ウグイスの鳴き声は何種類?ホーホケキョ・谷渡り・地鳴きの意味を2026年版で徹底解説
春の訪れを告げる鳥として親しまれているウグイス。その鳴き声といえば「ホーホケキョ」が有名ですが、実際には「チャッ、チャッ」と短く鳴く地鳴きや、「ケキョケキョ」と高い声を繰り返す谷渡りなど、複数の鳴き方があります。それぞれの声には、繁殖や縄張り、周囲への警戒など、異なる行動との関係が見られます。
さらに、国立科学博物館は2024年10月、長く警戒音と考えられてきた谷渡りについて、オスがメスにアピールするための鳴き声である可能性を示す研究成果を発表しました。聞き慣れた鳴き声にも、まだ解明が進んでいる生態があります。2026年の野鳥観察に役立つよう、鳴き声の種類、意味、聞ける時期、オスとメスの違い、音声・動画での聞き分け方まで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ウグイスの鳴き声には、代表的なさえずり、谷渡り、警戒に関係する声、地鳴きなどがある。
- 要点2:「ホーホケキョ」は主に繁殖期のオスが発するさえずりで、求愛や縄張りの主張に関係する。
- 要点3:谷渡りは警戒音と説明されることもあるが、2024年の国立科学博物館の研究では、メスへのアピールという新たな仮説が示された。
【基本解説】ウグイスの鳴き声は何種類?「ホーホケキョ」の意味を知る
ウグイスの鳴き声を理解するうえで、最初に押さえたいのが「さえずり」と「地鳴き」の違いです。鳥の声は、鳴き方の長さや複雑さ、発せられる状況によって大きく区別されます。
国立科学博物館の鳥類音声データベースでは、一般に、長く複雑な鳴き声を「さえずり」、短く単純な鳴き声を「地鳴き」と説明しています。ウグイスの「ホーホケキョ」は前者、「チャッ、チャッ」は後者の代表例です。
さえずり:「ホーホケキョ」は何を伝えている?
「ホーホケキョ」は、ウグイスのオスが繁殖期を中心に発する特徴的なさえずりです。澄んだ声を響かせる行動には、メスに自分の存在を知らせることや、ほかのオスに縄張りを主張することが関係しています。
さえずりは、単に美しい音を出すための行動ではありません。鳴き声によって自分の居場所や存在を周囲に知らせ、繁殖相手を得たり、ほかのオスとの距離を保ったりする役割を担っています。
ただし、「ホーホケキョ」という聞きなしは、人間が鳥の声を言葉に置き換えた表現です。ウグイスが日本語の言葉を発しているわけではなく、鳴き声そのものが特定の文章を意味するわけでもありません。
「ホーホケキョ」以外のさえずりもある
国立科学博物館の鳥類音声データベースには、複数の地域で録音されたウグイスの音声が収録されています。同データベースによると、「ホーホケキョ」のように聞こえるH型だけでなく、「ホーホホホケキョ」のように聞こえるL型のさえずりもあります。
オスはH型とL型を少なくとも一つずつ含む、複数のさえずりタイプを持つことがあります。地域や個体によってレパートリーに違いがあり、声の特徴を聞き比べることで、同じウグイスでも鳴き方が一様ではないとわかります。
つまり、少し音程が違ったり、前半の音が長かったりしても、必ずしも別の鳥とは限りません。聞きなしだけでなく、音の長さ、リズム、音程の変化にも注目すると、ウグイスの鳴き声をより深く楽しめます。

【種類を比較】谷渡り・警戒声・地鳴きの違いと意味を一覧で解説
ウグイスの鳴き声を聞き分けるときは、音の特徴と、鳴いているときの状況を組み合わせて考えることが大切です。以下の表に、代表的な鳴き方と、その意味を整理しました。
| 鳴き声の種類 | 聞こえ方の目安 | 主な意味・特徴 | 聞き分けのポイント |
|---|---|---|---|
| さえずり | ホーホケキョ | 繁殖相手へのアピール、縄張りの主張 | 音が長く、抑揚があり、遠くまで響く |
| 谷渡り | ケキョケキョ、ピルルルルルケッキョケッキョ | 繁殖期に見られる特徴的な鳴き方。メスへのアピールという研究仮説がある | 高い声が連続し、長く続くことがある |
| 警戒に関係する声 | 状況によって異なる | 危険の察知や周囲への警戒に関係すると考えられる声 | 周囲の動きや、鳴き始めたタイミングも観察する |
| 地鳴き・笹鳴き | チャッ、チャッ | 日常的な個体間のやり取りなどに関係する短い声 | 短く、単純な音が繰り返される |
なお、これらは鳴き声の特徴を理解するための整理です。谷渡りと警戒声が必ず別々の音として現れるわけではなく、資料によっては谷渡りを警戒声の一種として説明しています。声の名称だけで機能を断定せず、最新の研究や観察状況と合わせて理解する必要があります。
谷渡りとは?「ケキョケキョ」と続く声の特徴
谷渡りは、ウグイスが繁殖期に発する、連続的で高い鳴き声です。「ケキョケキョ」と繰り返したり、「ピルルルルルケッキョケッキョ」のように長く続いたりします。状況によっては1分以上続くこともあります。
「谷渡り」という名称から、鳥が谷を移動するときに出す声だと思われがちですが、国立科学博物館の解説では、そのような説明は俗説とされています。名前の印象だけで鳴く理由を判断することはできません。
地鳴き・笹鳴きは一年中聞ける?
地鳴きは、さえずりと比べて短く、目立ちにくい声です。ウグイスでは「チャッ、チャッ」と聞こえることが多く、笹の茂みなどから聞こえるこの声は「笹鳴き」とも呼ばれます。
日本野鳥の会の野鳥図鑑「BIRD FAN」でも、ウグイスが低いやぶの中で「チャッ、チャッ」と地鳴きをすることが紹介されています。さえずりが少なくなる秋冬でも、ウグイスが生息していれば地鳴きに出会える可能性があります。
ただし、声の聞こえ方や頻度は個体や環境によって変わります。短い声がしただけで、必ずウグイスだと決めつけず、周囲の植生やほかの鳥の声も確認すると識別の精度が上がります。
【最新研究】ウグイスの谷渡りは警戒音なのか?2024年の新仮説
谷渡りをめぐっては、野鳥観察の定番ともいえる説明に新たな視点が加わっています。国立科学博物館は2024年10月29日、ウグイスの谷渡りについて、従来の警報説とは異なる仮説を示す研究成果を公表しました。研究成果は同年10月28日に学術誌「Zoological Science」でオンライン公開されています。
なぜ警戒声と考えられてきたのか
谷渡りは、人間が急に姿を現したときなど、周囲に変化があった場面で聞かれることがあります。そのため、天敵などの危険を仲間に知らせる警報ではないかと、長く考えられてきました。
しかし、国立科学博物館の発表によると、この鳴き声の機能については、従来の説明を裏付ける科学的な検証が十分に行われていませんでした。研究者が野外で観察を続けるなかで、捕食者が確認できない状況でも谷渡りが頻繁に聞かれることや、メスの声に反応して鳴き始める場合があることに着目したのです。
調査で見えてきた「メスへのアピール」という可能性
同研究では、新潟県妙高市と上越市で、2017年4月中旬から8月中旬にかけてオスの行動が調べられました。調査では約20日ごとに計7回、観察したオスについて、5分間に谷渡りを何回行うか、縄張り内にメスがいるかを記録しました。
その結果、メスがまだ渡来していない4月から5月初めには谷渡りがあまり見られず、メスが渡来する5月中旬以降には活発になりました。メスの渡来後、観察対象となったオスの72%が5分間に1〜20回の谷渡りを行い、回数の中央値は3回でした。
また、縄張り内でメスが確認されたオスは、メスが確認されなかったオスよりも谷渡りを活発に行う傾向がありました。谷渡りを聞いたメスが一貫して薮へ逃げ込むなど、危険を避ける行動を示さなかった点も、警報説だけでは説明しにくい観察結果です。
こうした時間的・空間的な関連から、研究者は谷渡りがメスに向けたオスのアピールであるという仮説を提唱しました。危険が迫る場面でも鳴くことがあるのは、捕食者の前でも目立つ行動を取れること自体が、オスの能力を示す可能性があると考えられています。
ただし、これは谷渡りの機能をすべて解明したという意味ではありません。現段階では新たな仮説であり、鳴き声が発せられる状況や、その機能をさらに検証する必要があります。「谷渡りは必ず警戒音」「谷渡りは警戒と無関係」と単純化せず、研究によって説明が更新されている点を押さえることが重要です。

【生態を深掘り】ウグイスが鳴く理由と縄張り・繁殖行動の関係
ウグイスが鳴く理由を理解するには、声そのものだけでなく、繁殖期の生活にも目を向ける必要があります。鳴き声は、周囲の個体と関わりながら生きるための行動の一つです。
オスのさえずりと縄張りの主張
春から夏にかけて、オスは「ホーホケキョ」とさえずります。この時期は繁殖活動が進むため、メスに存在を知らせることに加え、ほかのオスに対して自分の縄張りを示すことも重要になります。
ウグイスは笹や低木が茂る場所を好み、繁殖も主にやぶのある環境で行います。姿が見えにくい環境では、声が個体の存在を知るための重要な手掛かりになります。鳴き声が遠くまで響くことは、視界が遮られた場所での情報伝達にも役立ちます。
繁殖行動と谷渡りの関係
国立科学博物館の研究で注目されたのは、メスが縄張りに現れた時期と、オスが谷渡りを活発に行う時期が重なったことです。この結果は、繁殖相手を得るための行動として谷渡りを捉える可能性を示しています。
一方、さえずりや谷渡りが聞こえたからといって、すぐ近くに巣があるとは限りません。オスは鳴きながら移動することもあり、声の聞こえる位置と巣の位置は一致しない場合があります。繁殖期に観察する際は、鳴き声を頼りにしつつも、巣を探してやぶに立ち入ることは避けましょう。
オスとメスの鳴き声には違いがある?
ウグイスでは、よく知られた「ホーホケキョ」というさえずりは主にオスが発します。一方、地鳴きはオスとメスの両方が出す声です。したがって、鳴き声を聞くだけで雌雄を判断できる場面と、判断が難しい場面があります。
一般に、繁殖期のさえずりが聞こえればオスである可能性が高いものの、声の高さだけを基準にするのは適切ではありません。個体差や地域差もあるため、鳴き方の種類、季節、行動を組み合わせて考えることが大切です。
【季節別ガイド】ウグイスの鳴き声はいつ聞ける?初鳴きと地域差
ウグイスの鳴き声は一年中聞こえる可能性がありますが、春を告げる「ホーホケキョ」は、繁殖期を中心に聞かれる声です。地鳴きとさえずりでは、聞きやすい季節が異なります。
春から夏は「ホーホケキョ」の季節
ウグイスのさえずりは、一般に春先から聞かれ始め、春から初夏にかけて目立ちます。地域や標高、気温などによって時期は変わり、暖かい地域ほど早い時期に聞かれる傾向があります。
環境省の生物多様性センターがまとめた「いきものみっけ」の調査資料では、2010年に初鳴きを報告した事例について、西日本では2〜3月、東海から関東・北陸では3〜4月、東北・北海道では4〜5月に報告が多くなる傾向が示されました。これは特定年度の調査結果であり、毎年必ず同じ時期に鳴き始めるという意味ではありません。
また、東京大学大学院農学生命科学研究科附属の演習林に関する観察記録では、埼玉県の秩父演習林で3月20日前後に初鳴きが観察され、標高の高い場所では季節が進むにつれてさえずりが聞かれるようになると紹介されています。地域差に加え、標高によっても鳴き始める時期が変わることがわかります。
秋冬は地鳴きに注目
夏以降に「ホーホケキョ」が聞こえにくくなっても、ウグイスがいなくなったとは限りません。秋冬には、短い「チャッ、チャッ」という地鳴きが観察の手掛かりになります。
ウグイスは低い薮の中で生活することが多く、葉が茂る季節は特に姿を見つけにくい鳥です。鳴き声を聞いたら、すぐに音の方向へ歩き回るのではなく、少し立ち止まり、薮の縁や枝先を静かに観察してみましょう。
「ウグイス色」の鳥を探しても見つからない理由
ウグイスを探すときに注意したいのが、メジロとの混同です。「ウグイス色」という言葉から、鮮やかな黄緑色の鳥を想像する人もいますが、ウグイスの体色は主に褐色系で、緑色が目立つ鳥ではありません。
一方、メジロは黄緑色の体と目の周囲の白い輪が特徴です。花の蜜を吸う姿を見かけたときや、庭木の枝先に鮮やかな黄緑色の鳥がいるときは、メジロの可能性があります。ウグイスは薮の中から声だけが聞こえることも多く、色の印象だけで探さないことが観察のコツです。

【実践編】ウグイスの鳴き声の聞き分け方と音声・動画の楽しみ方
鳴き声を聞き分けるときは、聞こえ方を文字に置き換えるだけでなく、音の長さ、リズム、繰り返し方、周囲の状況を合わせて観察します。初心者でも、次の手順を意識すれば違いをつかみやすくなります。
聞き分けの3つのポイント
1.音が長いか、短いか。「ホーホケキョ」のように抑揚を伴って続く声は、さえずりの有力な手掛かりです。「チャッ、チャッ」と短く切れる声なら、地鳴きの可能性があります。
2.同じ音が連続するか。「ケキョケキョ」と高い声が連続し、長く続く場合は、谷渡りの特徴に注目します。ただし、聞きなしだけで確定せず、録音資料と比較することが大切です。
3.どの季節に、どんな状況で鳴いているか。春から初夏にかけてはさえずりを聞く機会が増えます。周囲の個体や人の接近などに反応して鳴く場合もありますが、鳴いた理由を一つに決めつけないようにしましょう。
ウグイスの鳴き声を音声・動画で比較する方法
実際の声を聞き比べたい場合は、日本野鳥の会の「BIRD FAN」に掲載されているウグイスのさえずり・地鳴きの録音や、サントリーの愛鳥活動が公開している野鳥図鑑の音声資料が参考になります。鳴き声を文字だけで理解するよりも、実際の音を繰り返し聞くほうが、リズムや音程の違いをつかみやすくなります。
YouTubeで探す場合は、「ウグイスの鳴き声3種(さえずり・谷渡り・警戒声)」や「ウグイスの鳴き声3種(さえずり・警戒声・地鳴き)」といったタイトルを手掛かりにすると、複数の鳴き方を比較する動画を見つけやすくなります。
動画を選ぶ際は、単に「ウグイスの鳴き声」と紹介されているものより、声の種類が明記されているもの、録音時期や地域がわかるもの、さえずりと地鳴きが区別されているものを優先するとよいでしょう。谷渡りの説明については、従来の警戒音説だけでなく、2024年の国立科学博物館の研究も踏まえて解説されているかを確認すると、理解を深められます。
野外で録音・観察するときの注意点
鳥の鳴き声を近くで聞こうとして、スマートフォンなどで大音量の鳴き声を流すのは避けましょう。サントリーの愛鳥活動も、再生音を野鳥が仲間の声と誤認するおそれがあるため、屋外での音声再生を控えるよう案内しています。
観察では、自然に聞こえる声を静かに待つことが基本です。録音する場合も、鳥を追い回したり、巣に近づいたりせず、周囲の環境や鳥への影響を優先してください。声が聞こえる場所、時刻、天候、鳴き方をメモしておくと、後から音声資料と比較する際にも役立ちます。
【ウグイスの鳴き声】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ウグイスの鳴き声は「ホーホケキョ」以外に何がありますか? A1:代表的なものに、繁殖期に聞かれる谷渡りと、短い「チャッ、チャッ」という地鳴きがあります。鳴き声には個体差や地域差もあるため、聞きなしだけでなく、音の長さや繰り返し方にも注目しましょう。
Q2:ウグイスの「ホーホケキョ」は何を意味しますか? A2:主に繁殖期のオスが発するさえずりで、メスへのアピールや縄張りの主張に関係しています。人間の言葉のように一つの意味に限定されるものではなく、繁殖期の行動全体の中で理解することが大切です。
Q3:ウグイスの谷渡りは警戒声ですか? A3:従来は危険を知らせる警報と考えられてきましたが、国立科学博物館が2024年に発表した研究では、オスがメスにアピールするための声であるという仮説が示されました。機能が完全に確定したわけではなく、研究が進められているテーマです。
Q4:ウグイスの鳴き声は一年中聞けますか? A4:地鳴きは秋冬にも聞かれる可能性があります。一方、「ホーホケキョ」というさえずりは、主に春から夏の繁殖期に聞かれます。地域、標高、気候、個体の状況によって時期は変わります。
Q5:ウグイスのオスとメスは鳴き声で見分けられますか? A5:繁殖期の「ホーホケキョ」というさえずりは主にオスが発するため、雌雄を考える手掛かりになります。ただし、地鳴きはオスとメスの両方が発するので、短い声だけで雌雄を断定するのは困難です。
Q6:ウグイスの鳴き声を聞き分けるには、どの音声・動画を見ればよいですか? A6:日本野鳥の会の「BIRD FAN」やサントリーの愛鳥活動の音声資料で、さえずりと地鳴きを比較する方法がおすすめです。YouTubeでは、さえずり・谷渡り・警戒声などを比較する動画を探し、録音時期や解説内容も確認すると理解しやすくなります。
まとめ:ウグイスの鳴き声を知れば、野鳥観察の楽しみが広がる
ウグイスの鳴き声は「ホーホケキョ」だけではありません。繁殖期のさえずり、連続的な谷渡り、短い地鳴きなど、声の種類によって特徴や生態との関係が異なります。鳴き声の違いを知ることは、姿が見えにくいウグイスの暮らしを理解する手掛かりになります。
特に注目したいのが、谷渡りをめぐる研究の進展です。2024年の国立科学博物館の発表は、従来の警戒音説に対し、メスへのアピールという新たな仮説を提示しました。鳥の鳴き声は、聞こえ方だけでなく、鳴く時期や周囲の状況、個体の行動と合わせて考えることで、より正確に理解できます。
【プロの結論】 ウグイスの鳴き声を見極めるときは、①音の長さとリズム、②季節と周囲の状況、③信頼できる音声資料や研究成果、という3つの観点を組み合わせるのがおすすめです。声を聞いたらすぐに正解を決めつけず、少し立ち止まって耳を澄ませてみてください。春の「ホーホケキョ」だけでなく、薮の中から聞こえる小さな「チャッ、チャッ」にも目を向けることで、身近な自然の見え方が変わってきます。 (出典: ウグイス の 鳴き声(Yahoo!ニュース))