民法が定める親族の範囲と親等の数え方を分かりやすく徹底解説
日本国内で「親族」という言葉耳にする機会は、結婚、相続、あるいは慶弔の際など多岐にわたりますが、実際に「どこまでが法律上の親族にあたるのか」を正確に把握している方は意外と多くありません。日常生活においては「親戚」という言葉と混同されがちですが、法律(民法)における定義は非常に厳格に定められています。
本記事では、民法第725条が規定する親族の範囲である「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」について、それぞれの具体的な間柄や数え方を分かりやすく紐解いていきます。親戚との厳密な違いからトラブルを防ぐための法律上の知識まで、2026年最新の視点で徹底的に解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:法律上の親族とは、民法725条により「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」と明確に定義されています。
- 要点2:親族と親戚の主な違いは、親戚が日常的な血縁・婚姻関係を指す広い概念であるのに対し、親族は法律上の権利義務が及ぶ範囲を指す点にあります。
- 要点3:親等の数え方は世代を基準とし、自分から見て親は1親等、子は1親等、兄弟姉妹は2親等となります。
法律上の「親族とは」:民法第725条が定める定義と基本範囲
日常生活で何気なく使われている「親族」という言葉ですが、法律の世界ではその境界線が明確に決められています。日本の法制度において、親族の定義の根拠となっているのが民法第725条です。この条文では、親族の範囲について大きく分けて3つのグループが規定されています。
具体的には、「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」の3つです。これ以外の関係性、例えば事実婚のパートナーや内縁関係の相手などは、原則として民法上の親族には含まれない(ただし相続等では特別縁故者としての救済や遺言による指定などが考慮される場合がある)など、私たちが思っている感覚と法律の定義には微妙なズレが存在します。この法律上の線引きを知ることは、相続トラブルの防止や親族間の法的責任を理解する上で非常に重要です。

「親族」と「親戚」の違いとは?日常用語と法律用語の境界線
「親族」と「親戚(しんせき)」は、どちらも血縁や婚姻関係にある人びとを指す言葉として日常会話ではほぼ同義語として使われています。しかし、専門的な立場や法律の適用場面では、この2つには決定的な違いがあります。
「親戚」は、血縁関係や婚姻関係にある人たちの総称を指す、法律用語ではなく日常用語・一般的な言葉です。どこからどこまでを親戚とするかについての厳密な法律上の規定はなく、遠い親戚や何世代も前の先祖の系統まで、話す人の主観によって広く使われます。これに対して「親族」は前述の通り、民法によって範囲が厳密に限定された法律用語です。つまり、すべての親族は親戚に含まれますが、親戚であっても法律上の親族の範囲から外れるケース(例えば7親等の血族など)が存在する点が大きな違いといえます。
親等の数え方のルールと主な間柄の具体例
親族の範囲を正しく理解するために欠かせないのが「親等(しんとう)」という単位の数え方です。親等は、自分を起点として世代がいくつ離れているかを表すものであり、世代が下るごと、または上るごとに「1親等」ずつ数えていきます。
直系血族の場合、自分の親は1親等、祖父母は2親等、ひ孫は3親等となります。自分から見て子供は1親等、孫は2親等です。一方、傍系血族(兄弟姉妹や叔父・叔伯母など)の場合、数え方に少し注意が必要です。自分から一度共通の祖先(父母または祖父母)まで遡り、そこから目的の人物まで下って数えます。そのため、兄弟姉妹は「自分から父母(1親等)を経て兄弟姉妹へ下る」ため計2親等となり、いとこは「自分から祖父母(2親等)を経ていとこへ下る」ため計4親等となります。

【解説】親族の範囲と親等一覧早見表
親族の範囲や具体的な間柄、そして法律上の区分を一目で把握できるように表にまとめました。相続や法的手続きの際に役立ててください。
| 区分 | 対象となる親族の範囲 | 具体的な間柄の例 | 親等の数え方 |
|---|---|---|---|
| 配偶者 | 法律上の夫または妻 | 夫、妻 | 親等なし |
| 直系血族・主な傍系血族 | 6親等内の血族 | 父母・子(1親等)、祖父母・孫・兄弟姉妹(2親等)、伯父叔母・甥姪(3親等)、いとこ(4親等) | 縦の世代および共通祖先を基準に計算 |
| 姻族 | 3親等内の姻族 | 配偶者の父母(1親等)、配偶者の祖父母・兄弟姉妹(2親等)、配偶者の伯父叔母(3親等) | 配偶者の血族を基準に計算 |
上記の表からもわかる通り、血族の場合は「6親等内」という非常に広い範囲までが親族に含まれるのに対し、婚姻によって結ばれた姻族の場合は「3親等内」までに制限されています。例えば、配偶者の兄弟姉妹は2親等にあたるため法律上の親族ですが、配偶者のいとこは4親等となるため、厳密には民法上の親族には含まれません。
血族と姻族の決定的な違いと法的権利への影響
親族の範囲を語る上で欠かせないもう一つの重要な要素が、「血族(けつぞく)」と「姻族(いんぞく)」の違いです。この違いは、相続権や扶養義務、さらには婚姻の制限(近親婚の禁止)など、法的な権利と義務に深く関わってきます。
「血族」とは、文字通り血のつながりがある人(実血族)および法律上の親子関係が認められた養子(法定血族)を指します。これに対して「姻族」とは、自分の配偶者の血族、および自分の血族の配偶者を指します(例:妻から見た夫の母親、夫から見た妻の兄など)。ここで重要なのは、法律上の婚姻関係が終了(離婚)した場合、血族関係はそのまま残りますが、姻族関係は「姻族関係終了届」の提出などにより解消されるという点です。また、血族は原則として6親等内まで親族に含まれるのに対し、姻族は3親等内までと範囲が狭く設定されていることにも、法律上の合理的な理由(相続の複雑化を防ぐなど)が存在します。

【プロの結論】親族の範囲を正しく理解し、人生の節目に備える
ここまで、民法第725条に基づく親族の定義から、親戚との違い、親等の数え方、そして血族・姻族の具体的な範囲に至るまで詳しく解説してきました。親族の概念は、日々の生活では意識する機会が少ないかもしれませんが、いざ相続が発生した場合や、結婚による親族関係の構築、さらに親族間の扶養義務を考える際には不可欠な知識となります。
特に「6親等内の血族」や「3親等内の姻族」という境界線を知っておくことで、法的なトラブルを未然に防ぎ、誰が法的義務を負うのかを冷静に判断できるようになります。自身の家系図を頭に思い浮かべながら、正しい親等の数え方を把握し、人生のさまざまな節目に備えていきましょう。
【親族とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:事実婚(内縁関係)のパートナーは法律上の親族に含まれますか?
A1:いいえ、含まれません。民法上の親族は法律上の婚姻関係(婚姻届を出していること)を前提としているため、事実婚のパートナーやその連れ子は、原則として法的な親族の範囲外となります。
Q2:離婚をした場合、元配偶者の親族とはどのような関係になりますか?
A2:離婚が成立した時点で、配偶者との姻族関係は当然に終了します。そのため、元配偶者の親(義父母)や兄弟姉妹との間の姻族関係も消滅し、法律上の親族ではなくなります。
Q3:いとこ(従兄弟)は何親等で、親族に含まれますか?
A3:いとこは「4親等」の血族にあたります。民法上の血族は6親等内までが親族と定められているため、いとこはしっかりと法律上の親族に含まれます。 (出典: 親族 と は(Yahoo!ニュース))