尾根幹線道路は2029年度に全線4車線化?2026年最新工事状況を徹底解説
東京都多摩地域の東西を結ぶ「尾根幹線道路(南多摩尾根幹線)」で、全線4車線化に向けた工事が進んでいます。東京都建設局が2026年9月に更新した整備情報や、同年10月1日現在の工事一覧によると、稲城多摩トンネル(仮称)、竪谷戸大橋、鶴牧地区などで道路整備が続いています。全線4車線化と歩行者・自転車の通行分離について、東京都が掲げている目標は2029年度です。
ただし、2029年度の目標は、具体的な開通日が確定したという意味ではありません。トンネルや橋梁などの構造物に加え、道路本体や周辺設備の整備も必要です。この記事では、南多摩尾根幹線の約16.5kmのルート、2026年秋の工事区間、渋滞緩和が期待される理由、歩行者・自転車の安全対策、沿道のまちづくりまで、東京都と多摩市の公表資料をもとに整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 全線4車線化の目標:東京都が掲げる整備目標は2029年度。具体的な開通日は公表資料から確定できません。
- ルートと工事状況:全長約16.5kmのうち、東側約4.0km・西側約5.5kmの区間を中心に、トンネル、橋梁、擁壁、道路本体の工事が進行しています。
- 道路整備の効果:渋滞の緩和や広域交通の円滑化に加え、歩行者と自転車の通行分離、防災性の向上、多摩ニュータウンの再生も目的です。
【2026年最新】尾根幹線道路はいつ全線4車線になる?2029年度の目標を整理
南多摩尾根幹線の全線4車線化は、2029年度(2029年4月~2030年3月)が整備目標です。道路整備と並行して、自転車と歩行者の通行を構造的に分離する計画も進められています。
この目標は、東京都建設局が公表している整備方針や、東京都の都市整備関連資料に示されています。多摩市のまちづくり関連資料でも、2029年度の全線4車線化と歩行者・自転車の通行分離が計画として取り上げられています。
一方、2026年秋時点で確認できる東京都の最新工事情報には、2027年、2029年、2030年までの工期が設定された工事が含まれています。特に稲城多摩トンネル(仮称)の工事は2030年2月までの契約期間となっており、トンネル完成後にも設備工事、舗装工事、前後区間の道路築造が必要とされています。
つまり、2029年度は全線整備を目指す年度であり、特定の日付に一斉開通することまで確定したわけではありません。今後はトンネルの掘削状況、橋梁の完成、道路本体の整備、交通切り替えなどが、目標達成を判断するうえで重要になります。
なお、以前のまちづくり資料には、2025年度に多摩市区間を4車線化する予定も記載されていました。しかし、2026年秋の東京都の工事一覧では鶴牧地区などの工事が継続しています。過去の予定年度だけで、対象区間全体の供用状況を判断しないことが大切です。

【ルート地図】南多摩尾根幹線はどこを通る?約16.5kmの全体像
南多摩尾根幹線は、多摩ニュータウンを東西に横断する都市計画道路です。東京都建設局によると、路線の延長は約16.5km。調布市の多摩川原橋付近から稲城市、多摩市、八王子市を経由し、町田市の町田街道方面につながる広域幹線道路として位置付けられています。
路線の役割は、近隣住民の日常的な移動だけではありません。多摩地域の主要道路を連結し、東京都内や神奈川県方面への移動を支える道路ネットワークの一部でもあります。調布保谷線などを経由した広域交通との連携も想定されており、地域間のアクセス改善や災害時の輸送路確保も整備目的に含まれます。
全線4車線化の中心となる事業区間は、大きく東西の2区間に分けられます。東京都の公表資料では、東側が稲城市百村から多摩市聖ヶ丘五丁目までの約4.0km、西側が多摩市聖ヶ丘五丁目から同市南野三丁目までの約5.5kmです。両区間を合わせると約9.5kmになります。
道路の位置関係を把握するときは、稲城市側のトンネル・橋梁工事と、多摩市側の鶴牧・南野地区などの道路整備を分けて見ると理解しやすくなります。路線全体が一つの工事現場になっているわけではなく、構造物の建設や既存道路の改修など、複数の工事が並行して進んでいるためです。
また、全線が未整備というわけでもありません。東京都の整備効果資料によると、多摩市の唐木田区間では約850mが2019年4月に4車線で交通開放されています。すでに供用されている区間と、今回の4車線化事業で整備を進める区間を区別して見ることが、現在の進捗を正確に理解するポイントです。
【工事区間一覧】2026年秋の尾根幹線道路はどこまで進んでいる?
東京都建設局の南多摩東部建設事務所が公表した工事一覧は、2026年10月1日現在の状況を示しています。そこでは、東側区間の竪谷戸大橋や稲城多摩トンネル、西側区間の南野・鶴牧地区などで、工事が継続していることが確認できます。
主な工事の内容と工期を整理すると、次のとおりです。
| 区間・工事 | 主な整備内容 | 公表されている工期 |
|---|---|---|
| 東側・竪谷戸大橋 | 橋梁下部工、躯体工、仮設工 | 2023年12月11日~2027年2月26日 |
| 東側・稲城多摩トンネル(仮称) | トンネルおよび擁壁の築造、仮設工 | 2024年10月7日~2030年2月15日 |
| 東側・トンネル周辺の擁壁 | 稲城多摩トンネル周辺の擁壁築造、仮設工 | 2025年10月10日~2029年2月9日 |
| 西側・南野地区 | 橋梁上部の仕上げ、擁壁設置、場所打杭工 | 2025年3月4日~2027年2月26日 |
| 西側・鶴牧地区 | 道路改修に伴う仮設工、擁壁工、土工 | 2026年3月6日~2029年1月19日 |
※工期は東京都建設局の2026年10月1日現在の工事一覧に記載された期間です。契約上の工期は、道路の供用開始日と必ずしも一致しません。
表から読み取れるのは、4車線化に向けて舗装だけを進めているのではなく、時間のかかる構造物を先行して整備しているという点です。橋梁の基礎や擁壁、トンネル周辺の構造物は、道路の形が見える前から必要になる工事です。
東京都議会の2026年予算特別委員会でも、建設局長は、施工に時間を要するトンネルや橋梁などから先行して工事を進めていると説明しました。JR武蔵野貨物線との交差部では竪谷戸大橋の下部工事が進み、稲城多摩トンネルの坑口付近や、鎌倉街道と交差する仮称南野陸橋の前後では擁壁工事が行われています。
さらに、多摩市南野三丁目から唐木田二丁目までの約1.5kmでは、街路築造工事を進める方針が示されています。トンネルや橋梁だけでなく、一般の道路部分も整備しなければ連続した4車線道路にはならないため、複数の工事が連動して進むことになります。
【稲城多摩トンネル・竪谷戸大橋】工事状況と交通規制の注意点
2026年秋の尾根幹線道路で特に注目したいのが、稲城多摩トンネル(仮称)と竪谷戸大橋です。どちらも東側区間の整備に関わる主要な構造物であり、完成に向けた工程を追ううえで重要な場所です。
稲城多摩トンネルは、工事が2030年2月まで続く予定です。東京都が2026年8月に稲城市と多摩市で開催したトンネル工事説明会では、掘削に伴う騒音・振動、掘削土砂の運搬、周辺環境への影響などについて説明が行われました。
東京都の説明資料によると、工事では低騒音型の建設機械を使用し、トンネル掘削に先立って坑口に防音ハウスを設置する計画です。また、上下線の掘削開始後には、掘削土砂を運搬するダンプトラックが最大で約110台/日になると想定されています。これは掘削開始後の想定台数であり、毎日その台数が走行しているという意味ではありません。
周辺の湿地環境については、計画道路が湿地から離れた土地の地下をトンネルで通過することや、地下水の流入を抑えるウォータータイト構造を採用することが説明されています。工事中の環境対策と、トンネル完成後の周辺環境への影響を抑える設計の両方が論点になっています。
一方、竪谷戸大橋交差点では、2026年9月9日から交通規制が実施されています。東京都の案内によると、同日未明の集中豪雨で交差点脇の擁壁と法面の土砂が一部崩落し、追加崩落の危険を避けるため、警察と協議のうえ、南多摩尾根幹線の上り線にある稲城駅方面への右折車線が終日通行止めとなりました。
規制中も直進と左折は通行できますが、右折は禁止されています。東京都の案内では、規制は復旧完了までの当面の措置とされ、終了日は示されていません。長峰方面から稲城駅方面へ向かう場合は、稲城福祉センター入口交差点などを利用した迂回路が案内されています。大型車は指定された迂回方法に制限があるため、現地の案内標識と最新の交通情報を確認してください。
この交通規制は、4車線化の完成に伴う規制ではなく、豪雨による崩落を受けた安全確保のための措置です。工事そのものの進捗と、災害や安全対策による一時的な交通変更は分けて理解する必要があります。
【なぜ渋滞が緩和する?】4車線化と歩行者・自転車の通行分離
尾根幹線道路で慢性的な渋滞が発生してきた理由の一つは、道路の一部に暫定2車線区間が残り、前後の4車線区間との間で交通容量に差が生じていることです。車線数が減る場所では車両が集中し、交差点付近で列が延びたり、通過に時間がかかったりする原因になります。
全線4車線化によって期待されるのは、こうしたボトルネックの解消です。車線数の変化による交通の滞留を抑え、交差点や隣接区間での流れを改善することで、道路全体の円滑性を高める狙いがあります。ただし、実際の渋滞は交通量、信号制御、交差点の形状、周辺道路との接続状況などにも左右されます。4車線化だけで、あらゆる時間帯の渋滞がなくなるわけではありません。
すでに4車線化の効果が公表されている例が、2019年4月に交通開放された唐木田区間です。東京都の整備効果資料では、整備前に発生していた区間境界の渋滞が改善し、交差点の最大滞留長は調査した全地点で減少したと報告されています。混雑を避ける車両が流入していた生活道路の唐木田通りでも、交通量の減少が確認されました。
同資料の渋滞状況に関する回答では、「大きく減少した」が8件、「どちらかといえば減少した」が13件で、渋滞が増大したという回答はありませんでした。これは当該区間の整備効果を示す資料であり、路線全体で同じ効果や数値が得られることを保証するものではありません。それでも、車線数の不足によるボトルネックを解消することが、交通の円滑化につながる具体例といえます。
もう一つの柱が、歩行者と自転車の通行分離です。東京都の事業概要では、自転車歩行者道を拡幅し、両者の通行を構造的に分離する方針が示されています。歩行者と自転車が同じ空間を共有する場合、速度差や進行方向の違いが接触リスクにつながることがあります。通行空間を分けることで、双方の安全性と快適性を高めることが期待されます。
この整備は、自動車の移動時間だけを短縮する計画ではありません。徒歩や自転車で沿道を移動する人にとっても、安心して通行できる空間を整えることが重要です。実際の完成形を確認する際には、車道の車線数だけでなく、歩道・自転車通行空間の幅や分離方法、交差点での接続にも目を向ける必要があります。

【多摩ニュータウン再生】尾根幹線の沿道土地利用はどう変わる?
南多摩尾根幹線の整備は、道路の交通機能を改善するだけでなく、沿道の土地利用や地域の将来像にも関係しています。多摩市は2023年1月に「南多摩尾根幹線沿道土地利用方針」を策定し、全線4車線化や公的賃貸住宅の再生を契機に、2040年代を見据えた多摩ニュータウンの再生を目指しています。
多摩市の方針では、尾根幹線の広域的なアクセス機能を生かし、産業・業務・商業機能などを誘導する考え方が示されています。道路の整備によって地域間の移動が円滑になれば、企業活動や物流、買い物、雇用の面でも沿道の利便性が変化する可能性があります。
また、橋本駅周辺でのリニア中央新幹線を契機としたまちづくり、南大沢エリアでのイノベーション、町田方面で検討されている多摩都市モノレールの延伸など、周辺地域の動きとの連携も視野に入っています。ただし、これらは広域的なまちづくりの方向性であり、尾根幹線の完成と同時にすべての開発や交通計画が実現するという意味ではありません。
土地利用方針に関連して、多摩市は2025年3月改定の都市計画マスタープランで、南多摩尾根幹線を駅拠点と並ぶ「南多摩尾根幹線軸」と位置付けています。諏訪・永山エリアや貝取・豊ヶ丘エリアは「広域型複合地」とされ、産業・業務、商業機能などの誘導を通じたにぎわいと雇用の創出が目指されています。
事業計画そのものにも動きがあります。多摩市の公式発表によると、諏訪六丁目から南野三丁目までの都市計画道路事業について、東京都は国土交通省から事業計画変更の認可を受け、2026年2月17日に告示しました。変更認可は事業計画を更新する手続きであり、それだけで道路が開通したことを示すものではありません。
沿道のまちづくりは、道路が完成してから初めて始まるのではなく、交通基盤の整備と並行して進められています。今後は道路の供用状況に加え、沿道の土地利用転換、企業や商業機能の誘導、住宅地との共存が、地域にどのような変化をもたらすかが注目されます。
【尾根幹線道路】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:尾根幹線道路はいつ全線4車線になりますか?
A1:東京都が掲げる全線4車線化の目標は2029年度です。ただし、2026年10月時点で具体的な開通日が確定したとは確認できません。トンネル、橋梁、道路本体の工事が続いているため、東京都建設局の最新発表で進捗を確認する必要があります。
Q2:南多摩尾根幹線の全長は何kmですか?
A2:東京都建設局によると、全長は約16.5kmです。調布市の多摩川原橋付近から稲城市、多摩市、八王子市を経由し、町田市の町田街道方面につながります。4車線化事業では、東側約4.0kmと西側約5.5kmの区間が主な整備対象です。
Q3:稲城多摩トンネルはいつ開通しますか?
A3:トンネル工事の公表工期は2030年2月15日までです。ただし、これは工事の契約上の期間であり、道路の開通日そのものではありません。東京都の説明資料では、トンネル本体の工事後にも設備、舗装、トンネル前後の道路築造が必要とされています。
Q4:竪谷戸大橋交差点では現在も右折できますか?
A4:東京都の2026年9月の案内では、稲城駅方面への右折車線が、同月9日の豪雨による擁壁・法面の一部崩落を受けて通行止めとなっています。直進と左折は通行可能ですが、右折は禁止されています。規制の終了日は公表資料に示されていないため、通行前に最新の現地案内を確認してください。
Q5:全線4車線化で渋滞はなくなりますか?
A5:暫定2車線区間のボトルネックが解消されることで、交通の円滑化が期待されます。唐木田区間では4車線化後に渋滞や交差点の滞留長、生活道路への交通流入が改善したと東京都が報告しています。ただし、交通量や信号、交差点の構造によって状況は異なり、路線全体の渋滞解消が保証されるわけではありません。
まとめ:尾根幹線道路の完成時期は工事の進捗と公式発表で見極める
尾根幹線道路(南多摩尾根幹線)は、全長約16.5kmの多摩地域の骨格となる道路です。2026年秋現在、稲城多摩トンネル、竪谷戸大橋、南野・鶴牧地区などで整備が進められており、東京都が掲げる全線4車線化と歩行者・自転車の通行分離の目標は2029年度です。
ただし、道路の完成時期を判断する際には、計画上の目標年度、個別工事の工期、実際の供用開始日を区別する必要があります。とりわけトンネルは、掘削だけでなく設備や舗装、前後の道路整備まで必要になるため、工事の進捗が開通時期を左右します。
4車線化による渋滞緩和や移動の円滑化に加え、自転車と歩行者の安全性向上、災害時の輸送機能、沿道の土地利用転換にも期待がかかります。今後の動向を追うなら、東京都建設局の南多摩尾根幹線整備ページ、南多摩東部建設事務所の工事一覧、トンネル工事説明資料、多摩市の都市計画・沿道土地利用方針を確認するのが確実です。
2029年度という目標だけを見て開通日を判断するのではなく、構造物の完成、道路本体の整備、交通規制の変更、正式な供用開始の発表を順に追うこと。それが、尾根幹線道路の最新状況を正しく把握するためのポイントです。 (出典: 尾根 幹線 道路(Yahoo!ニュース))