看護実習や記録で悩む看護学生必見!看護関連図の書き方から病態・全体関連図の違いとコツ
看護実習において多くの学生や新人看護師が頭を悩ませるのが、患者の全体像や病態を視覚的に整理する「看護関連図書き方」です。実習記録のたびに「矢印のつながりが分からない」「個別性をどう出せばいいのか迷う」といった壁にぶつかる方は少なくありません。
本記事では、看護関連図の基本的な書き方から、病態関連図と全体関連図の明確な違い、正しい矢印のルール、そして患者の個別性を際立たせるための実践的なコツまで、現場の視点を交えながら分かりやすく徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:関連図は「病態」「患者の状態」「心理社会面」の3段階で順番に整理するとスムーズに書ける。
- 要点2:病態関連図と全体関連図の違いを理解し、対象者に合わせた情報収集を行うことが大前提。
- 要点3:「原因と結果」を結ぶ矢印のルールや、個別性を出すアセスメントのコツを掴めば実習記録が劇的にラクになる。
看護関連図とは?その目的と基本の全体像を徹底解説
看護実習や臨床の現場で避けて通れない「関連図」とは、患者さまから得られた膨大な情報と情報のつながりを視覚的に示した図のことです。関連図を書く最大の目的は、患者の身体的・心理的・社会的な全体像を可視化し、病態や置かれている状況を整理することにあります。頭の中だけで情報を整理しようとすると、症状同士のつながりや看護問題の根拠を見失いがちですが、紙やデジタル上で線で結んでいくことで、患者への理解が飛躍的に深まります。
公式のガイドラインや臨床の指導でも、関連図は単なる「お絵描き」や提出物のための作業ではなく、看護過程におけるアセスメントを深めるための強力なツールと位置づけられています。情報収集で得たデータ(主観的データ・客観的データ)をただ並べるだけでなく、それらが互いにどのように影響し合っているかを論理的に結びつけることで、真に必要な看護問題や個別性のあるケアが見えてくるのです。

病態関連図と全体関連図の違いとそれぞれの役割
看護の関連図には、主に「病態関連図」と「全体関連図」の2種類が存在します。それぞれの役割と違いを正しく理解しておくことが、スムーズに書き進めるための最初のステップとなります。
病態関連図は、医師の診断名や疾患をもとに、病態生理や症状、治療に伴う反応の因果関係を整理する図です。例えば、「肺炎」であれば、原因菌による肺の炎症からガス交換障害が起き、低酸素血症や呼吸困難が生じるというメカニズムを矢印でつなぎます。一方の全体関連図は、病態だけでなく、患者の日常生活動作(ADL)、心理・社会的背景、家族環境、経済状況、既往歴なども含めた「その人全体」の生活や健康状態のつながりを示します。
| 関連図の種類 | 主な目的・対象 | 整理する内容の例 |
|---|---|---|
| 病態関連図 | 疾患や症状のメカニズムの理解 | 病態生理、主症状、検査データ、医療処置・治療の影響 |
| 全体関連図 | 患者の全体像(個別性)の把握 | ADL、心理面、社会的背景、家族環境、生活習慣 |
実習では、これら二つの視点を統合または行き来しながら、患者の全体像を立体的に捉えていくことが求められます。病態の理解が浅いまま全体関連図を書こうとすると、医学的な根拠が不明瞭になってしまうため、まずは病態から固めていくのが王道です。
看護関連図の書き方簡単9ステップと実践手順
いざ関連図を書こうとしても、何から書き始めればいいか途方に暮れる人は多いものです。ここでは、初心者でも迷わずに進められる「簡単9ステップ」の手順を解説します。
基本的なアプローチとして、信頼される参考書や患者のカルテ、日々の観察記録を手元に置きながら、以下の順番で情報を構築していきます。
ステップ1:徹底的な情報収集を行う
患者のカルテ、バイタルサイン、毎日の観察、カンファレンスなどを通じて、客観的・主観的データを集めます。
ステップ2:異常値や気になる情報をピックアップする
基準値から外れた検査データや、患者が訴える症状、表情や行動の変化をリストアップします。
ステップ3:医療診断と主な病態(疾患)を中央に配置する
まずは病態関連図の核となる疾患名や主要な医学的診断を大きく記載します。
ステップ4:病態や症状、原因を矢印で結んでいく
鳩ぽっぽの関連図ブログなどの解説でも推奨されている通り、まずは①病態・症状、②患者の状態、③心理社会面の手順で、医学的な因果関係を組み立てます。
ステップ5:日常生活(ADL)やセルフケアの状態を書き込む
食事、排泄、睡眠、移動など、患者の実際の生活動作や不自由さを追加します。
ステップ6:心理・社会的側面(背景)を統合する
不安やストレス、家族構成、退院に対する思いなどを結びつけます。
ステップ7:看護問題を導き出す
関連図全体のつながりの中から、患者が現在抱えている最大の健康課題やリスク(看護問題)を明確にします。
ステップ8:矢印の方向と論理的妥当性をチェックする
「原因から結果」へ正しく矢印が向いているか、飛躍した結びつきがないかを確認します。
ステップ9:全体を見直し、個別性が表現されているか確認する
他の患者にも当てはまる一般論だけでなく、その人固有の背景や反応が反映されているかを総点検します。

矢印のルールと記号の使い方:論理的なつながりを作るコツ
関連図のクオリティを大きく左右するのが「矢印のルールと記号の使い方」です。関連図がごちゃごちゃして見にくくなってしまう原因の多くは、矢印の向きや使い方のルールが曖昧になっていることにあります。
基本原則として、矢印は必ず「原因から結果(A→B:Aが原因でBが起きる)」に向かって引きます。逆向きに引いたり、両方向の矢印を多用したりすると、因果関係が論理的でなくなってしまいます。また、因果関係が直接的ではない場合は、点線を使ったり、間に媒介する要因(中継地点)を挟んだりすることで、図の説得力が劇的に高まります。
記号や色分け(例:病態は青、心理面は緑、看護問題は赤など)をルール化して活用すると、指導者や教員にとっても一目で全体像が伝わりやすい、完成度の高い記録に仕上がります。
患者の「個別性」を関連図にしっかりと出すためのアプローチ
多くの看護学生が「参考書のコピーのようになってしまい、個別性が出せない」という壁に直面します。疾患名や教科書的な病態のつながりだけを書いた関連図は、誰にでも当てはまる「一般論」にすぎません。
個別性を出すためには、患者個人の「価値観」「過去の生活歴」「家族関係」「その人なりの対処行動(コーピング)」に目を向けることが不可欠です。例えば、同じ「心不全」の診断であっても、「一人暮らしで自宅での塩分制限を自分で管理しなければならない不安がある患者」と「家族のサポートが手厚く、趣味の園芸を生きがいにしている患者」では、心理・社会的なつながりや看護問題が全く異なります。
患者が日々の発言や表情、家族との面会時の様子で見せた「その人らしいエピソード」を関連図の端々に丁寧に盛り込むことで、教科書通りのテンプレートから脱却し、真に患者に寄り添ったオリジナルの関連図が完成します。

【看護関連図書き方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:関連図がどうしても複雑になってしまい、うまく整理できません。どうすればいいですか?
A1:情報を一度すべて書き出そうとせず、「病態」「生活」「心理」のエリアにノートや紙を分割して整理するのがおすすめです。中心となる疾患から徐々に外側(生活や心理面)へ広げていくと、すっきりとまとまります。
Q2:矢印のつながりに自信が持てません。指導者に指摘されないためのコツは?
A2:「なぜこの症状からこの問題が起きるのか」を言葉(文章)で説明できるかを基準にしてください。「AだからB、BだからC」という因果関係が論理的に説明できれば、矢印のつながりとして正解に近づきます。
Q3:参考書の病態関連図をそのまま写しても大丈夫ですか?
A3:丸写しは避けるべきです。参考書の図はあくまで一般的な「見本」であるため、目の前の患者のデータ(検査値や実際の症状)に合わせて必要な部分を選択し、個別的な要因を追加・調整することが大切です。
まとめ:今後の実習と記録作成で失敗しないための判断基準
看護実習における関連図の作成は、単なる課題の消化ではなく、患者の全体像を深く理解し、適切な看護を実践するための不可欠なプロセスです。
失敗しないための判断基準として、「病態のメカニズムが医学的根拠に基づいているか」「教科書の一般論にとどまらず、患者の個別性や生活背景が反映されているか」「矢印の向きが原因から結果へ正しく向いているか」という3つのポイントを常に意識することが重要です。この基本を押さえて日々の実習記録に向き合うことで、情報整理のスキルは確実に向上し、患者への理解と看護の質も大きく高まっていくでしょう。 (出典: 看護 関連 図 書き方(Yahoo!ニュース))