ドレナージとは?目的・種類・痛みやリスク、ドレーン管理と抜去時期を徹底解説

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ドレナージとは?目的・種類・痛みやリスク、ドレーン管理と抜去時期を徹底解説
ドレナージとは?目的・種類・痛みやリスク、ドレーン管理と抜去時期を徹底解説
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ドレナージとは、体内にたまった血液や膿、浸出液、空気などを体外へ排出する医療処置です。手術後の合併症を早期に発見するために行われるほか、胸腔にたまった空気や腹腔内の膿を取り除く治療にも用いられます。

ドレナージには、細い管を留置して排液を続ける方法や、画像で位置を確認しながら針やカテーテルを挿入する方法などがあります。必要となる理由は患者の病状によって異なり、処置に伴う痛みや感染などのリスク、ドレーンを抜去する時期も一律ではありません。医療機関の公開資料を踏まえ、仕組みから術後の管理まで、患者や家族が知っておきたいポイントを整理します。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 基本:ドレナージは体内の不要な液体や空気を排出する処置で、ドレーンは排出に使用する管を指します。
  • 目的と種類:術後の排液管理、胸腔内の空気や液体の排出、膿瘍の治療など、病状に応じて方法が選ばれます。
  • 痛みとリスク:局所麻酔などで痛みを軽減できますが、出血、感染、臓器損傷、管の閉塞や抜けなどに注意が必要です。
  • 抜去と管理:排液量や性状、画像検査、全身状態などを総合的に判断します。自己判断で管を抜いたり、操作したりしてはいけません。

【基礎知識】ドレナージとは何か?目的とドレーンとの違い

ドレナージ(drainage)は、体内にたまった液体や空気を外へ導き、症状の改善や病状の管理につなげる処置です。医療現場では、排液、排膿、脱気、減圧などを目的に実施されます。

体内に液体や空気がたまると、周囲の臓器を圧迫したり、感染を悪化させたり、臓器の正常な働きを妨げたりすることがあります。たとえば、胸腔内に空気がたまる気胸では肺が十分に膨らみにくくなり、腹腔内に膿がたまる膿瘍では感染が周囲に広がるおそれがあります。こうした問題に対処する手段の一つがドレナージです。

厚生労働省のドレナージ管理に関する資料でも、ドレーンを継続的に留置し、血液や浸出液などを体外へ誘導して貯留させる管理が説明されています。

ドレナージとドレーンの違い

両者は関連する言葉ですが、意味は異なります。ドレナージは排出するための処置や仕組み、ドレーンはその処置に使う管を指します。

  • ドレナージ:体内の液体や空気を排出する処置・操作。
  • ドレーン:排出した液体や空気を体外へ導く管。
  • ドレーン管理:管の位置や固定状態、排液の量・色・においなどを観察し、安全に機能しているか確認すること。

なお、ドレナージは必ずしも長期間の管の留置を意味しません。針などを使って液体を吸引し、その場で終了する方法もあります。一方、排出を継続する必要がある場合は、カテーテルなどを留置して排液を続けます。

ドレナージの主な目的

  • 感染源の除去:膿などを排出し、感染の原因となる貯留物を減らす。
  • 圧迫の軽減:胸腔や腹腔などにたまった液体・空気による圧迫を改善する。
  • 術後合併症の把握:出血、胆汁漏、膵液漏などを排液の変化から発見する手がかりにする。
  • 病状の評価:排液の量や性状を調べ、治療の効果や回復状況を判断する。

重要なのは、ドレナージそのものがあらゆる病気を治すわけではないという点です。感染が原因なら抗菌薬などを併用し、出血や臓器の損傷がある場合には、その原因に対する追加治療が必要になることもあります。

当時のメディア報道・掲載写真
【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:mera.co.jp)

【適応疾患】ドレナージの種類と必要になるケース

ドレナージの種類は、処置を行う部位、排出するもの、排出方法によって分類できます。どの方法を選ぶかは、貯留物の位置や量、粘り気、感染の有無、患者の全身状態などによって変わります。

1.術後ドレナージ

手術後の創部や体腔内にたまる血液、浸出液、リンパ液などを排出する方法です。手術の種類によっては、出血や消化液の漏れなどを早期に発見する目的でもドレーンが使用されます。

ただし、すべての手術でドレーンが必要になるわけではありません。手術部位や合併症のリスク、術式、患者の状態などを考慮し、留置するかどうかを判断します。

2.胸腔ドレナージ

胸腔ドレナージは、肺と胸壁の間にある胸腔にたまった空気や液体を排出する処置です。気胸、胸水、膿胸などが代表的な対象となります。

胸腔内に管を留置し、排気・排液を行います。必要に応じて、水封式の排液装置や吸引装置を使用します。特に気胸では、空気を排出して肺が再び膨らむようにすることが治療の目的です。呼吸状態や画像検査、空気漏れの有無などを確認しながら管理します。

3.腹腔ドレナージ

腹腔ドレナージは、腹腔内にたまった血液、膿、浸出液などを排出する方法です。腹部の手術後に生じた液体の貯留や、腹腔内感染などで検討されます。

留置したドレーンから排液を続ける場合は、排液の量や色、粘度、においを観察します。排液の急増や血液・胆汁・膿を疑う変化は、出血や感染などを評価する手がかりとなります。

4.膿瘍ドレナージ

膿瘍とは、感染などによって組織内に膿がたまった状態です。膿瘍ドレナージでは、膿を体外へ排出して感染源をコントロールします。

皮膚を通して針やカテーテルを挿入する経皮的ドレナージでは、超音波やCTなどの画像を利用して位置を確認します。深い場所にある膿瘍でも、解剖学的な条件が許せば、開腹などの大きな手術を避けて治療できる場合があります。

日本IVR学会の患者向け解説では、経皮的膿瘍ドレナージの合併症として、出血、臓器損傷、菌が血液中に入ることによる全身反応、周囲への炎症の広がりなどが挙げられています。処置が適切かどうかは、膿瘍の位置や大きさ、患者の状態を踏まえて判断されます。

5.排出方法による分類

排出方法には、重力などを利用する方法と、陰圧を利用して排出を促す方法があります。管の構造や接続する装置も、処置する部位や排液の性質に応じて選択されます。

  • 自然排液:重力などを利用して液体を排出する。
  • 吸引ドレナージ:装置などによる陰圧を利用して排出を促す。
  • 経皮的ドレナージ:皮膚から針やカテーテルを挿入し、画像誘導などを用いて貯留部位に到達する。
  • 外科的ドレナージ:手術によって貯留部位を開放し、膿や液体を排出する。

これらは必ずしも相互に独立した分類ではありません。たとえば、経皮的に挿入したカテーテルを吸引装置につなぐこともあります。

【処置の流れ】ドレナージの方法と手順を比較表で解説

ドレナージの手順は、留置する部位や処置方法によって異なります。ここでは、患者が治療の流れを理解できるよう、一般的な経皮的ドレナージを中心に説明します。実際の穿刺や管の挿入は、医療従事者が適切な環境で行う処置です。

処置前から留置後までの基本的な流れ

ステップ1:検査と治療方針の決定

診察や血液検査、超音波、CTなどを通して、液体や膿がたまっている場所と状態を確認します。出血の危険性、服用中の薬、アレルギー、感染の程度なども評価します。

ステップ2:処置の説明と準備

処置の目的や想定される利益、リスク、代替手段について説明を受けます。必要に応じて絶食、点滴、局所麻酔、鎮静などの準備を行います。抗凝固薬などを服用している場合は、必ず事前に医療チームへ伝えます。自己判断で休薬してはいけません。

ステップ3:針やカテーテルの挿入

処置部位を消毒し、必要な麻酔を行ったうえで、画像誘導などを利用して貯留部位にアクセスします。膿や液体の状態を確認し、必要に応じて検体を採取します。

ステップ4:排液と固定

必要に応じてカテーテルを留置し、排液バッグや吸引装置などにつなぎます。管がずれないように固定し、排液が適切に行われているか確認します。

ステップ5:経過観察と治療効果の評価

排液量や性状、発熱、痛み、呼吸状態などを観察します。必要に応じて血液検査や画像検査を行い、ドレーンの位置調整、交換、追加の処置などを検討します。

処置時間や入院期間は、病変の位置や難易度、感染の程度などで変わります。画像誘導下の膿瘍ドレナージについて、米国放射線学会などが運営する患者向け情報サイト「RadiologyInfo」は、処置時間の一般的な目安を20分~1時間としています。ただし、これはすべてのドレナージに当てはまる時間ではありません。

主なドレナージの比較

種類主な対象目的・特徴管理のポイント
術後ドレナージ手術部位の血液・浸出液など液体の排出や術後合併症の把握排液量・色・性状の変化を確認する
胸腔ドレナージ気胸、胸水、膿胸など胸腔内の空気や液体を排出する呼吸状態、空気漏れ、装置の状態を確認する
腹腔ドレナージ腹腔内の液体貯留、感染など液体の排出や感染源のコントロール排液量・性状、発熱、腹痛を確認する
膿瘍ドレナージ体内に形成された膿瘍膿を排出し、必要に応じて検体を採取する感染徴候、排液の停滞、管のずれを確認する

表に示した管理項目は代表例です。実際には留置部位ごとに確認すべき事項が異なり、胸腔ドレーンのように排気の状態を重視するものもあれば、腹部のドレーンのように消化液の漏れや出血を疑う排液の変化に注意するものもあります。

【痛みと合併症】ドレナージは痛い?知っておきたいリスク

ドレナージに伴う痛みは、処置する場所、挿入方法、麻酔の種類、炎症の程度などによって異なります。「必ず強く痛む」「まったく痛くない」と一律にはいえません。

処置中や処置後に感じる痛み

局所麻酔を使用する場合、麻酔薬を注入する際にしみるような痛みを感じることがあります。その後、針やカテーテルを挿入するときに圧迫感や違和感を覚える場合もあります。処置の内容によっては鎮静を併用することもあります。

管を留置している間は、挿入部の痛みや、体を動かしたときの引っ張られるような感覚が生じることがあります。必要に応じて鎮痛薬などで対応しますが、痛みが急に強くなった場合は、単なる処置後の痛みと決めつけず、医療スタッフに伝えてください。

主な合併症とリスク

  • 出血:針やカテーテルの挿入時に血管を傷つけることで起こる可能性があります。
  • 感染:穿刺部や留置した管を介して感染が生じたり、既存の感染が全身に広がったりすることがあります。
  • 周囲の臓器・組織の損傷:挿入経路や貯留部位によって、腸管、血管、肺などを損傷するリスクがあります。
  • 管の閉塞:粘り気の強い膿や血液などによって、排液が妨げられることがあります。
  • 管のずれ・抜け:固定が外れたり、管が移動したりすると、排液不良や再貯留につながることがあります。
  • 排出不十分・再貯留:膿瘍が複雑な形をしている場合などは、一度の処置で十分に排出できず、追加処置が必要になることがあります。

これらのリスクはすべての患者に同じ確率で起こるわけではありません。病変の場所や大きさ、血液凝固の状態、感染の程度、使用する器具などによって異なります。画像誘導や適切な固定、衛生管理、経過観察などは、安全性を高めるための重要な対策です。

処置後にすぐ医療機関へ相談すべき症状

ドレナージ後に次のような変化が見られた場合は、速やかに医療スタッフへ連絡してください。退院後であっても、症状によっては緊急の診察が必要です。

  • 息苦しさや呼吸状態の急な悪化
  • 止まらない出血、急に血液が増えた排液
  • 発熱や悪寒、震え、強い倦怠感
  • 急激な痛みの悪化、挿入部の強い腫れや赤み
  • 排液が突然止まった、または急に増えた
  • 管が抜けた、固定が外れた、接続部が外れた

特に強い呼吸困難、意識の変化、大量出血などがある場合は、救急対応が必要です。排液が止まったからといって、貯留物がすべてなくなったとは限りません。管の屈曲や閉塞、位置のずれなども考えられます。

【術後の管理】ドレーンの観察方法と抜去時期の判断基準

ドレーンを留置した後は、排液を出し続けるだけでなく、管が適切に機能しているか、合併症が起きていないかを確認する必要があります。入院中は医師や看護師が管理し、退院後も管が残る場合は、医療チームから具体的な取り扱い方法の説明を受けます。

ドレーン管理で確認するポイント

  • 排液の量:前回までの量と比べて急に増減していないか。
  • 排液の色や性状:血液、膿、胆汁などを疑う変化がないか。
  • におい:感染などを疑う異常なにおいが生じていないか。
  • 挿入部の状態:赤み、腫れ、痛み、液漏れ、出血がないか。
  • 管や接続部の状態:屈曲、閉塞、固定のゆるみ、装置の異常がないか。
  • 全身状態:発熱、腹痛、呼吸困難、血圧の変化などがないか。

排液の変化は、患者の状態を把握するための手がかりです。ただし、色や量だけで合併症の有無を断定することはできません。正常な排液の特徴も部位や術式、術後の日数によって違うため、医療スタッフの指示に沿って判断します。

退院後に注意したいこと

ドレーンが入った状態で退院する場合は、管の固定方法や排液バッグの取り扱い、入浴や運動の可否、受診時期などを確認しておきましょう。管を引っ張らないようにし、指示されていないクランプ操作、洗浄、管を押しつぶすような操作などは避けてください。

排液を記録するよう指示された場合は、指定された時間や方法で記録します。排液量が急に変化した場合や、管の異常に気づいた場合は、自己判断で修復せず、医療機関に相談してください。

ドレナージの抜去時期はいつ?

ドレーンを抜く時期は、術後何日目という日数だけでは決まりません。排液量が減っているか、排液の性状が改善しているか、原因となった病態が落ち着いているか、画像検査や血液検査で改善が確認できるかなどを総合的に判断します。

国立がん研究センター中央病院の胸部外科クリニカルパスでは、胸腔ドレーンを抜く目安の一例として術後2日目を示しています。一方、国立病院機構埼玉病院の呼吸器外科診療Q&Aでは、排液量が正常に近づいていることや空気漏れが停止していることなどを抜去の判断材料として説明しています。手術の内容や患者の肺の状態によって、留置期間は変わります。

また、国立がん研究センター東病院の膵臓手術に関する患者向け説明では、経過が良好な場合のドレーン抜去時期を術後3~5日目としていますが、膵液漏や腹腔内膿瘍などが生じた場合は、状態が改善するまで留置を続けることがあります。

このように、抜去時期には部位や術式ごとの違いがあります。患者自身が排液量だけを見て抜去を判断したり、管を自分で引き抜いたりすることは危険です。抜去の判断と実施は、担当する医療チームが行います。

【プロの結論】ドレナージを正しく理解するための判断基準

ドレナージを理解するときに大切なのは、「管を入れる処置」という表面的な説明だけで終わらせないことです。何を排出する必要があるのか、なぜ排出が必要なのか、どのような状態になれば管を抜けるのかという3点を押さえると、治療の目的が明確になります。

患者や家族が医療スタッフに確認しておきたい事項は、次のとおりです。

  • 目的:血液、膿、浸出液、空気のうち、何を排出するためのドレーンなのか。
  • 留置期間:抜去を判断するために、どのような検査結果や症状の改善を確認するのか。
  • 日常生活:歩行、睡眠、入浴、着替えなどで、どのような注意が必要なのか。
  • 緊急時の対応:排液の変化、発熱、痛み、管の抜けなどが起きた場合、どこへ連絡すればよいのか。

もう一つ知っておきたいのは、ドレーンの留置自体が必ずしも合併症を防ぐわけではないという点です。排液を適切に管理できる利点がある一方、管の留置に伴う感染や不快感などの負担もあります。そのため、必要性を評価し、状態が改善したら適切な時期に抜去することが重要です。

治療方針に疑問がある場合は、ドレナージを行う理由、ほかの治療方法、想定されるリスクについて担当医に説明を求めると、納得して治療に臨みやすくなります。

【ドレナージとは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ドレナージとは、簡単にいうと何ですか?
A1:体内にたまった血液、膿、浸出液、空気などを体外へ排出する医療処置です。手術後の排液管理や、胸腔内の空気・液体の排出、膿瘍の治療などに用いられます。

Q2:ドレナージは痛いですか?
A2:麻酔薬を注入するときの痛みや、管を挿入するときの圧迫感、留置中の違和感などが生じることがあります。痛みの程度は処置部位や方法によって異なり、必要に応じて麻酔や鎮痛薬などで対応します。急に痛みが強くなった場合は医療スタッフに相談してください。

Q3:ドレーンはいつ抜去できますか?
A3:排液量や性状、原因となった病態の改善、画像検査や血液検査の結果などを踏まえて判断します。術後2日目や3~5日目が目安として示される手術もありますが、すべての患者に共通する日数はありません。抜去時期は担当医が判断します。

Q4:ドレーンから液体が出なくなったら、治ったということですか?
A4:必ずしもそうではありません。貯留物が減った可能性もありますが、管の屈曲や閉塞、位置のずれなどによって排液が止まることもあります。突然排液が止まった場合は、自己判断せず医療機関に連絡してください。

Q5:ドレナージを行えば、感染や膿瘍は必ず治りますか?
A5:必ず治るわけではありません。貯留物を排出することは感染源のコントロールに役立ちますが、膿瘍の大きさや形、感染の程度などによっては、抗菌薬や追加のドレナージ、手術などが必要になることがあります。

まとめ:ドレナージの目的・リスク・抜去時期を正しく理解する

ドレナージとは、体内にたまった液体や空気を排出し、症状の改善や病状の管理につなげる医療処置です。術後ドレナージ、胸腔ドレナージ、腹腔ドレナージ、膿瘍ドレナージなど、対象となる部位や病態に応じて方法が選ばれます。

ドレーンを留置している間は、排液量や色、挿入部の状態、発熱や痛みなどを確認することが大切です。出血、感染、管の閉塞やずれなどのリスクもあるため、異常が疑われる場合は速やかに医療機関へ相談してください。

抜去時期は一律ではなく、病状の改善や検査結果などを総合的に評価して決定します。処置の目的、留置中の注意点、抜去の判断基準を理解し、疑問があれば担当医や看護師に確認することが、安全な治療と回復につながります。 (出典: ドレナージ と は(Yahoo!ニュース))