく知られる例。店名が菓子の呼び名として定着 |
関東・北陸地方では「今川焼」が優勢です。江戸を起点とする呼び名が広く残っていることは、地域の言葉の歴史を考えるうえで興味深い点です。ただし、関東のすべての人が今川焼と呼ぶわけではなく、別の呼称も使われています。
中国・四国地方では「大判焼き」が強く、岡山県や香川県でも最多でした。報道された調査結果によると、中国・四国地方では広島県を除いて大判焼きが最多となり、広島県では今川焼がトップとなっています。広島では「二重焼き」という呼び方もよく知られており、同じ地方の中でも呼び名が一つに統一されているわけではありません。
九州地方では「回転焼き」が全県で最多呼称となりました。関東・北陸で強い今川焼、中国・四国で強い大判焼きとは対照的な分布です。近畿地方では今川焼や回転焼きに加えて地域ブランド名も存在し、呼び方が比較的多様になっています。
さらに特徴的なのが、北海道・青森県の「おやき」と山形県の「あじまん」です。どちらも全国で一般的な呼び名とは異なりますが、地元ではなじみのある表現です。兵庫県でトップとなった固有ブランド名については「御座候」が代表的な例として知られています。
【名前の由来】今川焼き・大判焼き・回転焼きはなぜ違う?
呼び名が分かれた背景には、地名、焼き方、商品の売り出し方など、異なる由来があります。すべての名前が同じ時期に生まれたわけではありません。
今川焼きの由来は江戸・神田の今川橋
「今川焼」の名前は、江戸時代中期に神田の今川橋付近で売られていたことに由来するとされています。さいたま市立中央図書館が国立国会図書館レファレンス協同データベースに登録した調査事例では、1777年(安永6年)刊行の『富貴地座位』に「本所の今川焼き那須屋弥平」と記されていることが紹介されています。
ただし、今川焼を最初に考案した人物や、唯一の元祖店が誰だったのかまでは、同資料からは特定できていません。今川橋付近で販売されたことと、菓子の考案者が判明していることは別の話です。
また、「今川家の家紋に由来する」という説が紹介されることもありますが、語源解説では、江戸時代の文献にその裏付けとなる記述が見当たらないとして、今川橋由来の説と区別しています。名前の由来を調べる際には、広く知られた説と文献で確認できる事柄を分けて考える必要があります。
大判焼きの由来は昭和のヒット小説と製造機器
「大判焼き」が全国に広まった背景には、愛媛県松山市の製菓製パン材料・機械メーカー、松山丸三の歴史があります。同社の会社案内によると、昭和31年から33年ごろ、獅子文六の小説『大番』が話題になりました。
同社では、それまで販売していた太鼓饅の焼き機を大型化し、「大番焼き機」とする案が出ました。しかし、小説と同じ名前を避けるため表記を変え、「大判焼」という名称にしたと説明しています。あんこがたっぷり入る大型の菓子と製造機器のセットが人気を集め、四国・中国地方から全国へ広がりました。
つまり、大判焼きという名前は、単純に大きな小判の形をしているから付いた、とだけ説明できるものではありません。昭和の出版文化と、菓子を作る機械・材料の普及が結びついた事例です。地域の呼び方が広がるきっかけは、昔からの方言だけとは限りません。
回転焼きは焼き方に由来するとされる
「回転焼き」は、焼き型を回転させながら焼くことに由来すると説明されています。講談社の『世界の料理がわかる辞典』でも、回転焼きを大判焼きと同種の菓子として説明し、主に関西・九州地方で使われる呼称としています。
一方、言語学者の岸江信介氏による呼称研究では、「回転焼き」が戦前から使われていたことを示す地域の事例や文献が紹介されています。大阪を中心とする地域では、回転焼きのほかに太鼓焼き、太鼓饅頭、巴焼きなどの呼び名も見られます。
このように、今川焼きは地名、大判焼きは昭和の命名と製造機器の普及、回転焼きは焼き方というように、同じ菓子でも名前が生まれた経緯は異なります。

【御座候・あじまん】店名が地域の呼び名になる理由
今川焼きの呼び方を調べると、一般的な菓子の名前だけでなく、特定の企業や店舗のブランド名が登場します。地域で長く親しまれた商品名が、いつしか菓子そのものを指す言葉になる現象です。
御座候はなぜ「御座候」と呼ばれるのか
「御座候(ござそうろう)」は、兵庫県姫路市に本社を置く和菓子店の屋号であり、同社が販売する回転焼の商品名です。一般的な菓子の種類を表す言葉というより、店名・ブランド名が地域の呼び方として定着した例です。
大阪ガスの情報サイト「マイ大阪ガス」が同社関係者に取材した記事によると、御座候は1950年(昭和25年)に創業し、当初は一般的な回転焼として販売していました。店名には「お買い上げいただき、ありがたく御座候」というお客様への感謝の気持ちが込められています。
同社の商品が知られるようになると、客が菓子の一般名ではなく「御座候」と注文するようになり、商品名も定着していったとされています。兵庫県を中心に御座候という呼び名が広がった背景には、地元で親しまれた店舗と商品そのものの存在があります。
ただし、関西全域で必ず御座候と呼ぶわけではありません。回転焼きや大判焼きという言葉も使われています。また、他店の商品をすべて御座候と呼ぶと、特定ブランドの商品と一般的な菓子の種類を混同してしまうことがあります。
山形県の「あじまん」は味自慢が由来
山形県で知られる「あじまん」も、地域ブランドが呼び名として広まった例です。あじまんの公式サイトによると、社名は「味自慢の商品にしたい」という意図から名付けられました。現在では会社名・ブランド名として知られ、ニチレイフーズの2025年調査でも山形県の最多呼称に挙がっています。
「あじまん」は単に今川焼きの別名として自然発生した言葉ではなく、企業が商品に込めた思いから生まれた名前です。地元でその商品を買い続ける人が増えれば、商品名が菓子そのものの呼び名として使われるようになります。
このような現象は、御座候にも共通します。地域の呼び名は、古い方言だけで決まるものではありません。店舗の出店、商品の知名度、買い物の習慣などが積み重なることで、ブランド名が日常語に近い役割を果たすようになります。
【誤解を整理】今川焼き・おやき・二重焼き・太鼓焼きは何が違う?
今川焼きと大判焼きに決定的な違いはある?
一般的には、今川焼き・大判焼き・回転焼きは、丸く厚みのある生地であんこなどの具材を包み、両面を焼いた同種の和菓子を指します。呼び方が違うからといって、必ずしも別の菓子を意味するわけではありません。
辞典類でも、今川焼きと大判焼き、回転焼きは同種の菓子の別称として扱われています。ただし、店舗や地域によって、生地の配合、サイズ、具材、焼き方に違いがある場合はあります。商品ごとの特徴を比較するときは、名前だけで判断せず、実際の大きさや中身、製法を確認するのが確実です。
おやきは今川焼きと同じもの?
「おやき」は注意が必要な呼び名です。ニチレイフーズの調査では北海道・青森県で丸い厚焼きの菓子を指す呼称として確認されています。一方、長野県などで「おやき」といえば、野菜やあんなどを小麦粉などの生地で包んで焼いたり蒸したりする郷土食を指すことが一般的です。
つまり、同じ「おやき」という言葉でも、地域によって指す食べ物が異なります。北海道や青森での呼び名をそのまま全国に当てはめると、別の料理を想像される可能性があります。地域の言葉は、その土地で共有されている意味と一緒に理解することが大切です。
二重焼き・太鼓焼き・太鼓饅頭は別のお菓子?
「二重焼き」「太鼓焼き」「太鼓饅頭」なども、今川焼きの別称として知られています。『たべもの起源事典』などの食文化資料では、回転焼きや大判焼きとともに、さまざまな地域名が紹介されています。
「二重焼き」は生地で具材を挟む構造を連想させ、「太鼓焼き」や「太鼓饅頭」は丸く厚みのある形を思わせる名前です。ただし、名前の印象だけで命名の歴史を断定することはできません。個々の呼び名については、地域の資料や店舗の説明を確認する必要があります。
地域によって呼び方が違うのはなぜ?
呼び名の違いには、少なくとも三つの要因があります。第一は、江戸時代の地名や地域で使われてきた言葉が残ること。第二は、昭和の製造機器や商品名が広がり、新しい呼び名が各地に定着すること。第三は、御座候やあじまんのような地域ブランドが、一般的な菓子の呼び名として使われることです。
これらの要因は、互いに排他的ではありません。同じ地域で複数の呼び方が使われることもあれば、隣接する地域で違う名前が主流になることもあります。さらに、進学や就職、転居などで人が移動すれば、家庭で使ってきた呼び名が新しい土地でも使われるため、地域差は必ずしも県境と一致しません。
2025年の全国調査は、呼び名の分布を把握するうえで有用な資料ですが、一つの県に一つの呼び方しか存在しないことを示すものではありません。地図上の色は、その地域で最多だった呼称を表したものです。少数派の呼び名や世代による違いまで消えてしまうわけではありません。

【今川焼き呼び方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:今川焼きの呼び方で全国一番多いのは何ですか?
A1:ニチレイフーズが2025年11月28日に発表した全国14,057人の調査では、「今川焼」が8,508人で回答数最多でした。都道府県別の最多呼称でも19都道府県を占めています。
Q2:関東と関西では今川焼きの呼び方が違いますか?
A2:傾向には違いがあります。関東・北陸地方では「今川焼」が優勢で、近畿地方では「今川焼」「回転焼き」や地域ブランド名などが混在しています。兵庫県では「御座候」がよく知られていますが、関西全域で呼び方が統一されているわけではありません。
Q3:今川焼きと大判焼き、回転焼きは別のお菓子ですか?
A3:一般的には同じ種類の和菓子を指す別称です。今川焼きは江戸の今川橋、大判焼きは昭和の愛媛県の製造機器メーカーによる命名、回転焼きは焼き型を回転させる製法にちなむとされています。店舗によってサイズや具材などが違う場合はあります。
まとめ:今川焼きの呼び方は地域の歴史と食文化を映す
今川焼きの呼び方は、2025年の全国調査でも地域による違いが明確に表れました。都道府県別では今川焼が19、大判焼きが15、回転焼きが9。さらに、北海道・青森県の「おやき」、山形県の「あじまん」、兵庫県で知られる「御座候」など、地域独自の呼び名も確認されています。
それぞれの名前をたどると、江戸時代の今川橋、昭和の小説『大番』と製造機器、焼き型の回転、そして地域で愛される企業ブランドといった、異なる歴史が見えてきます。単に東日本と西日本で呼び方が違うというだけでは説明できない、多層的な食文化が背景にあります。
【プロの結論】今川焼きの呼び方を正しく理解するポイントは、「菓子の種類」と「地域で使われる名前」と「企業の商品名」を区別することです。今川焼き・大判焼き・回転焼きは一般に同種の菓子を指しますが、御座候やあじまんはブランド名に由来し、おやきは地域によって別の食べ物を意味します。
次に旅先でこのお菓子を見かけたら、店頭の名前に注目してみてください。呼び方の違いは、間違いでも優劣でもありません。その土地で受け継がれてきた歴史や、暮らしに根付いた食文化を知る小さな手がかりです。全国調査の数字を入口に、地域ごとの呼び名を比べてみると、いつものおやつが少し違って見えてくるはずです。 (出典: 今川 焼き 呼び 方(Yahoo!ニュース))