クレヨンとクレパスの違いとは?材質・描き心地・年齢別の正しい使い分け方を徹底解説
幼い頃から誰もが一度は手にしたことのある描画材「クレヨン」と「クレパス」。どちらも絵を描くための身近な道具ですが、実際に何がどのように違うのか、その具体的な違いを説明できる大人は意外と少ないかもしれません。特に「サクラクレパス」という名称が広く浸透している日本では、両者の境界線が曖昧になりがちです。
本記事では、株式会社サクラクレパスの公式情報や画材に関する専門的な知見に基づき、材質の硬さや描き心地、手の汚れやすさ、そして年齢に応じた正しい使い分け方までを徹底的に比較・解説します。それぞれの特徴を正しく理解し、目的に合わせた最適な道具選びの参考にしてみてください。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1: クレヨンは硬めで線描きや面塗りに強く、クレパスは柔らかく伸びが良いサクラクレパスの登録商標である。
- 要点2: クレパスは「クレヨン」と「パステル」の長所を組み合わせて作られており、混色や重ね塗りが得意である。
- 要点3: 年齢や発達段階に応じて使い分けることで、子どもの表現力を引き出しながら快適に楽しくお絵描きができる。
クレヨンとクレパスの基本的な定義とそれぞれの生い立ち
描画材としての歴史や構造を見ていくと、クレヨンとクレパスには明確な違いが存在します。コトノハ辞典などの解説にもあるように、どちらも色彩表現の入り口として親しまれ、子どもの創造力を育む道具としては共通していますが、その成り立ちや設計思想は大きく異なります。
「クレヨン」は、顔料を体質顔料やワックス(ロウ)などの固形化成分で固めて作られたものです。歴史的にも古くから存在し、比較的硬めの質感を持っています。一方、「クレパス」は、サクラクレパスが1925年に開発・発売した独自の画材であり、同社の登録商標(第504620号ほか)です。クレヨンとパステルのそれぞれの長所を取り入れるという発想から生まれたため、「クレヨン」+「パステル」=「クレパス」という名前が付けられました。
つまり、世間一般で「クレパス」と呼ばれるものの多くはサクラクレパス製品を指していますが、広義には「オイルパステル」と呼ばれるジャンルに属します。このネーミングの背景を知るだけでも、両者の性質の違いを読み解く大きな手がかりとなります。
【徹底比較】材質の硬さ・描き心地・手の汚れやすさの違い
サクラクレパスの公式情報や写真資料によると、両者の最大の違いは「硬さ」と「成分配合」にあります。この違いが、そのまま描き心地や仕上がりの表現力、そして手の汚れやすさに直結しています。
クレヨンはワックスの比率が高いため芯が硬く、紙に描いたときのタッチがシャープで、手につきにくいという特徴があります。余計な力が加わりにくいため、細い線を描くことや、きっちりとした輪郭を塗る作業に向いています。その反面、重ね塗りをすると下の色が削れてしまったり、色が重なりにくかったりする側面があります。
これに対してクレパスは、ワックスに加えて体質顔料やオイル(油脂)が絶妙なバランスで配合されているため、非常に柔らかい質感を持っています。軽い力でも滑らかに描くことができ、面をベタ塗りする表現や、指やティッシュでこすってグラデーションを作る「混色・重色」の技法が非常に得意です。ただし、柔らかいゆえに手のひらや指に色がつきやすいというデメリットもあります。
| 比較項目 | クレヨン | クレパス(オイルパステル) |
|---|---|---|
| 主な成分 | 顔料、ワックス(ロウ) | 顔料、ワックス、オイル(油脂)、体質顔料 |
| 材質の硬さ | 硬め(しっかりとした質感) | 柔らかい(しっとりとした質感) |
| 得意な表現 | シャープな線描き、細かい部分の描写 | 滑らかな面塗り、混色、重ね塗り、グラデーション |
| 手の汚れやすさ | 比較的汚れにくい | 柔らかいため手や服につきやすい |
| 開発元・商標 | 一般名称(各国で製造) | 株式会社サクラクレパスの登録商標 |
年齢別に見るクレヨンとクレパスの正しい使い分け方
子どもの発達段階や年齢に合わせて画材を選ぶことは、描く楽しさを育む上で非常に重要です。年齢に応じた使い分けの具体例をチェックしておきましょう。
3歳くらいまでの小さな子どもの場合、まだ筆圧が安定しておらず、画材を強く握りしめてしまう傾向があります。この時期には、折れにくく、手が汚れにくい「硬めのクレヨン」が適しています。しっかりとした手応えがあるため、握る力のトレーニングにもなり、紙を突き破ってしまう心配も少なくなります。
年中から年長さん、そして小学生以上になると、手先のコントロールが上手になり、自分のイメージした色を表現したいという欲求が高まります。この段階では、表現の幅がグッと広がる「クレパス」を取り入れるのがおすすめです。色の重ね合わせや混色、スクラッチ技法など、アートとしての楽しさを存分に味わうことができます。

現代におけるクレヨンとクレパスの進化と選び方のコツ
近年では、文具メーカー各社の技術革新により、従来のデメリットを克服した画材が多く登場しています。例えば、クレパスの「柔らかくて手が汚れる」という点を解消するために、軸をプラスチックで包み込んで手が汚れにくくしたタイプや、水に溶ける水溶性のものなどが展開されています。
選ぶ際の判断基準としては、「カレンダーへの書き込みや細かい塗り絵、幼児のはじめてのお絵描きなら汚れにくく折れにくいクレヨン」「ダイナミックな表現や色彩の混色、表現力を伸ばしたいならクレパス」というように、用途や使用環境に合わせて柔軟にチョイスするのが失敗しないコツです。
【クレパスクレヨン違い】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:クレパスはサクラクレパス以外のメーカーでも作られていますか?
A1:いいえ。「クレパス」は株式会社サクラクレパスの登録商標であるため、他社製品の同等品は一般的に「オイルパステル」と呼ばれます。
Q2:クレヨンで描いた絵の上からクレパスを塗ることはできますか?
A2:クレヨンのほうが硬くワックス成分が多いため、柔らかいクレパスをその上から重ねることは可能ですが、クレパスの上にクレヨンを塗るのは色が乗りにくい場合があります。
Q3:子どもが誤って口に入れてしまった場合、安全性は大丈夫ですか?
A3:国内の主要メーカー(サクラクレパスなど)が製造している学童用のクレヨンやクレパスは、厳しい安全基準(APマークやCEマーク、国内の安全規格など)をクリアしており、万が一微量を口にしてしまっても無害な素材で作られています。

まとめ:それぞれの特徴を活かして創作の幅を広げよう
クレヨンとクレパスは、一見すると似たような棒状の描画材ですが、その材質の硬さやオイルの配合量、そして得意とする表現方法には明確な違いがありました。硬くてシャープな描写が得意なクレヨンと、柔らかくて豊かな混色や重色を楽しめるクレパス。それぞれの特性を正しく理解し、年齢や描きたい目的に応じて適切に使い分けることで、子どもから大人まで自由で楽しい色彩表現の世界がさらに広がっていきます。 (出典: クレパス クレヨン 違い(Yahoo!ニュース))