授乳中にロキソニンは飲める?母乳移行・赤ちゃんへの影響と服用後の対処法【2026年】
授乳中に頭痛や歯痛、生理痛などが起こり、ロキソニンを飲んでよいのか迷う人は少なくありません。すでに服用してしまい、「母乳を通じて赤ちゃんに影響するのでは」「何時間あければ授乳を再開できるのか」と心配になることもあるでしょう。
2026年10月時点で確認できる国立成育医療研究センターの公開情報では、ロキソニンの有効成分であるロキソプロフェンは、授乳中に安全に使用できると考えられる薬の一覧に掲載されています。一方、医療用医薬品の添付文書では、授乳の継続または中止を検討するよう記載されており、市販薬のロキソニンSも服用前に医師・薬剤師への相談を求めています。
この違いは、授乳中に一律に使用禁止という意味でも、誰でも自由に服用できるという意味でもありません。薬の種類、服用量、使用期間、赤ちゃんの月齢や健康状態を踏まえて判断することが大切です。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ロキソプロフェンは、国立成育医療研究センターの授乳中に使用できると考えられる薬の一覧に掲載されている。ただし、個別の服用判断は必要。
- 要点2:通常のロキソニンSと、ジヒドロコデインを含むロキソニン総合かぜ薬は別の製品。授乳中の注意事項も異なる。
- 要点3:通常のロキソニンSについて、一律に何時間授乳を空けるという公式な基準は示されていない。服用済みの場合は製品名と服用量を確認して相談する。
【2026年最新】授乳中にロキソニンは飲める?医療用と市販薬の違い
まず押さえておきたいのは、授乳中のロキソニンの使用可否を、単純に「飲める」「飲めない」の二択だけで判断するのは適切ではないという点です。
医療用のロキソニン錠60mgと市販薬のロキソニンSは、いずれもロキソプロフェンナトリウム水和物を有効成分とする解熱鎮痛薬です。ただし、医療用医薬品と市販薬では、使用に関する注意事項や服用時の判断方法が異なります。
国立成育医療研究センターの「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」の一覧には、ロキソプロフェンが掲載されています。同センターは、国内外の医学的研究などを踏まえて薬剤を評価しています。ただし、一覧への掲載は、あらゆる状況での安全性を保証するものではありません。
一方、医療用ロキソニンの添付文書では、授乳婦について「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること」とされています。動物実験で乳汁中への移行が報告されていることも記載されています。
市販薬のロキソニンSは、添付文書で授乳中の人を「服用前に医師、歯科医師又は薬剤師に相談してください」という対象にしています。授乳中だから一律に服用禁止とする記載ではありませんが、相談せずに自己判断で使用してよいという意味でもありません。
つまり、医師から授乳中であることを伝えたうえで処方された薬と、店頭で自分の判断で購入する市販薬とでは、確認すべきポイントが異なります。

【母乳への移行と赤ちゃんへの影響】ロキソプロフェンの安全性は?
ロキソニンの有効成分であるロキソプロフェンは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されます。炎症や痛み、発熱を抑える作用があり、頭痛や歯痛などの治療に用いられます。
授乳中に薬を使用すると、その成分が母乳中に移行することがあります。ただし、母乳に移行するという事実だけで、赤ちゃんに有害な影響が生じるとは限りません。移行量、赤ちゃんが実際に摂取する量、体内での薬の処理能力などを考慮する必要があります。
国立成育医療研究センターは、母乳中に移行する薬の量は非常に少ない場合が多く、赤ちゃんへの影響の可能性が低い薬も多いと説明しています。また、薬の添付文書に授乳の中止に関する記載があっても、必ずしも十分な科学的根拠に基づいて一律の中止が必要と判断されているとは限らないとしています。
ただし、ロキソプロフェンについては、添付文書に動物実験での乳汁移行が記載されています。ヒトの母乳中への移行量や乳児への影響を、あらゆる条件で確定できるだけの情報がそろっているわけではありません。そのため、一般的な授乳中の薬剤評価と、個々の赤ちゃんに対する服用判断は区別する必要があります。
特に慎重な確認が必要なのは、次のようなケースです。
- 赤ちゃんが新生児で、まだ月齢が低い
- 早産で生まれた、または低出生体重だった
- 腎臓や肝臓などに持病がある
- 母親が複数の薬を併用している
- ロキソニンを繰り返し服用する、または長期間使用する予定がある
服用後は、赤ちゃんの哺乳の様子や普段と異なる症状に注意してください。哺乳が明らかに悪くなる、繰り返し吐く、異常な眠気があるなどの変化がみられた場合は、小児科などの医療機関に相談しましょう。こうした症状が必ずロキソニンによって起きるという意味ではありませんが、気になる変化を放置しないことが大切です。
【何時間あける?】服用後の授乳再開と「飲んでしまった」ときの対処法
授乳中にロキソニンを服用してしまった場合、最初に確認したいのは、どの製品を、いつ、何錠飲んだのかという点です。ロキソニンという名前が含まれていても、製品によって成分や注意事項が異なります。
通常のロキソニンSについて、服用後は必ず何時間授乳を中断する、という一律の公式基準は示されていません。そのため、インターネット上の一般的な目安だけを頼りに、独自に授乳再開の時間を決めることは避けましょう。
また、服用した薬が母乳に移行する可能性があるからといって、必ず搾乳して捨てなければならないとも限りません。授乳を中断するかどうかは、実際に服用した製品と赤ちゃんの状況を確認したうえで判断します。
特に注意したいのが、ロキソニンSなどの解熱鎮痛薬と、ロキソニン総合かぜ薬を混同することです。第一三共ヘルスケアの公式FAQによると、ロキソニン総合かぜ薬には母乳中に移行するジヒドロコデインリン酸塩が含まれているため、授乳中は服用しないよう案内されています。
同製品を誤って服用した場合については、メーカーは服用後24時間以上経過してから授乳を再開し、再開時には搾乳して廃棄するよう案内しています。この24時間という指示を、通常のロキソニンSにもそのまま当てはめることはできません。
服用後に不安になった場合は、次の手順で対応してください。
- 製品名を確認する。ロキソニンS、ロキソニンSプラス、ロキソニン総合かぜ薬など、パッケージに記載された正式名称を確認します。
- 服用した量と時間を記録する。何錠を何時ごろ飲んだのか、ほかの薬も服用したのかを整理します。
- 医師または薬剤師に相談する。赤ちゃんの月齢、早産の有無、持病、授乳の状況を伝え、授乳を続けてよいか、追加服用を避けるべきかを確認します。
- 赤ちゃんの様子を観察する。哺乳や反応などに気になる変化があれば、速やかに医療機関へ相談します。
通常のロキソニンSを1回飲んでしまったからといって、直ちに重大な影響が生じたと決まるわけではありません。まずは落ち着いて製品を確認し、必要な情報を医療者に伝えましょう。自己判断で長時間授乳を中断したり、反対に追加服用を続けたりすることは避けてください。
【授乳中の痛み止め比較】ロキソニン・カロナール・イブプロフェンの違い
授乳中の痛み止めを選ぶ際は、薬の強さや効き目だけでなく、母乳への移行に関する情報、赤ちゃんの状態、母親の持病や併用薬なども考慮します。
国立成育医療研究センターの授乳中に使用できると考えられる薬の一覧には、ロキソプロフェンのほか、アセトアミノフェンとイブプロフェンも掲載されています。これらは選択肢になり得ますが、すべての人に同じ薬が適しているわけではありません。
| 成分・代表的な商品名 | 授乳中の評価・特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| ロキソプロフェン(ロキソニン) | 国立成育医療研究センターの使用可能と考えられる薬の一覧に掲載。炎症を伴う痛みにも用いられる。 | 医療用添付文書では授乳継続・中止を検討するよう記載。市販薬は服用前に医師・薬剤師へ相談する。 |
| アセトアミノフェン(カロナール) | 授乳中に使用できると考えられる薬の一覧に掲載。痛みや発熱を抑える選択肢。 | 肝臓の病気や併用薬を確認する。かぜ薬などに同じ成分が含まれていないか注意する。 |
| イブプロフェン(ブルフェン) | 同一覧に掲載。米国のLactMedでは、母乳中への移行が非常に少ないことなどから、授乳中の鎮痛・抗炎症薬の好ましい選択肢と評価されている。 | 胃腸・腎臓の病気、喘息、ほかのNSAIDsとの併用などを確認する。市販薬は製品ごとの注意事項に従う。 |
この比較で重要なのは、ロキソニンだけが授乳中に特別に危険な薬というわけではない一方、カロナールやイブプロフェンであれば誰でも無条件に使用できるわけでもないことです。
アセトアミノフェンは、授乳中の痛みや発熱に対する選択肢として広く用いられています。イブプロフェンは、米国国立医学図書館のLactMedで、母乳中の濃度が非常に低く、授乳中の鎮痛・抗炎症薬として好ましい選択肢とされています。
一方、ロキソプロフェンも国内の専門機関が公表する一覧に掲載されています。どの薬を選ぶかは、痛みの原因、これまでの治療歴、胃腸や腎臓の状態などを含めて判断するのが適切です。
なお、これらの成分を含む薬を複数同時に飲むことは避け、処方薬と市販薬の成分が重複していないか確認してください。自己判断で別の鎮痛薬に切り替える前に、薬剤師へ相談するのが安全です。
【医師・薬剤師への相談】授乳中にロキソニンを使う前の確認事項
授乳中に痛み止めが必要なときは、単に「授乳中ですが飲めますか」と聞くだけでなく、具体的な情報を伝えると判断がスムーズになります。
相談時には、少なくとも次の点を整理しておきましょう。
- 薬の正式名称と有効成分
- 1回の服用量、服用回数、使用予定期間
- 頭痛、歯痛、発熱など、薬を必要としている症状
- 赤ちゃんの月齢、出生時の在胎週数、持病の有無
- 母親の持病、薬や解熱鎮痛薬によるアレルギー歴
- 現在使用している処方薬、市販薬、サプリメント
特に、市販薬を購入する場合は、薬剤師に「授乳中であること」と「赤ちゃんの月齢」を伝えてください。ロキソニンSシリーズでも、製品によって配合成分が異なる場合があるため、商品名だけでなくパッケージを確認することが重要です。
国立成育医療研究センターの「授乳中のお薬相談」では、出産後の人を対象に、授乳中の薬の使用に関する電話・オンライン相談を受け付けています。公表されている案内では、相談時間は20分、料金は2,200円(税込)です。予約制で、母子手帳やお薬手帳などを準備して相談する仕組みになっています。利用条件や予約枠は変更される可能性があるため、申し込み前に最新の案内を確認してください。
同センターは、授乳中に薬を使用することについて、母親の治療上の必要性と母乳栄養の利点の両方を考慮し、個別に判断することを勧めています。痛みを我慢し続けることが必ずしも望ましいわけではありません。必要な治療を受けながら、授乳をどう続けるか相談することが大切です。
【プロの結論】授乳中のロキソニンで押さえたい3つの判断基準
授乳中のロキソニンについて、判断を誤らないために押さえておきたいポイントは3つあります。
第一に、専門機関の薬剤評価と添付文書の注意事項を両方確認すること。国立成育医療研究センターの一覧にロキソプロフェンが掲載されていることは、授乳中の使用を検討するうえで重要な情報です。一方、医療用添付文書や市販薬の説明書に記載された注意事項も無視できません。それぞれの目的を理解し、医療者と判断することが大切です。
第二に、商品名だけで判断しないこと。通常のロキソニンSと、ジヒドロコデインを含むロキソニン総合かぜ薬では、授乳中の扱いが異なります。「ロキソニンを飲んだ」という情報だけでは、適切な対応を決められない場合があります。
第三に、服用後の授乳再開を自己流で決めないこと。通常のロキソニンSについて、一律の待機時間が公式に定められているわけではありません。服用量や赤ちゃんの状態によって確認すべきことが異なるため、医師や薬剤師に具体的な状況を伝えて判断を仰ぎましょう。
【授乳中ロキソニン】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:授乳中にロキソニンを1回飲んでしまったら、赤ちゃんに影響しますか? A1:1回服用しただけで重大な影響が生じたと決まるわけではありません。まず製品名、服用量、服用時刻を確認し、医師または薬剤師に相談してください。赤ちゃんが新生児、早産児、持病のある乳児の場合は、特に慎重な確認が必要です。
Q2:ロキソニンを飲んでから何時間あければ授乳できますか? A2:通常のロキソニンSについて、必ず何時間あけるという一律の公式基準は示されていません。ロキソニン総合かぜ薬は別で、メーカーは誤って服用した場合、24時間以上経過してから授乳を再開し、再開時には搾乳して廃棄するよう案内しています。製品を混同せず、個別に確認してください。
Q3:授乳中はロキソニンSよりカロナールを選んだほうがよいですか? A3:カロナールの有効成分であるアセトアミノフェンは、授乳中に使用できると考えられる薬の一覧に掲載されています。ただし、痛みの原因や母親の持病、ほかの薬との併用によって適切な選択肢は異なります。自己判断で切り替えるのではなく、医師や薬剤師に相談しましょう。
Q4:ロキソニンを飲んだ後は、搾乳して母乳を捨てる必要がありますか? A4:通常のロキソニンSについて、服用したら必ず搾乳して廃棄するという一律の指示はありません。服用した製品と量を確認し、授乳の中断や搾乳が必要かどうかを医療者に相談してください。ロキソニン総合かぜ薬など、製品固有の指示がある場合はそれに従います。
Q5:授乳中に頭痛が続く場合、痛み止めを飲み続けてもよいですか? A5:痛みが続く場合は、薬を追加し続けるのではなく、原因を確認することが重要です。市販のロキソニンSは、3~5日間服用しても症状が繰り返される場合、服用を中止して医療機関を受診するよう案内されています。突然の激しい頭痛や、発熱・意識の異常などを伴う場合は、早急に医療機関で評価を受けてください。
まとめ:授乳中のロキソニンは製品と状況を確認して判断する
2026年10月時点で確認できる公的資料では、ロキソニンの有効成分であるロキソプロフェンは、国立成育医療研究センターの「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」の一覧に掲載されています。ただし、医療用添付文書は授乳の継続・中止を検討するよう記載しており、市販のロキソニンSも服用前の相談を求めています。
授乳中に痛み止めが必要になったときは、母乳への移行だけでなく、薬の種類、服用量、赤ちゃんの月齢、母親の健康状態を総合的に考えることが大切です。すでに服用してしまった場合も、慌てて自己判断で授乳を中断するのではなく、製品名と服用量を確認して相談しましょう。
授乳を続けることと、必要な痛みの治療を受けることは、必ずしも二者択一ではありません。医師や薬剤師と情報を共有し、母親と赤ちゃんの双方にとって適切な方法を選ぶことが、安心して授乳を続けるための基本です。
主な参照資料
- 国立成育医療研究センター「授乳と薬について知りたい方へ」「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」:母乳への薬の移行、授乳中の薬剤評価、ロキソプロフェン・アセトアミノフェン・イブプロフェンの掲載状況。
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ロキソニン錠60mg/ロキソニン細粒10% 添付文書」:授乳婦への注意事項と動物実験での乳汁移行。
- 第一三共ヘルスケア「ロキソニンS 使用上の注意」「ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズのFAQ」「ロキソニン総合かぜ薬のFAQ」:市販薬の服用前相談と、総合かぜ薬を誤って服用した場合の授乳再開に関する案内。
- 米国国立医学図書館 LactMed「Ibuprofen」:授乳中のイブプロフェンの母乳移行と評価。 (出典: 授乳 中 ロキソニン(Yahoo!ニュース))