国宝5城とは?現存12天守の違いと姫路城・松本城・彦根城・犬山城・松江城の魅力
日本国内には数多くの城郭が存在しますが、その中でも特に歴史的・文化財的価値が極めて高い建造物として日本国憲法下および文化財保護法に基づき国宝に指定されている城郭が「国宝5城」です。日本全国にわずか12ヶ所しか現存しない「現存12天守」のうち、特に優れた5つの城が選ばれており、歴史ファンや観光客の間で絶大な人気を誇っています。
本記事では、国宝5城に指定されている姫路城・松本城・彦根城・犬山城・松江城のそれぞれの特徴や歴史的背景、重要文化財との違いについて、専門的な視点から徹底的に解説します。各城の構造や見どころを知ることで、今後の城めぐりや観光がより一層深い体験になるでしょう。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:国宝5城とは現存12天守の中から特に価値が高いとして国宝指定された姫路城・松本城・彦根城・犬山城・松江城の5つの城郭のこと。
- 要点2:現存12天守のうち残りの7城は重要文化財に指定されており、建築様式や築造年代、保存状態においてそれぞれ異なる歴史的背景を持つ。
- 要点3:各城は世界遺産への登録や市民ぐるみの保存運動など、独自の歩みと強固な構造上の特徴を備えている。
国宝5城と現存12天守の違いとは?重要文化財7城との関係を徹底解説
日本の城郭における「現存12天守」とは、江戸時代以前に建造され、現代まで当時の姿(または修理を経た姿)のまま天守が残っている12のお城を指します。これらはすべて日本の文化財保護法によって貴重な文化財として保護されていますが、その中でも格付けや価値の観点から指定区分が分かれています。
現存する12天守のうち、特に世界文化の見地から類い稀なる国民の宝であるとして国(文部科学大臣)が指定しているのが「国宝5城」です。残りの7城は「重要文化財」に指定されており、どちらも非常に高い価値を持っていますが、国宝はさらにその頂点に位置する存在です。城びとなどの城郭情報メディアや公式百科事典のデータによると、国宝指定を受けた天守は、昭和4年に制定された旧・国宝保存法の時代から綿密な調査と保護が続けられてきた歴史があります。
なお、国宝5城および現存12天守を巡る動向としては、近年も「お城EXPO」などの大規模イベントにおいて国宝城郭都市観光協議会が共同出展を行うなど、地域活性化や観光振興の核としても大きな注目を集めています。

国宝5城の基本データと歴史的背景・構造比較
国宝5城に数えられる各城は、それぞれ築城された時代や立地、外観の美しさ、防御の工夫などに明確な違いがあります。ここでは、それぞれの基本的なスペックと特徴を分かりやすく比較します。
| 城名 | 所在地 | 主な特徴・構造 | 指定の背景と見どころ |
|---|---|---|---|
| 姫路城 | 兵庫県姫路市 | 連立式天守、白漆喰総塗込造 | 世界文化遺産にも登録された「白鷺城」。優美な外観と強固な防御網を誇る。 |
| 松本城 | 長野県松本市 | 連結式天守、黒漆の壁 | 現存最古の五重六階の天守。アルプスを背景に映える黒と白のコントラストが特徴。 |
| 彦根城 | 滋賀県彦根市 | 付櫓・多聞櫓付天守 | 井伊家の居城。破風の装飾が華やかで、琵琶湖を望む戦略的な立地。 |
| 犬山城 | 愛知県犬山市 | 望楼型天守(付櫓一体型) | 日本最古級の木造天守と伝えられ、木曽川の絶景を一望できる。 |
| 松江城 | 島根県松江市 | 層塔型天守、下見板張り | 内部に現存する貴重な柱や雨戸などの実用的な構造がそのまま残る。 |
上記の表からも分かるように、同じ「国宝の天守」でありながら、その外観の色彩(白壁の姫路城、黒壁の松本城など)や、建築形式(連立式、連結式、望楼型など)には多様性が見られます。これが、城郭ファンを魅了してやまない大きな理由となっています。
世界遺産にして「白鷺城」の異名を持つ美の結晶:姫路城
兵庫県姫路市に位置する姫路城は、日本で最初に世界文化遺産に登録された城の一つであり、国宝5城の筆頭に挙げられることが多い名城です。その圧倒的なスケールと、白漆喰総塗込造(しろしっくいそうぬりごめづくり)の壁が織りなす純白の姿から「白鷺城(しらさぎじょう/はくろじょう)」の愛称で親しまれています。
姫路城の最大の見どころは、大天守と小天守、渡櫓が複雑かつ機能的に結ばれた「連立式天守」の構造です。敵の侵入を防ぐための巧妙な狭間(さま)や石落とし、幾重にも張り巡らされた迷宮のような門や通路など、実戦的な防御機能と芸術的な美しさが完璧に融合しています。2023年には世界遺産登録30周年を記念する特別版イベントが開催されるなど、現代においても日本の歴史観光の象徴として多くの人々を惹きつけています。

現存最古の五重六階天守:黒き名城・松本城
長野県松本市にある松本城は、アルプスの山々を背景にそびえ立つ、日本を代表する平城(ひらじろ)です。戦国時代の永正年間に端を発する深志城を前身としており、現存する五重六階の天守としては日本最古の歴史を誇ります。
松本城の最大の外観上の特徴は、下部に白漆喰、上部に黒漆(くろうるし)が塗られた重厚なコントラストです。このデザインから、かつては「烏城(からすじょう)」とも呼ばれていました。戦国時代の名残をとどめる武者窓や鉄砲狭間、そして月見櫓(つきみやぐら)など、平和な時代への移行期ならではの優美さと武骨さが同居している点が、訪れる観光客に強い印象を与えています。
井伊家の誇りと優美な破風が彩る:彦根城
滋賀県彦根市に位置する彦根城は、江戸時代初期に井伊家が築いた譜代大居城です。琵琶湖を望む金亀山(こんきやま)に築かれ、城郭全体の保存状態が非常に良好なことで知られています。
天守は3階3階建ての小ぶりながらも重厚な造りで、屋根の随所にあしらわれた「唐破風(からはふ)」や「切妻破風(きりづまはふ)」などの装飾が非常に優美です。また、城内には馬屋や幾重もの堀、登り石垣など、実戦を想定した高度な土木技術が今なお完全なかたちで残されており、学術的にも極めて貴重な遺構となっています。

木曽川のほとりに佇む日本最古級の木造天守:犬山城
愛知県犬山市にある犬山城は、木曽川の河畔の小高い山上に築かれた城で、その天守は現存するものの中で最古級の様式を持つといわれています。
独立式望楼型天守の典型であり、最上階の廻縁(まわりえん)からの眺望は圧巻の一言です。木曽川の流れや濃尾平野を一望できる絶景は、当時の武将たちも眺めたであろう風景そのものです。どっしりとした入母屋造りの屋根の上に望楼が乗る古風な佇まいは、初期天守の変遷を知る上で欠かせない重要文化財、そして国宝建造物となっています。
山陰の要衝として貴重な遺構を伝える:松江城
島根県松江市に鎮座する松江城は、宍道湖のほとりに位置し、山陰地方で唯一の国宝天守です。江戸時代初期に堀尾吉晴によって築かれました。
外観は黒塗りの下見板張りが特徴で、質実剛健な武家文化の雰囲気を色濃く残しています。内部の構造は「層塔型天守」を採用しており、各層の大きさが規則正しく小さくなる安定した美しいシルエットを誇ります。また、天守の内部には建造当時からの太い柱や床板、さらには貴重な「桐の木で作られた階段」などが現存しており、当時の大工たちの技術力を肌で感じることができるスポットとして人気を集めています。
【国宝 5 城】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:国宝5城のすべてを訪れるにはどのくらいの期間が必要ですか?
A1:国宝5城は東北から中国地方、中部地方、関西、山陰と日本各地に点在しているため、一度にすべてを巡るには数日〜1週間程度の計画的な旅行スケジュールが必要となります。エリアごとに分けてじっくり観光するのが一般的です。
Q2:現存12天守と国宝5城の最も大きな違いは何ですか?
A2:現存12天守は江戸時代以前からの天守が現存する12のお城の総称であり、その中で特に歴史的・芸術的価値が極めて高いと国が指定した5つが「国宝5城」、残りの7つが「重要文化財」に指定されているという階層の違いがあります。
Q3:国宝5城の中で最も古いお城はどれですか?
A3:建築年代には諸説ありますが、犬山城や松本城は室町時代末期から戦国時代にかけての古い様式や部材を色濃く残しており、日本最古級の木造天守として高く評価されています。
まとめ:国宝5城が放つ歴史的価値と今後の観光の楽しみ方
本記事では、国宝5城に指定されている姫路城・松本城・彦根城・犬山城・松江城のそれぞれの特徴、歴史的背景、そして重要文化財との違いについて詳しく解説してきました。それぞれの城は、ただ古い建造物というだけでなく、日本の築城技術の変遷や、各地域の歴史、そして先人たちが守り抜いてきた文化財保護の歴史そのものを体現しています。
2026年現在も、これらのお城は地域住民や観光協議会の努力によって美しく保たれ、国内外から多くの観光客を魅了し続けています。それぞれの城が持つ独自の美しさや構造上の違いをあらかじめ知っておくことで、現地を訪れた際の感動は一層深まるはずです。次の旅行の計画には、ぜひ日本の宝である国宝5城への城めぐりを検討してみてはいかがでしょうか。 (出典: 国宝 5 城(Yahoo!ニュース))