東京・渋谷の青山通りにあった「こどもの城」の歴史と閉館、都有地買収から再開発計画までの全貌
東京・渋谷の青山通り(国道246号)沿いにかつて存在し、多くの子供たちや家族連れでにぎわった国立総合児童センター「こどもの城」。1985年の開館以来、児童の健全な育成を図る総合施設として親しまれてきましたが、2015年に惜しまれつつ閉館しました。その後、都有地としての買収や再開発計画を巡り、数々の議論と方針転換を経て現在に至っています。
本記事では、こどもの城が果たしてきた歴史的役割から閉館に至った経緯、東京都による525億円での都有地買収、そして「都民の城(仮称)」を見据えた再開発計画の最新動向まで、信頼できる公的データを基に徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:こどもの城は1985年に厚生省(現・厚生労働省)が整備し、日本児童手当協会が運営を開始した国内最大級の国立総合児童センター。
- 要点2:施設老朽化や運営見直しなどを理由に2015年3月末で惜しまれつつ閉館し、長らく跡地利用の行方が注目を集めていた。
- 要点3:東京都が2019年に約525億円で国から敷地を買収し、隣接する国連大学用地も含めた約4.5ヘクタールの一体的再開発・「都民の城(仮称)」整備を推進中。
国立総合児童センター「こどもの城」の誕生と歴史的役割
こどもの城は、児童の健全な育成を目的として計画され、1985年(昭和60年)11月1日に東京・渋谷の青山通り沿いに開館しました。整備を担当したのは当時の厚生省(現・厚生労働省)であり、経営や児童手当制度の充実・発展に協力する財団法人日本児童手当協会(現・公益財団法人児童育成協会)がその運営を担いました。
館内には、演劇や音楽公演が行われる「青山劇場」や実験的な舞台芸術を発信する「青山円形劇場」をはじめ、音楽スタジオ、造形スタジオ、大型遊具を備えたプレイホールなどが完備されていました。単なる遊戯施設にとどまらず、総合的な文化・芸術体験や創作活動を通じて子供たちの創造性を育む拠点として、首都圏のみならず全国から多くの来館者を集めました。

閉館に至った経緯と背景:求められた役割の変化
多くの人々に愛されたこどもの城でしたが、開館から30年近くが経過する中で施設の老朽化が進行しました。さらに、少子化の進展や財政状況の変化、国および地方自治体の行政改革の流れを受け、国家事業としての直営・直轄運営を見直す時期を迎えることになります。
施設の維持・改修にかかる莫大なコストや、民間活力の活用方針などが議論される中、関係機関との協議を経て、2015年(平成27年)3月末をもって惜しまれながら閉館することが決定されました。閉館が発表された当時、長年親しんできた利用者や文化芸術関係者からは惜しむ声が数多く上がり、跡地の活用方法について大きな社会的関心が寄せられることとなりました。
東京都による都有地買収と再開発計画の軌跡
閉館後の敷地を巡っては、都有地としての活用に向けた議論が本格化しました。2019年(平成31年)2月、東京都は地元の渋谷区や都議会の意見を踏まえ、施設内の青山劇場や青山円形劇場を改修するなどの方針を明らかにしました。
同年9月10日付で、東京都は国と進めていた売買交渉に基づき、「こどもの城」の敷地等を525億円で買い取る契約を締結しました。当初予算では購入費等として609億円が計上されていましたが、不動産鑑定を踏まえた適正価格への見直しが行われた経緯があります。その後、改修後の複合施設「都民の城(仮称)」の館長に尾木直樹氏の就任が発表され、同年11月22日には都民の城としての改修基本計画の中間概要が公表されました。

【ファクト検証】こどもの城・都有地買収の主な経緯と開発の歩み
| 時期・年月 | 出来事・プロセス | 詳細・公式発表の概要 |
|---|---|---|
| 1985年11月1日 | こどもの城 開館 | 厚生省が整備し、日本児童手当協会が運営を開始。青山劇場・円形劇場等を擁する国立総合児童センターとして発足。 |
| 2015年3月末 | 施設閉館 | 施設の老朽化や運営方針の転換に伴い、約30年の歴史に幕を下ろし営業を終了。 |
| 2019年2月~11月 | 東京都による買収と方針発表 | 都が国から約525億円で用地を取得。青山劇場等の改修や「都民の城(仮称)」の基本計画中間概要を発表。 |
| 2029年以降の展開 | 一体的再開発の構想 | 隣接する国連大学用地も含め、周囲の都有地を含めた約4.5ヘクタール規模の敷地の一体的整備を視野に検討を進行。 |
隣接地区を含めた約4.5ヘクタールの一体的再開発と今後の展望
東京都の基本的な活用方針では、「子供のための機能」を施設の核に据えることが重視されています。具体的には、プレイホールの活用、青山劇場を改修した多目的ホールの設置に加え、高齢者や障害者も利用できるスポーツ施設、女性の起業支援施設などを組み合わせた複合的な拠点が検討されてきました。
さらに、単体のビル改修にとどまらず、2029年以降の計画を見据えて隣接する国連大学の用地も含め、周囲の都有地を含めた約4.5ヘクタールの用地を一体的に整備する壮大な構想が描かれています。改修費には数十億円規模が見込まれており、国際都市・東京の次世代に向けた新たな文化・福祉・教育の拠点として、その動向に大きな期待が寄せられています。

【こどもの城】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:こどもの城は現在どうなっていますか?
A1:2015年3月に閉館した後、東京都が国から敷地を買収し、「都民の城(仮称)」としての改修および周辺エリアを含めた再開発計画が進められています。
Q2:かつての青山劇場や青山円形劇場はどうなるのでしょうか?
A2:東京都の方針として、劇場の改修による多目的ホールの活用や、子供向け機能、スポーツ・起業支援施設などを備えた複合施設としての整備が検討されています。
Q3:今後の再開発はいつ頃を目標に進められていますか?
A3:隣接する国連大学用地なども含めた約4.5ヘクタールの用地の一体的整備を見据え、2029年以降の計画に向けて段階的な検討と準備が進められています。
まとめ:次世代の東京を支える拠点としての「都民の城」へ
東京・渋谷の青山通りという一等地で多くの人々に愛された「こどもの城」は、老朽化と時代の変化に伴い2015年に役割を終えました。しかし、その跡地および周辺エリアは、東京都による525億円での買収を経て、単なる建物の建て替えにとどまらない大規模な一体的再開発へと生まれ変わろうとしています。
子供のための機能はもちろん、福祉、スポーツ、起業支援といった多様な要素を融合させた「都民の城(仮称)」の実現に向け、2029年以降を見据えたプロジェクトの進展は、今後の東京の都市づくりにおいて極めて重要な意味を持っています。かつての思い出を引き継ぎつつ、未来へ向けた新たなランドマークとしてどのように変貌を遂げるのか、引き続き高い注目が集まっています。 (出典: こども の 城(Yahoo!ニュース))