東洋熱工業はどんな会社?2026年最新情報・決算・評判と事業内容を徹底解説
東洋熱工業株式会社(TONETS CORPORATION)は、東京都中央区に本社を置く、空調・衛生設備の設計、施工、保守を手がける総合エンジニアリング企業です。1937年の設立以来、オフィスビルや病院、工場、研究施設などの環境づくりを支えてきました。2026年3月期の完成工事高は963億5,000万円、従業員数は同年3月末時点で856名に達しています。
2026年は、9月に公開された「TONETS Report 2026」、8月に発表された「SMBCグリーン預金」への預け入れ、施工管理支援システム「AIカントク」に関する情報管理上の問題、5月に放映が始まった新テレビCM「おしえて!空気先生」など、事業・環境・情報管理の各面で注目すべき動きがありました。会社概要や大阪拠点、設備工事の特徴、評判、採用情報まで、公式発表と公表資料をもとに整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 会社の基本情報:1937年設立。本社は東京都中央区京橋で、空調・衛生設備を中心に設計から施工、保守まで対応する。
- 2026年の最新動向:TONETS Report 2026の公開や環境配慮型金融商品の活用が進む一方、AIカントクの情報管理上の問題も公表された。
- 業績・評判・採用:第89期の完成工事高は963億5,000万円。財務実績だけでなく、施工管理職の働き方や配属条件も確認したい。
【会社概要】東洋熱工業はどんな会社?本社・設立・業績を整理
東洋熱工業は、建物の空調や給排水衛生設備を中心に、快適性、安全性、省エネルギー性を備えた環境をつくる設備工事会社です。略称は「東熱」。建物の外観や構造そのものよりも、建物の中で人が過ごし、設備が安定して稼働するための仕組みを専門としています。
会社の設立は1937年8月25日です。現在の事業の基盤となる冷暖房工事業を1948年に開始し、1953年2月に東洋熱工業株式会社へ商号を変更しました。1955年には大阪支店を設置して関西地区へ進出しており、長い歴史の中で全国の事業体制を整えてきました。
公式サイトの「基本情報」と「財務・業績」に掲載された内容を整理すると、2026年時点の会社像は次のとおりです。
- 会社名:東洋熱工業株式会社
- 英文社名:TONETS CORPORATION
- 本社所在地:東京都中央区京橋二丁目5番12号
- 設立:1937年8月25日
- 資本金:10億1,000万円
- 代表者:代表取締役社長執行役員・谷口昌伸氏
- 従業員数:856名(2026年3月末現在)
- 完成工事高:963億5,000万円(2026年3月期)
本社は東京の京橋にあり、技術研究開発センターは東京都葛飾区東立石に設置されています。研究開発の機能を本社だけに集約するのではなく、設備を実際に運用しながら技術を検証できる拠点を持つことが特徴です。
また、同社は一般的な空調工事に限らず、消防設備、クリーンシステム、省エネルギーシステム、太陽熱利用、蓄熱システムなども事業領域に含めています。建築物の用途や利用者のニーズに合わせ、温度や湿度、空気の清浄度、エネルギー消費などを総合的に設計する会社と理解すると、事業の全体像がつかみやすくなります。

【事業内容】設備工事の強みは空調・衛生・省エネ技術にある
東洋熱工業の主力事業は、空気調和設備と給排水衛生設備を中心とする設計・施工・保守です。新築建物への設備導入だけでなく、既存設備の更新や改修、省エネルギー化の提案にも取り組んでいます。
空調・衛生設備工事とは何をする仕事なのか
空調設備は、冷暖房によって室温を調整するだけのものではありません。施設の用途によっては、湿度、換気量、気流、室内の圧力差、空気中の微粒子などを適切に制御する必要があります。病院や製薬施設、研究施設、工場では、こうした条件が安全性や製品品質に直結します。
給排水衛生設備も、建物の機能を支える重要な分野です。トイレや厨房への給水、衛生的な排水、工業用水、消火設備など、日常生活から生産活動まで幅広く関係します。東洋熱工業は、こうした設備を建物の用途に合わせて設計し、施工後の保守・メンテナンスまで対応しています。
技術開発で注目される代表的な分野
- E-SCAT:熱源設備の運転を最適化し、エネルギーの有効利用を目指す制御システム。
- SAVS:置換換気・空調システム。室内の気流や発熱による上昇気流を利用し、良好な空気環境を目指す。
- 3DスキャナとBIMの連携:既存建物の空間情報を取得し、設備更新時の現況把握や図面作成、改修計画の効率化を支援する。
- 産業用クリーンルーム技術:清浄度や温湿度などの厳密な管理が求められる施設に対応する。
- ZEB関連技術:建物の省エネルギー化と環境負荷低減を目指す設備計画や運用技術。
同社の公式技術紹介では、熱源制御や気流シミュレーション、BIM連携、クリーンルーム向けシステムなどが紹介されています。2022年度には、E-SCATに関連する取り組みで「省エネ大賞・資源エネルギー庁長官賞」を受賞しています。
ここで重要なのは、設備工事の価値が完成時点だけで決まらないことです。施工時の品質に加え、稼働後のエネルギー消費、故障の予防、設備更新のしやすさまで考慮する必要があります。設計・施工・保守を一連の仕事として扱う体制は、長期間使用される建物のライフサイクル全体に関わるうえで意味があります。
公式サイトでは、オフィスビル、病院・厚生施設、都市・交通施設、教育・研究施設、製薬施設、工場・倉庫、データセンターなどが対応する建物用途として紹介されています。多様な用途に対応できる点は、同社の事業を理解するうえで押さえておきたいポイントです。
【国内拠点】本社は東京、大阪支店は大阪市西区江戸堀に所在
東洋熱工業は東京都中央区の本社を中心に、主要都市の支店や各地域の営業所を通じて国内事業を展開しています。地域ごとの建築需要や顧客の設備管理ニーズに対応するため、東京圏だけでなく、北海道から九州・沖縄まで拠点を設けています。
公式の国内拠点一覧に掲載されている主な支店・拠点は次のとおりです。
- 本社・東京本店:東京都中央区京橋
- 関東支店:千葉県千葉市中央区
- 横浜支店:神奈川県横浜市西区
- 名古屋支店:愛知県名古屋市中村区
- 大阪支店:大阪府大阪市西区江戸堀
- 中国支店:広島県広島市中区
- 東北支店:宮城県仙台市青葉区
- 札幌支店:北海道札幌市中央区
- 九州支店:福岡県福岡市博多区
このほか、北関東、新潟、茨城、京都、神戸、岡山、山陰、山口、熊本、北九州、長崎、宮崎、沖縄などにも営業所があります。海外事業については、採用情報のFAQでグアム、フィリピン、ベトナムでの展開が紹介されています。
東洋熱工業の大阪拠点の住所・連絡先
大阪支店の所在地は、大阪府大阪市西区江戸堀二丁目6番33号 江戸堀フコク生命ビル10階です。公式の国内拠点一覧には、以下の連絡先が掲載されています。
- 電話:06-6443-8071
- FAX:06-6443-8097
大阪支店に加え、京都営業所と神戸営業所も設置されています。関西エリアでの設備工事や営業活動を、複数の拠点で支える体制です。
なお、支店があることと、特定の地域で必ず希望職種に配属されることは別です。就職・転職を目的に拠点を調べている場合は、勤務地の一覧だけで判断せず、採用区分や募集要項、配属に関する説明も確認する必要があります。

【2026年最新情報】TONETS Report・AIカントク・グリーン預金・新CMの動き
2026年の東洋熱工業を理解するうえで、特に押さえておきたいのが、環境技術の発信、金融面での環境配慮、施工管理システムの情報管理、企業広告の4つの動きです。いずれも公式サイトのニュースや公表資料で確認できます。
1.TONETS Report 2026を9月に公開
東洋熱工業は2026年9月、「TONETS Report 2026年度版」を公開しました。報告書は、経営理念や事業内容、技術開発、環境への取り組み、社会貢献、業績などをまとめた資料です。
今回の注目点の一つが、2025年に整備された東熱技術研究開発センターの運用1年目の報告です。同センターは東京都葛飾区東立石にあり、太陽熱や地中熱を活用した空調、蓄熱、高効率ヒートポンプなどの技術を実証する研究開発拠点です。
TONETS Report 2026によると、同センターでは建物の空調・換気・衛生・照明などに関する11,550点のデータを1分ごとに収集し、運用の最適化や導入技術の効果検証に利用しています。エネルギー評価にはAIを活用したダッシュボードも取り入れています。
同報告書では、2025年8月から2026年7月までの実績BEIが0.30と報告されています。BEIは建物の一次エネルギー消費性能を示す指標で、一般に数値が小さいほど省エネルギー性能が高いことを意味します。設計段階のBEIは0.29で、運用段階でも計画した省エネ性能を維持したと説明されています。
この取り組みが示すのは、空調設備を設置するだけでなく、実際の運転データを蓄積して改善を続ける方向性です。設備の性能を設計値だけで評価せず、使用状況や季節変動を踏まえて検証することは、顧客施設の省エネルギー提案にもつながります。
2.AIカントクは情報管理上の問題を受けて停止
2026年8月28日、東洋熱工業は、同社が運営する施工管理支援システム「AIカントク」に関するお知らせを公表しました。公式発表によると、システム内の一部情報が第三者から閲覧可能な状態になっていたことを確認し、システムを停止して閲覧できない状態にしたうえで、原因調査と再発防止策の検討を進めているとしています。
公表資料に記載された対象情報は、氏名、所属会社名、現場名、年齢区分、経験年数区分、職種です。つまり、問題となったのは単なるシステム障害ではなく、現場関係者や協力会社に関する情報の管理です。
一方、発表文は「第三者から閲覧可能な状態」だったことを説明したものであり、実際に何人が閲覧したのか、情報がどの程度利用されたのかといった詳細を、同資料だけから断定することはできません。
会社は関係者に謝罪し、問い合わせ窓口を設置しました。公表された受付期間は2026年8月28日から9月30日までで、期間終了後も必要に応じて個別対応するとしています。10月時点で同社の公式発表を確認する際は、停止の事実だけでなく、その後の調査結果や再発防止策、システムの再開に関する情報が更新されているかも確認したいところです。
AIやデジタル技術を施工管理に取り入れることには、業務の効率化や情報共有の改善という利点があります。しかし、現場情報を扱う以上、アクセス権限、データの保護、委託先を含めた運用管理が欠かせません。今回の件は、建設・設備業界でデジタル化を進める際の情報管理体制を考える材料にもなります。
3.SMBCグリーン預金への預け入れを開始
2026年8月、東洋熱工業は、三井住友銀行が提供する「SMBCグリーン預金」への預け入れを開始したと発表しました。会社は、環境配慮型金融商品の活用をサステナビリティ推進の一環として位置づけています。
SMBCグリーン預金は、預け入れられた資金が、再生可能エネルギー事業や環境負荷低減に役立つプロジェクトなどへの融資に充当される金融商品です。東洋熱工業の発表では、預け入れ金額は明らかにされていません。
この取り組みは、設備技術そのものによる省エネだけでなく、財務運営を通じても環境課題の解決に関わろうとするものです。ただし、預け入れの開始だけをもって、同社自身のCO₂排出量が一定量削減されたと評価することはできません。環境への効果を判断するには、資金の使途に関する説明と、自社の排出量削減実績を分けて見る必要があります。
4.新テレビCM「おしえて!空気先生」を5月16日から放映
東洋熱工業は2026年5月16日から、新テレビCM「おしえて!空気先生」の放映を開始しました。公式発表では、空調設備の重要性と役割をより多くの人に伝えることを目的としており、生田絵梨花さんと、空気先生の声を担当する神谷浩史さんが登場します。
同社が伝えようとしているのは、空調設備が室内を涼しくしたり暖かくしたりするだけの存在ではないという点です。建物の安全性、生産性、省エネルギー、環境負荷の低減にも関係するインフラであることを、一般の視聴者にも分かりやすく伝える狙いがあります。
公式の広告ライブラリーでは「登場篇」に加え、「データセンター篇」「東京スカイツリー篇」などのCMも紹介されています。設備工事会社がテレビCMを通じて空調設備の価値を発信することは、一般消費者には見えにくい建築設備の仕事を知ってもらう機会にもなります。
【第89期決算公告】業績はどう変わった?東洋熱工業の評判も検証
東洋熱工業の2026年3月期は、完成工事高、経常利益、当期純利益のいずれも前期を上回りました。公式サイトの「財務・業績」に掲載された第86期から第89期までの数値を比較すると、業績の推移が分かります。
| 決算期 | 完成工事高 | 経常利益 | 当期純利益 | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期(第86期) | 689億7,800万円 | 54億7,200万円 | 35億6,700万円 | 61.0% |
| 2024年3月期(第87期) | 728億1,800万円 | 53億8,400万円 | 30億7,800万円 | 60.9% |
| 2025年3月期(第88期) | 794億4,700万円 | 94億7,500万円 | 65億1,700万円 | 68.8% |
| 2026年3月期(第89期) | 963億5,000万円 | 182億2,200万円 | 123億5,300万円 | 70.3% |
出典:東洋熱工業公式サイト「財務・業績」。金額は同社公表の百万円単位の数値を円換算して表示。
完成工事高は前期比約21.3%増
第89期の完成工事高は963億5,000万円で、前期の794億4,700万円から約21.3%増加しました。経常利益は94億7,500万円から182億2,200万円へ、当期純利益は65億1,700万円から123億5,300万円へと増えています。
自己資本比率も68.8%から70.3%へ上昇しました。自己資本比率は、総資産に占める自己資本の割合を示す指標で、一般に財務の安定性を考える際に使われます。2026年3月期の総資産は1,003億2,500万円、純資産は705億3,300万円です。
ただし、利益が増えたという事実だけで、その要因を特定することはできません。受注工事の構成、工事の進捗、完成時期、工事採算などを詳しく評価するには、受注残高や工事別の採算、今後の受注状況なども確認する必要があります。
設備工事会社では、受注した工事が完成する時期によって、年度ごとの完成工事高や利益が変動する場合があります。そのため、第89期の好業績を評価する際は、単年度の数値だけでなく、次年度以降の受注と完成工事の推移を追うことが重要です。
東洋熱工業の評判は?口コミは職種ごとに見極める
東洋熱工業の評判を調べる場合、会社の事業実績と、実際に働く社員の評価を分けて考える必要があります。財務面では2026年3月期の業績が伸びている一方、社員の働きやすさは職種や配属先、担当する現場によって異なるためです。
Indeedなどの社員口コミサイトでは、施工管理職について、土日勤務や残業、朝の早い勤務などの負担を挙げる投稿が見られます。一方、口コミは投稿者の職種や所属、投稿時期によって条件が異なり、少数の投稿から会社全体の実態を判断することはできません。
特に設備工事の施工管理では、工事の工程、安全、品質、予算、協力会社との調整など、現場ごとの責任が発生します。工期や工事の段階によって忙しさが変わる可能性があるため、就職・転職を検討する場合は、平均的な残業時間だけでなく、配属予定の職種や現場勤務の実態を確認したいところです。
給与や福利厚生、教育制度、昇進機会についても、口コミだけでなく、公式の募集要項や採用FAQと照らし合わせることが大切です。企業の評判は、業績が良いかどうかだけでは決まりません。入社後にどのような仕事を担い、どのような働き方になるのかまで含めて評価する必要があります。

【CSR・採用情報】社会貢献と働く環境から分かる企業姿勢
東洋熱工業は、CSR基本方針として、法令遵守、ガバナンス、雇用・人事、環境、顧客・調達先、社会貢献の各分野を掲げています。事業活動による技術的な貢献だけでなく、地域社会や文化活動への支援も取り組みの一つです。
環境・地域社会への取り組み
公式の社会貢献に関するページでは、エコキャップの収集による子ども向けワクチン寄贈への協力、熊本地震の被災者への義援金400万円、日本赤十字社を通じた寄付、被災地への緊急搬送・身体保護用マットの寄贈などが紹介されています。
また、東京都水道局や東京都中央区との防災協定に関わる取り組み、交通安全パトロールや地域の清掃活動への参加、ラグビーを通じた青少年育成なども掲載されています。これらは各取り組みの実施時期や内容が異なるため、すべてを2026年に新たに始めた活動と捉えるのではなく、会社が公表してきた社会貢献の実績として見るのが適切です。
環境分野では、建物の省エネルギー技術の開発に加え、2026年8月にSMBCグリーン預金への預け入れを開始しました。空調設備の省エネ化と、環境配慮型金融商品の活用を組み合わせている点が、2026年の動向として注目されます。
採用情報は施工管理・設計・研究開発などを確認
東洋熱工業の採用情報では、新卒採用や中途採用のほか、技術系・事務系の仕事、先輩社員の紹介、教育制度などが案内されています。主な仕事には、工事部での施工管理、設計部での設備設計、営業部での顧客対応、エンジニアリング部門での技術提案、技術研究所での研究開発などがあります。
中途採用の技術系募集要項では、空気調和設備や給排水衛生設備の施工管理・設計が業務として挙げられています。掲載された募集条件には、空調衛生設備工事の施工・設計経験や、1級または2級管工事施工管理技士の資格などが示されています。勤務地は全国とされているため、応募時には配属条件や希望勤務地の扱いを確認することが重要です。
教育面では、入社後の集合研修に加え、OJTやフォローアップ研修、公的資格の取得を支援する制度などが採用情報に掲載されています。技術系の採用FAQでは、建築、環境、機械、電気、情報、化学などの出身者が例年の内定者に含まれることも紹介されています。
東洋熱工業に向いている人・慎重に検討したい人
- 向いている人:空調・衛生設備や建築設備に関心があり、技術を身につけながら建物や社会インフラを支える仕事に携わりたい人。
- 向いている人:設計、施工管理、営業、研究開発など、複数の職種と協力しながら一つの設備を完成させる仕事に魅力を感じる人。
- 慎重に検討したい人:現場勤務や工期に応じた業務量の変化を避けたい人。希望する職種の勤務形態や休日、時間外労働の実態を事前に確認したい。
- 慎重に検討したい人:勤務地を限定したい人。全国の拠点と配属制度を確認し、希望勤務地がどの程度考慮されるかを採用担当者に尋ねたい。
企業が公表する教育制度や福利厚生は、働く環境を知るうえで参考になります。ただし、制度が存在することと、すべての部署で同じように利用できることは同義ではありません。応募する職種や配属先について具体的に質問し、口コミで見かける課題との整合性を確かめることが、入社後のミスマッチを減らす方法です。
【プロの結論】東洋熱工業を評価するなら3つの視点が重要
東洋熱工業を理解するうえで重要なのは、単に「歴史の長い設備工事会社」と捉えるのではなく、設備工事、技術開発、環境対応、組織運営を一体として見ることです。2026年の公表資料からは、特に次の3つの視点が浮かび上がります。
第一は、設備を納めた後まで見据えた技術力です。空調設備の価値は、設置した時点だけでなく、長期間にわたって快適性や安全性を保ち、エネルギー消費を抑えられるかどうかで決まります。E-SCATやBIM連携、技術研究開発センターでの実証は、こうした課題に向き合う取り組みです。
第二は、業績と環境対応を数字で追うことです。第89期の完成工事高は前期比で約21.3%増加し、自己資本比率も70.3%となりました。今後は、受注工事高、完成工事高、利益の推移に加え、研究開発の成果や環境負荷の削減実績が継続的に示されるかどうかが評価のポイントになります。
第三は、デジタル化と情報管理を両立できるかです。AIやデータを活用した施工管理・設備運用は、生産性向上の可能性を持ちます。一方、AIカントクに関して公表された問題は、システムの利便性だけではなく、関係者の情報を適切に守る運用体制も欠かせないことを示しています。原因調査や再発防止策、その後の対応について、会社から具体的な情報が継続して発信されるかを確認したいところです。
企業としての技術力を評価する顧客、業績や財務を調べる取引先、入社先を検討する求職者では、見るべき情報が異なります。顧客は施工実績と保守体制、取引先は受注状況と財務の安定性、求職者は配属・教育・勤務条件を重視すると、必要な情報を整理しやすくなります。
【東洋熱工業】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:東洋熱工業は何をしている会社ですか?
A1:空調設備、換気設備、給排水衛生設備、消防設備などの設計・施工・保守を行う総合エンジニアリング企業です。オフィス、病院、工場、研究施設、データセンターなど、幅広い建物用途に対応しています。
Q2:東洋熱工業の本社と大阪支店はどこにありますか?
A2:本社は東京都中央区京橋二丁目5番12号です。大阪支店は大阪府大阪市西区江戸堀二丁目6番33号、江戸堀フコク生命ビル10階にあります。
Q3:東洋熱工業の2026年3月期の業績はどうでしたか?
A3:第89期の完成工事高は963億5,000万円、経常利益は182億2,200万円、当期純利益は123億5,300万円でした。前期と比較して、完成工事高と利益はいずれも増加しています。
Q4:TONETS Report 2026では何が報告されていますか?
A4:2026年9月に公開された報告書で、経営理念、事業内容、技術開発、環境・社会貢献、業績などをまとめています。特に、東熱技術研究開発センターの運用1年目のエネルギー実績や、空調設備の省エネ技術が注目点です。
Q5:AIカントクは現在も利用できますか?
A5:2026年8月28日の公式発表では、情報管理上の問題を受けてシステムを停止し、閲覧できない状態にしたと説明されています。利用再開の有無を判断する際は、その後に公表された最新のお知らせを確認してください。
Q6:東洋熱工業への就職・転職で確認すべきことは何ですか?
A6:希望職種、勤務地、配属制度、施工管理職の現場勤務、時間外労働、休日、資格取得支援などを確認しましょう。公式採用情報と社員口コミの両方を参照し、応募する職種に近い条件の情報を重視することが大切です。
まとめ:2026年の東洋熱工業は技術力・業績・情報管理を併せて評価したい
東洋熱工業は、1937年設立の歴史を持ち、空調・衛生設備の設計、施工、保守を中心に事業を展開する企業です。東京都中央区に本社を構え、全国に支店・営業所を置き、大阪市西区江戸堀にも大阪支店を設けています。
2026年3月期の完成工事高は963億5,000万円に達し、9月にはTONETS Report 2026を公開しました。省エネルギー技術の実証、SMBCグリーン預金への預け入れ、空調設備の価値を伝える新テレビCMなどからは、技術と環境への取り組みを広く発信する姿勢がうかがえます。
一方、AIカントクの情報管理上の問題は、デジタル化を進める企業にとって情報保護と再発防止が不可欠であることも示しています。東洋熱工業の現在を評価するなら、業績の伸びや技術開発だけでなく、こうした課題への対応も含めて確認することが重要です。
就職・転職を検討している人は、採用制度の概要だけでなく、希望職種の勤務実態や配属条件を具体的に調べること。取引先や顧客の立場で調査する人は、受注・完成工事の推移、施工実績、保守体制、情報管理の取り組みを確認すること。それぞれの目的に合わせて公表資料を読み解けば、東洋熱工業という企業の特徴をより立体的に把握できます。 (出典: 東洋 熱 工業(Yahoo!ニュース))