クレヨンとクレパスの違いとは?材質や描き心地をサクラクレパス公式情報をもとに徹底比較
幼少期のお絵描きや図工の時間に、誰もが一度は手にしたことがある「クレヨン」と「クレパス」。どちらも棒状の描画材料としておなじみですが、その違いについて明確に答えられる大人は意外と少ないのではないでしょうか。「名前が似ているけれど何が違うの?」「紙へのノリや混色しやすさはどう違うの?」といった疑問を持つ人は後を絶ちません。
本記事では、文房具メーカーである株式会社サクラクレパスの公式情報や歴史的背景をもとに、クレヨンとクレパスの材質、描き心地、それぞれの特徴、さらによく似た「クーピー」との違いまでを徹底比較します。それぞれの性質を正しく理解することで、用途に合わせた最適な画材選びや、幼児教育における表現の幅を広げるヒントが見えてきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:クレヨンは硬めで発色が良く面塗りに適し、クレパスは柔らかく伸びが良いため混色や重ね塗りに最適。
- 要点2:「クレパス」は株式会社サクラクレパスの登録商標であり、オイルパステルの一種として独自の製造方法で作られている。
- 要点3:それぞれの特性を理解し、幼児教育や表現の目的に応じて使い分けることで創作活動の幅が大きく広がる。
クレヨンとクレパスの最大の違いは「材質」と「硬さ」にある
クレヨンとクレパスは、どちらも顔料を油分やロウ分で固めて作られた棒状の描画材料ですが、その材質の配合比率と硬さには決定的な違いがあります。文房具の老舗メーカーであるサクラクレパスの公式情報によると、それぞれの製造における主成分のバランスが、描き心地や仕上がりの違いを生み出しています。
クレヨンは、体質顔料や顔料に比較的多くの「ロウ(ワックス)分」を混ぜ合わせて作られており、全体的に硬い質感が特徴です。そのため、描いたときに手が汚れにくく、折れにくいという強さがあります。一方のクレパスは、ロウ分のほかに「オイル(体質顔料・油脂など)」を多く含んでおり、クレヨンよりもはるかに柔らかい手触りを持っています。このオイル分とロウ分の絶妙な配合比率こそが、クレパスの最大の特徴である「なめらかな描き心地」の秘密となっています。

描き心地と表現方法の比較:発色・混色・重ね塗りの違い
材質の違いは、そのまま「描き心地」や「表現のバリエーション」に直結します。実際の創作活動において、両者はどのように使い分けられるのでしょうか。それぞれの強みと弱みを見ていきましょう。
クレヨンは硬めの質感であるため、紙の上にしっかりとした線を描くことに向いています。エッジの効いたシャープな線や、はっきりとした輪郭線を表現しやすく、スケッチの輪郭取りや塗り絵などに最適です。また、ロウ分が多い分、ツヤのある仕上がりになり、重ね塗りをした際に下の色が削れてしまう現象(ペネトレーション効果)が起こりにくいという特徴があります。
対してクレパスは、その柔らかさから軽い筆圧でもスルスルと色が伸び、広い面積をムラなく塗りつぶす「面描き」が得意です。さらに、クレパス最大の発明ともいえるのが「優れた混色性・重色性」です。指やティッシュでこすって色をぼかしたり、上から別の色を重ねて新しい色を作り出したりする表現は、オイルパステルならではの醍醐味と言えます。絵の具のような豊かなグラデーション表現が手軽に楽しめるため、幼児教育から本格的なアートまで幅広く活用されています。
クレヨン・クレパス・クーピーの徹底比較テーブル
お絵描きの定番である「クレヨン」「クレパス」「クーピーペンシル」の3つについて、それぞれの材質や特徴を分かりやすく一覧表にまとめました。
| 画材名 | 主な材質・特徴 | 描き心地・得意な表現 | メリット・デメリット |
|---|---|---|---|
| クレヨン | 顔料 + ロウ分(ワックス)が主体 | 硬めでしっかりした線が描ける。輪郭や面塗りに向く。 | 手が汚れにくく折れにくいが、混色はやや苦手。 |
| クレパス | 顔料 + ロウ分 + オイル分(サクラクレパスの商標) | 非常に柔らかく滑らか。混色やぼかし表現が得意。 | 表現力が豊かだが、柔らかいため折れやすく手が汚れやすい。 |
| クーピーペンシル | 顔料 + 特殊ワックス(軸全体が芯) | 鉛筆のような持ちやすさ。削って使うこともできる。 | 手や服が汚れにくく細かい描写が可能だが、特有のツルッとした質感がある。 |
「クレパス」は商品名?歴史と名称の秘密を紐解く
日常会話の中で「クレパス」という言葉を一般的な名称として使っている人は多いですが、実は「クレパス」は株式会社サクラクレパスの登録商標です。一般名称としては「オイルパステル」に分類されます。
サクラクレパスの公式コラムや歴史的記録によると、同社は1925年に日本で初めてクレヨンを開発・製品化しました。しかし当時のクレヨンは「硬くて混色ができない」「広い面を塗るのが大変」といった課題を抱えていました。そこで、クレヨンの長所(汚れにくさ・扱いやすさ)と、パステルの長所(発色の良さ・柔らかさ・混色のしやすさ)を組み合わせることで、1925年に改良を重ねて生み出されたのが「クレパス」です。「クレヨン」と「パステル」を掛け合わせて名付けられたこの画材は、日本の美術教育や幼児教育の現場において大きな革命をもたらしました。
幼児教育や目的に合わせた正しい選び方と見分け方
「子どもに買い与えるならどちらが良いのだろう?」と迷う保護者の方も多いでしょう。それぞれの特徴を踏まえた選び方の基準を知っておくことで、子どもの発達段階や目的に合わせた最適な画材選びが可能になります。
まだ筆圧が弱く、細かいものを握るのが難しい低年齢の幼児や、初めてのお絵描きには、なめらかに色が伸びて力を入れなくても鮮やかに描けるクレパス(またはオイルパステル)が適しています。のびのびと感情を色で表現する楽しさを知るには最適な画材です。一方で、ある程度手のコントロールができるようになり、細かい塗り絵や工作、輪郭をしっかり描く練習をしたい場合には、手が汚れにくくシャープな線が描けるクレヨンが重宝されます。
また、店舗や文房具売り場での「見分け方」としては、パッケージの表記を確認するのが確実です。「クレパス」と表記されているものはすべてサクラクレパスの製品またはその規格に準じたものであり、一般的な他社製品は「クレヨン」または「オイルパステル」「パス」と表記されています。

【クレヨンクレパス違い】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:クレヨンとクレパスはどちらが初心者や子どもに向いていますか?
A1:年齢や用途によりますが、力があまり強くなくてもなめらかに描けるクレパスは、幼少期の自由な表現や表現の幅を広げたい場合に大変おすすめです。一方、手を汚しにくさを重視し、しっかりとした輪郭を描かせたい場合はクレヨンが向いています。
Q2:「クレパス」という名称は他のメーカーでも使えますか?
A2:いいえ。「クレパス」は株式会社サクラクレパスの登録商標であるため、他社製品の同様の画材は「オイルパステル」や「パス」という名称で販売されています。
Q3:クレパスで描いた絵の上に別の色を重ねるとき、コツはありますか?
A3:クレパスはオイル分が多く柔らかいため、強く重ねすぎると下の色が削れてしまうことがあります。薄い色から濃い色の順に、軽いタッチで重ねていくか、指や布で軽くこすってなじませる(混色する)と綺麗なグラデーションに仕上がります。
まとめ:それぞれの特徴を活かした表現の楽しみ方
クレヨンとクレパスは、一見すると同じような棒状の画材に見えますが、ロウとオイルの配合比率や、それに伴う「硬さ」「描き心地」「混色性」において明確な違いが存在します。サクラクレパスの長年の研究と歴史的背景によって生み出されたクレパスは、表現の自由度を大きく広げ、クレヨンは確実な描写力を支える道具として、それぞれ日本の教育や文化の中で独自の進化を遂げてきました。
描きたいモチーフや表現したい質感、使う人の年齢や好みに応じて両者を使い分けることで、色彩表現の世界はさらに豊かになります。それぞれの特性を正しく理解し、日々の創作や子どもとのアートタイムをより充実させてみてください。 (出典: クレヨン クレパス 違い(Yahoo!ニュース))